【遊戯王デュエルリンクス】KC53位 デュエリストFのシンクロン・クアンタムデッキ解説【KC24.Feb】
どうもです。はじめましての方ははじめまして。
リンクスプレイヤーやってます、ベーコントマトフィールドと申します。
この度KCカップにて53位入賞を果たしたので、ここぞとばかりに承認欲求を満たすべく書き殴りました。
この先クソ長オタク語りが続きますので、構わん話せという方は読み進めていただけると幸いです。
デッキコンセプト
そもそも何するデッキやねんって話から。
スキル「シンクロン・クアンタム」を使い、サイバース・シンクロン1枚からサイバース・ウィキッドを経由して大型モンスターに繋げるデッキです。
スキルについて
まずはスキルの内容を見ていきましょう。
例によって複雑な説明文ですね。
要素を分解して1つずつ見ていきましょう。
①使用条件
特殊召喚に制限がかかります。
デッキ・墓地・除外ゾーンからは光・闇・地属性のサイバース族以外のモンスターは特殊召喚できません。
サイバース族に限って言えば、転生炎獣との併用を避けたいという意図を感じます。
この条件下で、後述の②③の処理をそれぞれ1ターンに1度ずつで行うことができます。
なお、この2つですが回数制限がありません。嫌な予感がしてきました。
②サイバース・シンクロンを見せて手札交換します
手札のサイバース・シンクロンを公開することで、デッキ・墓地から条件を満たすモンスターをサーチします。
現在引っ張ってこれるのは全部で4種類ですが、基本的にサイバース・ガジェットかバックアップ・セクレタリーのどちらかを加えることになるでしょう。
所謂「至る」やつなのですが、恐ろしいことに
・交換する手札は任意かつ墓地に送られる
・サーチ先がデッキにいなくても墓地から回収可能
至れり尽くせりにもほどがあります。頭おかしい。
③手札のサイバース・シンクロンを反転召喚できる状態でセットしてついでに墓地・除外ゾーンのサイバース族を2体までデッキに戻せます
召喚権を使わずに1チューナーが場に出ます。
それだけでは飽き足らず、消費したリソースを回復しちゃうのですが、
これがこのスキルの最たるイカれポイントでして。
サイバース・シンクロンや②の交換先がデッキに戻るということは、スキル発動に必要なリソースが尽きず、何度も何度も打ち続けることができるわけです。
まとめると、サイバース・シンクロンさえ握っていれば安定したムーブをリソースの心配をせずに毎ターン行えるスキルというわけですね。
基本展開
じゃあ実際のところどんな具合に展開するのか見ていきましょう。
【条件:手札にサイバース・シンクロン(以下「シンクロン」)】
①スキルを発動、シンクロンをチラ見せしてサイバース・ガジェット(以下「ガジェット」)をサーチし、シンクロンを墓地に落とす。
②ガジェットを召喚、効果でシンクロンを蘇生。
③ガジェットとシンクロンでサイバース・ウィキッド(以下「ウィキッド」)をリンク召喚。
④ガジェットがフィールドから墓地に送られたため、効果でガジェットトークン(光星2サイバース攻守0)をウィキッドのリンク先に特殊召喚。
⑤トークンがリンク先に特殊召喚されたことでウィキッドの効果発動、墓地のサイバース族1枚を除外し、デッキから2枚目のシンクロンをサーチ。
⑥スキル発動。手札のシンクロンをフィールドにセットし、除外された方のシンクロンをデッキに戻す。
⑦トークンと反転召喚したシンクロンでサイバース・インテグレーター(以下「インテグレーター」)をシンクロ召喚し、着地効果で墓地のシンクロンを蘇生。
⑧シンクロンの効果でインテグレーターのレベルを6に変更。インテグレーターとシンクロンでサイバース・クアンタムドラゴン(以下「クアンタム」)をウィキッドのリンク先にシンクロ召喚。インテグレーターが墓地に送られたことで1ドロー。
以上となります。
ウィキッドで場のモンスターに効果耐性が付与され、クアンタム以外のモンスターは攻撃・効果の対象にならなくなります。
もちろんこのままでは付け入る隙だらけなので、状況に合わせて残りの手札で盤面を固めていきます。
なお、クアンタムを作らずにリンク召喚を重ねることも可能なため、応用が利きます。
より具体的な内容については、このあとの項目にて順を追って説明します。
