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べてるの家のメールマガジン「ホップステップだうん!」 Vol.206

今号の内容
・巻頭写真 「ニューべてるもみじ狩りツアー」 江連麻紀
・『弱さの研究 ー「弱さ」で読み解くコロナの時代ー』まえがき 向谷地生良
・伊藤知之の「50代も全力疾走」第12回 第17回当事者研究全国交流集会九州大会
・なおのん便り
・福祉職のための<経営学> 068 向谷地宣明 「エッジエフェクト」
・ぱぴぷぺぽ通信(すずきゆうこ)「べてるなさんみつばち」


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ニューべてるもみじ狩りツアー

現在、べてるのメンバーは3箇所に分散通所をしています。
そのうちのひとつ、ニューべてるのメンバーは先週末に帯広にもみじ狩りツアーへ行ってきました。
コース料理を食べて、イオンでショッピングをして、有名なパン屋さんに行くコースです。

この日のために溜めてきたお金を持って、イオンで自分の洋服を買ったり、子どもや孫へのプレゼントを買ったり、美味しいお土産やそれぞれの買い物の時間を楽しみました。

その後、有名なパン屋さんで撮った集合写真です。

下から2列目、左から4人目の伊藤知之さんの表情が怖くなっているのは「楽しみたいときに楽しめなかった苦労」だそうです。

振り返りミーティングで「よかったことは?」の質問に「ないです。」と即答した伊藤さん。でも、「ちょっといいブランドのジャンバーを購入して、これでさらに彼女からモテるかもしれないと、うれしそうだったでしょー!」とみんなにツッコまれていました。

買い物と美味しい食事やパン、移動しながら見た紅葉、みんな楽しめたもみじ狩りツアーでした。
カフェぶらぶらのメンバーは今週末にもみじ狩りツアーの予定です。


(写真/江連麻紀)

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初の無観客オンライン開催!

第28回 べてるまつり in 浦河
「世界の苦労を自分の苦労に~べてるな“3密”を通じた世界とのつながり~」

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2020年、世界中に影響を与えた新型コロナウィルス。感染拡大予防のためには“3密”を避けるようにと言われています。
しかし、この3密を避けるということはべてるの理念にもある「3度の飯よりミーティング」に大きな影響を及ぼすものでした。
コロナ禍のなかでいかに商売をし、生活を続けるか、この数か月日々研究を続けてきました。

コロナの自粛生活のなかで、「自分はコロナに感染してるんじゃないか?」、「自分がコロナを発生させた?」「暇疲れ…」という誤作動型のコロナ爆発も続出。
そこで大切にしたのが「べてるな“3密”」
「1.密な相談」
「2.密な確認」
「3.密なつながり」
社会的な距離(ソーシャルディスタンス)を保ちながらも、この「べてるな“3密”」を大切にすることでなんとかやっているべてるな人びと。

今回は初の試みとして無観客のオンライン開催を行います。
せっかくのコロナ禍、コロナも「治すよりも“活かす”」、オンラインだからこそ世界の人とつながり、世界のコロナの苦労をみんなと分かち合う実験的な1日を過ごしてみませんか?
ゲストによる講演や幻覚&妄想大会も行う予定です。
これまでべてるまつりに参加したくてもなかなか浦河まで来れなかった方も、今年は画面越しに浦河の雰囲気を感じてもらえる機会になります!


日時:2020年11月14日(土) 10:00~16:00

参加費:3000円

会場:無観客オンライン開催(Zoom)
(参加申し込み後、開催直前にZoomウェビナーのURLをご案内します)
※オンラインのため浦河の会場・施設での観覧はできません。予めご了承ください。

定員:450名(先着順)

申込締切:2020年11月10日(火)17:00まで


<参加方法>
・本イベントはZoomウェビナーを用いて配信します。
・パソコン・スマートフォンなどの端末、インターネット環境が必要となります。
・ご登録いただいたメールアドレス宛にZoomウェビナーのURLをご連絡いたします。
・お客様の環境等が原因で発生した視聴トラブルにつきましては、当方での対応はできませんので、予めご了承ください。

<ご参加に際して>
・記録のため、主催者の方で開催中のイベントを録画させていただきます。
・参加者による録画・録音はご遠慮いただきますようお願い申し上げます。
・第三者への参加URLの共有・提供は決して行わないようお願いします。
・当日は無観客開催のため浦河の会場・施設への来訪はご遠慮ください。
・複数名でご参加される方は人数分のお申し込みをお願い申し上げます。


【お問い合わせ】
 べてるまつり実行委員会 事務局
 社会福祉法人 浦河べてるの家 東・樋口・池松
 TEL:0146-22-5612 E-mail:bethelmatsuri@gmail.com

○お申込みはこちら(Peatix)

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べてるもんどvol.18(2020夏号)が発行されました

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・べてるまつり2019特集
「べてるで育った子どもたち」
・毎日出版文化賞受賞報告「べてるの歩みを刻んだべてらー必須の三冊」
・建設レポート グループホームができるまで
・べてるの家の農福連携「いちごの仕事が始まりました」
・べてるの国際交流in韓国
・続 技法以前 向谷地生良
・連載 フォスターからみた社会 向井千晶
・ウレシパの会会報
・ぱぴぷぺぽ通信 すずきゆうこ

○ お買い求めはこちら

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「凍らさったしゃっこいイチゴ」「夏いちごアイス」などがネットでも買えるようになりました

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「しゃっこい」は、北海道弁で「冷たい」という意味です。
そのままかき氷機にかけて「夏いちごかき氷」にしたり、ジャムや苺ピューレにしたり、サワーなどと一緒に氷のかわりにそのままグラスに入れて飲むなど、いろいろ楽しみ方ができます。

いちご果肉がたっぷり55%入った贅沢な「夏いちごアイス」も絶品です。

あわせて昆布の「SOS(スペシャル・お得・セット)」もよろしくお願いします。

○ お買い求めはこちら(べてるストア 苺)

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近日発売予定!

