べてるの家のオンラインマガジン「ホップステップだうん!」 Vol.281
・将棋とオセロ 江連麻紀
オセロは全勝しているOさん、そして全敗のYさん。
将棋は全勝しているYさん、そして全敗のOさん。
この日、仕事の合間にニューべてるの1階で将棋をしていて全勝中のYさんが勝ちました。
文/写真:江連麻紀
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●新刊「弱さの情報公開」NEW
2023年10月発売の最新書籍です。
2020年に発売しご好評をいただきました「弱さの研究」の続編。
不寛容な社会での孤立と孤独「つながり」を考える。
一部では、カーリング日本代表の吉田知那美選手とべてるの家の人や
向谷地生良氏との「強さと弱さ」についての対談。
二部では人と人の「つながり」を各章で考察、依存症、認知症の孤独について、本当の「つながる」ことの意味を考える。
<目次>
まえがき―「弱さの情報公開」の源流 3
一部 弱さの情報公開
一章 弱さの情報公開 9
二章 弱さを認める 37
三章 行き当たりバッチリ 63
二部 つながる
四章 わたしが「ダメ。ゼッタイ。」ではダメだと思う理由 85
質疑応答 127
五章 「認知症と繋がる」ということ 151
六章 あいだは「愛だ」 167
七章 地域と人と苦労で繋がって(向谷地生良氏最終講義) 199
●大反響増刷中!
『子ども当事者研究 わたしの心の街にはおこるちゃんがいる』
本体価格:990円+税、出版社:コトノネ生活
● べてるの家の「2024年カレンダー」
2024年もべてるの家のオリジナルカレンダーが登場しました。べてるの仲間が大切にしている言葉とすずきゆうこさんの温かいイラストで2024年が良い年になりますように。
● べてるへの見学・お問い合わせ
● 12月12日(火)開催 イベント情報
『弱さの情報公開』刊行記念 行き当たりバッチリ!~弱さでつながれ 向谷地生良&向谷地宣明 with 辻 信一(オンライン開催)
・「北のバラバラな日々」(34) 笹渕乃梨
札幌はすっかり雪が積もって今朝はマイナス7度。我が家の新しいメンバーのヒガシヘルマンリクガメのたまごちゃん(1歳)も室温の低さのせいかシェルターからでてこず、すっかり出不精カメになっています。
前回自分に誓いを立てる実験の話を書いてから、あっという間に半月が経ちました。自分への誓い、その後も毎日続いております。
「今日一日、わたしは娘に小言を言いません」というやつです。
今回のPMSは、なんと小言を言わないで乗り越えられました。(パチパチパチ〜)これはわたしとしては結構すごいと思う。小言を言わないどころか、けっこう機嫌よく過ごせた気もする。嬉しくて職場のY君に誇らしげに報告したりもしました。するとY君、「えー!すごいじゃないですか!いや。すごい?すごいのか?」と首をぐいとかしげながら笑ってたので、すかさず「すごいってことにしておくれ!」と頼んだりしたのでした。
自分の語りは自分の身体が聴いてるんだって。だもんでわたしは、ウザがられてるかもしれないけど、やや積極的にこの誇らしい気持ちを人に話して歩いております。
しかし、誓いを立てる毎日を維持できたにせよ、よくPMSを機嫌よくのりこえられたものです。わたしの中で何が起きていたのか考えてみたところ、以下のようなことが思い浮かびました。
○毎朝誓いを立てることで、メタがいつも以上に自分の小言や機嫌に関心をもっているっぽい。小言や不機嫌がでてきそうな状況をなるべく遠ざけようとする声がけをしてくれる。
例)
メタの声
「そろそろPMSの時期だよ。予定を詰め込みすぎずゆったりね」
「命の母も飲んでおこうね」
○毎朝誓いを立てることで、どうやらわたしは一日分の小さな覚悟をしているっぽい。自分との約束を守りたい覚悟が上機嫌への張り合いになっているかも。
こんな感じです。
一度は、宿題を教えてる時に集中力が切れてアッパラパーなことを言い出した娘に暴発してしまい泣かせてしまいました。が、すぐにメタがわたしの頭にやってきて「あああ!出しちゃいましたね(小言)!」など言うもんだから、わりと短時間で落ち着きを取り戻し詫びることができました。
小言爆弾を暴発させてしまったのは、この15日間でこの1回だけです。
で、この誓い、なんとなく変化しつつあるのです。
ちょっと余裕が出てきたのか、今までの誓いに飽きたのかわかりませんが、新しい文言を唱えたくなってきたのです。
ポッと頭に降ってきた文言はこう。
「今日一日、わたしは自分自身を 大事なお客さまのように、生まれたての赤ちゃんのように大切に扱います」
これをやろうとすると、わたしはわたしの世話もしなくちゃいけないし、大切にされる側にもならなきゃいけない。けっこう忙しい。
清潔な部屋で、おいしいご飯をたべて、体をきれいにしてちゃんとスキンケアする。どんなにお気に入りでもフチの欠けたカップは使わない。
こんな感じ。
これはまだ2日間しか誓ってないので、どうなのかはなんとも言えません。が、誓ってるうちは自分を大切にしようとする動きをしようとしてました。
でも。まずはやっぱり小言です。
娘に小言を吐かず、機嫌のいい母さんでいたいです。なるべく。
いつまで続くかわかりませんが、あんまり自分に期待しすぎずやれるだけやってみようと思います。
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笹渕乃梨(ささき・のり) 自己病名は『境界線ぐちゃぐちゃ症候群サトラレ型変化球言葉タイプ(現在は枯れている)』
北海道で小学生の娘と二人暮らしをしている。趣味はゆるめの野遊び、スキー、工作、手芸など。精神科のお医者につけてもらった病名はうつ病とADHD。現在は無脳薬で約3年。
「子ども当事者研究」、「子育て当事者研究」、「なさ親」などで活動中。22年4月より「nasaLAB(なさラボ)」のWebラジオ「つまり、きりがないラジオ」パーソナリティ。
「nasaLAB(なさラボ)」の登録はこちら↓
○ https://note.com/bethelnoie/membership
・新刊『弱さの情報公開』まえがき 向谷地生良
●「弱さの情報公開」の源流
私が最初に「弱さの可能性」に目覚めるきっかけになったのは、中学一年生の時に遭遇した出来事であった。当時の私は、何かにつけて担任から生徒指導室に呼び出されて、注意され、〝指導 〟を受ける生徒だった。ある時、教室の掃除が終わり担任の点検が終わる前に、購買部にパンを買いに走ったことを叱責され、生徒の前で殴られた。一緒に買いにいったN君は一発、私は二発であった。後日、N君が学級会の場で、それを担任に問いただすという場面があった。先生の回答は「向谷地は、生意気だから」だった。
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