今回の環境
こちらは今回の私の対戦記録です。
一部記入ミスがあるため、実際の戦績と若干ズレがありますがご了承ください。
デッキ分布の欄を見るとわかる通りタキオンだけで半数以上、
続く不知火も4分の1のシェアとなっており、非常に偏った環境でした。
高い安定感でカウンター罠を含めた妨害を複数構え、攻勢に転じれば8エク連打で場を荒らしまくって高打点を叩きこむタキオン。
多岐にわたるルートで墓地・除外ゾーンを自在に操り臨機応変に立ち回る不知火。
どちらも再現性・攻撃力・防御力いずれにおいても頭一つ抜けており、他の追随を許しませんでした。
新弾前に環境を席巻していたセイクリッドでさえも上位帯から駆逐されている事実が、そのパワーの凄まじさを雄弁に物語っています。
新弾発売後すぐに暴れまわるタキオン。その荒波の中で強烈なメタとなるあるカードが浮上します。
こちら、小人のいたずらです。
互いの手札のモンスターのレベルを1下げる効果をフィールド・墓地でそれぞれ一度ずつ使用できます。フリチェです。
レベルを参照するシンクロ・エクシーズ召喚全般を妨害できる上、2ターンに渡って相手の行動を制限可能です。
不知火・タキオンはそれぞれシンクロ・エクシーズを主軸とするので、刺さることは想像に難くないでしょう。
加えて両者のスキルはいずれも手札の特定のレベルのモンスターを発動のトリガーにするため、スキルの介護による超展開というデッキの大前提が崩壊してしまいます。
それ故、対不知火・タキオンを制するには、先攻で都合よく小人を引き込み実質ターンスキップを押し付けられるかどうかが重要となります。
メインギミックにドローやマリガンを据えているデッキであれば、小人を手札に持ってくる確率を底上げでき、小人を戦略に組み込むことができるわけですね。
なんとデッキそのもののパワーと上記の要素を兼ね備えたデッキが存在しました。
不知火とタキオンです。
ええ加減にせぇよ。
かくして今回のKCは、人狼が互いの脳天目掛けてシルバーバレットを撃ち合う魔鏡と化したのでした。
構築
こちらが使用した構築です。
とにかく破壊による除去と破壊耐性持ちだらけの環境。
であれば、こちらも破壊耐性を活用しながら破壊耐性持ちを処理しやすいプランを取ればいいわけです。
そこで白羽の矢が立ったのが、ウィキッドの破壊耐性付与・バウンス効果持ちモンスターを多数擁するシンクロン・クアンタムデッキでした。
インテグレーターの1ドローで小人を引ければヨシ、調律の墓地肥やしで小人が落ちてもヨシ。
脳死で小人を3積みするだけのデッキに比べ、先攻で小人にアクセスしやすく、より現実的なものとして戦略に組み込むことが可能です。
相手の小人の影響を受けづらいのもポイント高いです。
相手が小人を引けば引くほど実質的なアドを獲得できるため、小人環境に非常にマッチしていました。
メインギミックと手数を担保するため、不純物は最低限の7枚。
先攻番長用の小人以外はコイントスに左右されにくくかつ汎用的な速攻魔法を採用しています。
とにかく初手に引き込みたいシンクロンは、調律と合わせて6枚体制。
初期手札4枚だと初手に来る確率は8割弱とやや控えめですが、スレイヤーorセクレタリーorコンバーター+ガジェットorスケーパーの2枚初動でも動けるため、再現性は十分と判断しました。
シンクロン・調律をダブらせまくるのも渋いですし。
では、1枚ずつ採用理由を見ていきましょう。
【サイバース・シンクロン】
このデッキを成り立たせる最重要パーツ。
デッキ・手札に必ず1枚は残すよう、しっかりリソースを回収するよう気を付けましょう。
エクストラゾーンのモンスターの破壊を肩代わりする効果も優秀。
文句なしのフル投入。
【サイバース・ガジェット】
蘇生にトークン生成と、1枚で2アド稼ぐバケモンです。
スキルとの噛み合いっぷりが異常。
サーチ・回収が容易なため、ピン差しでOK。
【バックアップ・セクレタリー】
緩い条件で手札から展開可能。
スキルでサーチできるステータスなため、ガジェットを素引きしている際に引っ張ってきます。
星3なので、インテグレーターを挟まずいきなりクアンタムを立てる芸当もできちゃう。
こちらもガジェット同様1枚。
【リンクスレイヤー】
展開前にポン出しし、ついでに相手のバックに触ろうとする器用なやつ。
