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制「振」構造と制「震」構造

家の購入を検討するにあたって「地震に対する備え」

気になりますよね?

今回は耐震の構造についてべしゃります。


制振構造と制震構造、どう違うのか?

制振と制震はどう違うのかという定義は曖昧です(笑)

制振(震)構造の施工技術はさまざまで、ハウスメーカーやデベロッパーでは、「制振」と「制震」にそれぞれに意味付けをして使用しているケースがあるようで、国土交通省の「公共建築改修工事標準仕様書(建築工事編)」平成31年版を見ると、「制振改修工事」という項目があり、表記は「制振」で統一されています。

正しくは「制振」という事ですね。
では制振構造について掘り下げていきましょう。

制振ダンパー(制震ダンパー)とは

制振構造の建物で使われている制振装置が「制振ダンパー」です。
壁や柱、床などの接合部に設置する装置で、地震や風による揺れを吸収して他の力に変えることで建物の揺れを抑えます。
・ダンパーの中にオイルを充填した油圧式
・ダンパー内のゴム(樹脂)が伸縮して振動を吸収するもの
・金属が曲がる力で揺れを吸収するタイプ
などががあります。
▼制振ダンパー▼


戸建ての筋かいとは別物?

制振ダンパーと見た目が似たものに、戸建ての躯体で使われる「筋かい」があります。
制振ダンパーと筋かいは、見た目はそっくりですが機能が違います。
筋かいは、揺れに対して建物を硬く・強くするための部材で、揺れの力を真っ向から受け止めます。
耐震構造の部材と考えたほうが良いかと。
一方、制振ダンパーは、揺れを吸収し、熱エネルギーなど他の力の変えることで、揺れをかわす能力があるとの事。

▼筋交い▼



あとから制振構造にできるのか?

出来ます。
学校の校舎や役所の建物を見ると後付けの制振ダンパーがむき出しの状態になっているのを見たことはありませんか?あれです。

1981年6月1日以降の建築確認に適用されるのが新耐震基準。
「震度6強~7程度の揺れでも倒壊しない水準」であることが求められるものです。

前の基準で建てられた建物は、あとから制振構造にする耐震改修を行うことで耐震性能を上げることができます。

外壁に制振ダンパーを設置することで外観に影響したり、窓から景色が見えにくくなるなどのデメリットはありますが、耐震性能がアップできるのは大きなメリットです。


「耐震」「制振」「免震」構造の違い


耐震構造の特徴

・建物の一般的な構造形式で大規模(ビル)なものから小規模(木造戸建て住宅など)など、広く採用される基本性能

・壁や柱を強化したり、補強材を入れたりすることで建物自体の硬さと強さで地震に対抗する構造

・コストによって耐震箇所を設定できる。そのため予算を抑えることができる
・地震や風による建物の揺れは他の構造に比べて大きい

・規模の大きな地震では、柱、梁、壁などが損傷することはあるが、倒壊には至らないように耐力が設定される

制振構造の特徴
・建物内に配置する、油圧、ゴム、金属でできた制振(震)装置(ダンパー)で地震や風で揺れる大きなエネルギーを吸収。ただし、小さな揺れには反応しないという特徴がある

・耐震構造に比べて地震のときの揺れが抑えられる

・地震の規模が大きくなった場合でも、柱、梁、壁の損傷を抑えられる

免震構造の特徴
・建物と地面の間に免震部材(積層ゴムやダンパー)を設置。建物が受ける地震のエネルギーを吸収し、地面から建物へのエネルギー伝達を遮断する

・耐震、制震と比べて、建物の揺れを最も抑えられる。建物上層階の揺れが大きくなるビルやタワーマンションで採用されやすい

・コストが比較的高いため、一般的な木造住宅では採用しにくい
・建物内部の揺れが少ないため、落下物や家具の倒れなどによる二次災害が起こりにくい

・免震に分類される木造住宅には使いやすい安価な減震部材(土台と基礎の間に組み込むパッキン)がある

普段あまり見ることのないところにはなりますがしっかりチェックしておきたい項目ですね。

ではまた!




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