（詩）悪魔の病（786文字）

どうか君が怖い夢を見ませんように
神さまからの啓示を見落としませんように
君の優しい気持ちを素直に受け取られますように
君が出かける日は晴れますように
おみくじはせめて良いことが書いてありますように

君の一挙手一投足を見ていたいの
君の全ての言葉を聞き取りたい、聞いていたい
君の声を聞かせて
君の電話のもしもしは、「もしもしぃ？↑」ってほんの少し語尾が伸びて上ずるの、好き。
今どきスマホでもしもしもないけど。
君は変わらないね

冬はもちろん夏でもオリオン座を見ている気がするように　いつでも
セントラルパークの動物たちは人懐こくて近づいても逃げないように　誰にでも
寒い冬に厚着した上に手袋も毛糸の帽子も着用してるけど何となく二人の距離が近くなるように　甘えたで
電車で乗り過ごしたことに気付いても君は動じず黙って乗り換えるのを私黙ってついていくように　天然で

イヤホンの片方を貸りて二人で君の音楽を聞いた時のこと
デートの待ち合わせ、遅れる連絡が「ほふく前進で向かってる」だった時のこと
初めてのキス　怖かったから、思い切り首を噛んじゃった時のこと
次から君は　キスじゃなくて　首を噛んでよ　になったこと
私が仕事もおしゃれも　頑張ってること見ていてほしかった
そんな君はもういない

私の悪魔病が発症したから
幸せになるのが怖かったから

突然
一方的に
ひどいこと言って
別れた

そんな時私は徹底するから、君の連絡先や履歴を全部消したから
こちらから連絡手段はないけど、君からもかかってこない
君は変わらないね

私はないと分かってる連絡帳を探し続ける
ないと分かってる連絡帳を探し続ける
ないと分かってる連絡帳を探し続ける
ないと分かってる連絡帳を探し続ける

どうか君が怖い夢を見ませんように
神さまからの啓示を見落としませんように
君の優しい気持ちを素直に受け取られますように
君が出かける日は晴れますように

君だけは、幸せでありますように