先攻展開の補助、後攻での妨害踏みとあらゆるシチュエーションで仕事してくれます。
一方で、場が埋まっていると出しにくいため、ダブったり返しのターンで素引きすると急に黙り始めるので2枚のみの採用。
稀に小人もらってリリース無しで出てくることも。
【ドットスケーパー】
デュエル中に一度ずつ、1ターンに片方しか使えませんが、
・墓地から即蘇生
・除外から即帰還
ができるスネークの上Bみたいなやつ。
スキルでシンクロンでなくコイツを落とし釣り上げ素材にしたのち、ウィキッドで除外して効果で帰還。そのまま他のリンク体につなげてもいいですし、再生可能な壁として置いておくのも有効です。
コンボ性能が高く、是非とも引き込みたいですが2枚目が仕事しないのでピン差し。
【サイバース・コンバーター】
自分の場がサイバース族で埋まっていると、手札から展開できます。
ガジェットで釣れるのもえらい。
一方でエネパクしていたり月で裏返されたやつがいるとニートしちゃうので、がめずに早め早めに出すが吉。
【デグレネード・バスター】
墓地のサイバース2体をコストに出てくる特殊召喚モンスター。
フリチェで自身より打点の高い相手モンスターをエンドフェイズまで除外します。
攻めにも守りにも使えるすごいやつなのですが、如何せん仮想敵の使う高打点は出てきた時点でおしまいだったりするので、その派手さの割に活躍の機会は控えめ。それでもここぞの一押しを担ってくれました。
ピンポイントリリーフ故ピン差し。
【サイバース・ウィキッド】
シンクロン、ガジェットに並ぶこのデッキの重要パーツ。
シンクロンをサーチして更なる展開へと繋ぎます。
破壊耐性付与で何度も盤面を護ってきた偉い子。
サンドバックにされて敗着になった回数も数知れずなんですけどね!
【サイバース・クアンタム・ドラゴン】
リンクモンスターと並べると、自身以外のモンスターに対象耐性を付与し、攻撃対象を自身に絞らせます。
加えて戦闘を介して対象を取らずにバウンスして攻撃をおかわり。
まさにエースの風格。
相手は真っ先にクアンタムを処理しにかかるので他の札で上手くカバーする必要があります。
【サイバース・インテグレーター】
シンクロ召喚されるとシンクロンを供給。
墓地に行けば1ドロー。
盤面のモンスター数を減らさず、更にアドを稼ぐ中継点の鑑。
ただし、その後の展開先がサイバース族に絞られるので要注意。
【ハニーボット】
お隣のモンスターに対象耐性と戦闘破壊耐性を付与します。
クアンタムと並べると滅茶苦茶安心できます。
間違ってもインテグレーターを横に置かないこと。
自分の効果も対象に取れなくなっちゃいます。
【セキュリティ・ドラゴン】
相互リンク状態だと相手モンスターを1体バウンス。
軽量リンクで条件も満たしやすく、小回りが利きます。
【トロイメア・ユニコーン】
言わずと知れた汎用リンク。
上向き・横向きのマーカー持ちが多いこのデッキだとドロー効果も狙いやすいです。
インテグレーターと併用できない点のみ注意。
【ラスタライガー】
リンク先の自軍をコストに選んで破壊。
墓地のリンク体を参照にしたターン終了時までの打点アップ。
このデッキのフィニッシャーです。
場合によっては、低リンク体を並べて的を絞らせずに面押しした方が強いこともあるので欲張りすぎないように。
【アップデートジャマー】
戦闘補助効果はおまけで、リンク素材になるとそのリンク体に2回攻撃を付与するのが本命。
ガラ空きの盤面をユニコーン単騎で突っ込んだり、4000打点のライガーで修羅したり。
所謂詰めのロマン砲枠です。
エクストラ枠の中では優先度は低め。
【調律】
4枚目以降のシンクロン。
ついでに墓地肥やしもしちゃう。
今回に限って言えば都合よく小人が落ちるのを狙います。
スキルの発動タイミングを加味してより狙った札が落ちやすいタイミングで打ちましょう。
【月の書】
汎用札筆頭格。
妨害は勿論のこと、ブレードを寝かせてミグレイションを腐らせるのが主な役目です。
引けば引くほどうれしいのでフル投入。
【エネミーコントローラー】
リリース当初から色褪せない生涯現役選手。
他のリミ1枠と比較してもその汎用性・応用性は群を抜いています。
展開力に優れたこのデッキならエネパクもやりやすい。
【小人のいたずら】
この環境を象徴する1枚。
