甘く危険な野菜
今日紹介するのはこちらのお野菜。
どう見ても木の葉。
ちょっと野菜という感じはしないんだけど、葉野菜として栽培されている[rau ngót]という名前のお野菜です。
和名は[アマメシバ]と言います。
どうやって食べるかと言うと、圧倒的にこれ。
スープにして食べますよ。
ベトナムの代表的なスープの一つと言ってもいいくらいポピュラーで、[cơm bình dân]でも定番のスープになっているので、在住者の方なら食べたことあるんじゃないでしょうか。
この野菜、ほんのり甘い、いい出汁が出るんですよ。
見た目通り、木の葉なんでほんの少し時間をかけて煮ないと柔らかくならないんだけど、煮崩れることはなく、シャキッとした食感で、特にクセもなくてとても美味しい。
なんですが、実は以前台湾でこの野菜による健康被害が多数、日本でも2例報告されたんです。
それを受けて日本ではアマメシバの販売が禁止されるという措置が取られました。
でもね、アマメシバはベトナムをはじめ、東南アジアでは古くから野菜として食べられているのに、健康被害の報告などないんですよ。
ではどうしてこんなことになったのかと言うと、被害に遭った人たちはダイエット食品として、アマメシバの乾燥粉末ジュースを飲んでいたから、ということらしいんです。
アマメシバには本来若干の毒性があるらしく、しっかり加熱して料理として食べる分には何の問題もないんですが、粉末のジュースは非加熱だったし、ジュースで飲むと料理で食べるより、一度にはるかに大量に摂取できてしまうので、健康被害に遭う人が出てしまったというのが真相とのことでした。
そんな訳で、ご安心を。
[canh rau ngót]はベトナムに来たら是非食べてもらいたい、王道スープです。