母の背中


週に一回母の背中を流す

全摘した胸は肋骨が触れて
わたしは最初触れるのが
怖かった

背中を流してもらいながら、母は鼻歌を歌う

幸せだと言う

極楽だと言う

愛おしく

年々幼くなる母

髪の毛を泡立て、首筋をマッサージすると、、母の眉間の深く刻まれた皺は、少し伸びる

わたしの知らない人生を歩んできた母

もうすぐ母の日

どんな人にも母はいる

どんな親からでも
その存在があるから、今の自分が今ここにいる

複雑な思いで、これを読んでいる人も

自分の中の母と語ろう

以上