後手で引くと渋いですが、どんどん手札コストにしちゃいましょう。
他にも各種手札誘発、展開要因となるサイバース族、より汎用性の高いリンク体など、採用候補となる札は多いです。
ちなみに、サイバースデッキのお供になりがちなデバッカーとマイニングですが、
デバッカーはガジェットと召喚権を奪い合い、マイニングは手札消費が激しいので不採用となりました。
そもそもスキルで初動率が十分担保されているので、サーチャーを足す必要がなかったわけです。
採用札・枚数など、まだまだ改造の余地があるので、研究しがいがあります。
各対面における立ち回り
では、実戦での動き方について解説していきましょう。
先述の通り、不知火・タキオンでシェアの8割を占めている環境でしたので、今回はこの2つに絞って話していきたいと思います。
タキオン対面
【先攻】
タキオンに対し先攻を取った場合、まず意識しなくてはならないのが、
”2000以上の打点を置かない”ことです。
というのも、タキオンには「相手フィールド上に攻撃力2000以上のモンスターが存在する」という条件で、ターン制限なく手札からこれでもかと湧いてくる限界竜シュバルツシュルトが搭載されています。
限界竜を引けば引くほど捲るための手数が増え、2~3妨害程度なら余裕で踏み越えてキルを取ってしまいます。
星4や2枚目の限界竜とバルジを組み合わせれば、小人を無視してレベル8を3体並べ、強行突破も可能です。
ですが、裏を返せば限界竜の召喚条件を満たしさえしなければ、
最大限展開できたとしても、通常召喚・スキル・バルジ効果・ネビュラ効果の5体で頭打ちとなります。
仮に小人にアクセスできずとも、月の書1枚だけで首の皮をつなぐことも難しくはありません。
したがって、タキオンの猛攻を耐えるためには無理に強固な前盤面を作ろうとせずに壁を並べるが吉です。
【後攻】
タキオンの制圧盤面は非常に強固です。
スレイヤーの牽制、ブレードへの月・エネコンによるミグレイション潰しで妨害を踏み、残りの札で面押しを図りましょう。
とりわけエンジンとなるガジェットは意地でも通すように。
ライフを削りきれなくとも、展開の過程で妨害にアクセスできていれば、ターンが返ってくることも期待できます。
突破しきれないからと日和って僅かな壁モンスターと妨害を構えたとてアド差は広がるばかりです。相手の妨害を剥がしきって喉元にナイフを突きつけましょう。
不知火対面
不知火の強みは任意のタイミングでの超展開と対象を取らない破壊にあります。
それ故ウィキッドクアンタムセットで沈黙させることが可能です。
とはいえ、クアンタムが垂氷や不純物の的になった途端、一転してウィキッドを戦神でしばくゲームに変わります。
それ故、死ぬ気でハニーを一緒に添えることを目指しましょう。
いよいよもって不知火側の回答が枯れてきます。
後手はウィキッドで炎神の除去をスルーしきることができれば万々歳。
耐久力はタキオン以上なので慌てず反撃されない盤面の維持に努めましょう。
以上がトップシェア対面での基本的な立ち回り方になりますが、
無論、上位帯は多少の不利ムーブは、細かい構築とプレイングの調整で着実に対応してきます。
ある程度の展開パターンは覚えたうえで、思考に割ける時間を確保する。
単純な理屈ですが、だからこそここぞの瞬間で活きていくわけです。
プレイングの最適化を心掛けましょう。
おわりに
競技勢としてガチりはじめて4年半、やっとこさ念願だったアイコンを取ることができました。
ひとつの目標地点に到達して思うのは、独力じゃまず無理だったこと。
構築やプレイングについて忌憚なく語り合える仲間、鮮度と質の高い知見を発信する活動者、実戦での経験値を積める有志のポイバ・大会・リーグ戦・練習試合など。
これらは界隈あるいは特定の個人に対して貢献したいと考え行動してくれる人がいてはじめて成立します。
時間・場所・交友関係に縛られず、気軽にソロプレイができることがリンクスの強みのひとつなのは間違いありませんが、上を目指すのであれば積極的にコミュニティに飛び込むのも悪くない戦略かもしれません。
ここまで自分を育ててくれた方々、そして最後まで読んでくださったあなたに感謝の意を示してこの記事を締めくくろうと思います。
ありがトマトフィールド!!!!!!!!
は?