『弱さの研究 ー「弱さ」で読み解くコロナの時代ー』

著者 向谷地生良・高橋源一郎・辻信一・糸川昌成・向谷地宣明・べてるの家の人々

本体価格:1600円+税
出版社:くんぷる
発売:2020年11月中旬

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今号は『弱さの研究』の出版を記念した特別編として、その「まえがき」を掲載いたします。

「“行き当たりばっちり”な人と場の創造」 向谷地生良

べてるの家がある浦河に何度も足を運ぶリピーターを人呼んで「ベてら-」と言います。これを最初に言いはじめたのは、TBSの「筑紫哲也の報道特集」のプロデューサーをしていた斎藤道夫さんだったような気がします。斎藤さんも、TBSを定年退職した後も、何度となく浦河に足を運び、しまいには家まで建ててしまいました。そして、いつしか、ベてら-は「べてるウィルス感染者」だと言われるようになったのです。その意味では、斎藤さんは、かなりの濃厚感染者であり“重症”です。(参考「安心して絶望できる人生」NHK出版2005)

これに“感染”すると次のような、いままでになかった“深刻な症状”が見られるようになると言われています。一つは「何も問題が解決していないのに、いつのまにか“解消”される」という“症状”です。これは、問題解決を急ごうとする人には、のらりくらりの優柔不断な態度に感じられて苛立ち、先が見えないことでイライラも募るという副作用がついて回るので気の毒です。二つ目は、いわゆる治療者・支援者に特徴的な“症状”で医師は「“治せない、治さない医者”」であることを公言するようになり、ソーシャルワーカーは「人の相談にのることよりも、人に相談すること」が多くなります。看護師は「“すること”よりも、何を“しないか”」を考えるようになり、牧師は「救えない牧師を自認する」ようになるのです。最後には、問題やトラブルがまるでダイヤモンドの原石のように輝いて見えるという“視覚異常”をもたらすので厄介です。

個人レベルでは、「病気なのにこころが健康」になってくる、しかも「病気のお陰で友達が出来る」ようになるばかりではなく「病気になってホッとする」する予想外の出来事がおきます。さらには、相変わらず貧乏なのに豊かさを実感するという“感覚障害”をもたらすのです。これは、個人を越えて私たちが生きる場もにも影響を与えるようになります。それは、「過疎地なのに商売が繁盛」し、「病気のおかげで昆布が売れる」ようになるからです。

次にもっとも特徴的なのは、「言葉の変化」です。いままで常識的に接続することが想定されていない言葉が呟かれるようになるのです。もっとも典型的なのは「安心して絶望できる人生」でしょう。どう考えても、「安心」と「絶望」は、つながる余地のない単語ですが、それが結び付くから不思議です。これ以外にも「悩み方が上手い」「いい感じの行き詰まり感」「爽快な絶望感」「一番得意な苦労」「苦労の専門分野」など、つぎつぎと新しいフレーズが生まれています。 これらに共通しているのが、「諦め(明らかに認める)上手」になり、問題を解決するよりも「問題の熟成」を待つことが可能(熟成期間は年単位)になり、「前向きな無力さ」が身につくようになることです。さらには、どんどん「いい加減」になってくるのと、一番大事なことは「“生きがい”が無くても、生きられる」ことです。

このような場の文化に接していると、一番大切なことは、常に私たちの視界や常識、判断の外側にあることがわかってきます。アセスメントをしっかりと行い、根拠をもった計画を立案し、予想通りの結果を期待する直線的なプロセスから生まれるのは、平凡で常識的なものです。それ自体は否定しません。しかし、本当に私たちに必要な変革をもたらすのは、実は「“行き当たりばっちり”」な偶然性をもたらす場の柔軟性であり、活力なのです。

典型的なのが日本のノーベル賞受賞のエピソードです。この10年の自然科学分野の受賞理由を見ても、計画的な実験計画の基に受賞に至った人はいません。すべてに共通しているのが、資金不足、実験助手のミス、機器の故障によってもたらされた想定外の事態の中から新しい物質やアイデアが生まれているのです。これは、私たちが大切にしてきた「問題が起きやすい場づくり」にも通じるものです。それは、精神医療が、「問題を起こさない」ことを重視し、その結果、鉄格子に象徴されるような閉鎖的な場をつくってしまったことの反省の中から生まれた知恵です。

その意味で「弱さ」とは、私たちに内在する「利他遺伝子」を呼び覚まし、「弱さの結晶としての強さ」を人と場に創造する大切な触媒なのかもしれません。

この本は、ベてるの情報誌「べてるモンド」に連載された記事にあらたな内容を加えて編まれたものですが、尽きることのない皆さんの「弱さの研究」の一助になることを願い、ここに上梓いたします。

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