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ご縁に感謝「2024年の印象に残った出来事」ベスト10

2024年があっという間に過ぎてしまった感じがします。年末に子どもがインフルエンザに罹ってしまい、バタバタしているうちに年が明けてしまいました。皆さんにとって、どのような年だったでしょうか。

2024年を振り返ってみると、様々な方とつながることができ、多方面で活動できた一年でした。それぞれの場で、情報アクセスやコミュニケーションの課題を解決するために微力ながら貢献できたのではないかと思います。50代半ばということもあり、同世代の方と同様に身体にガタが来ているようにも思いますので、健康に注意しながら、時には立ち止まって、じっくりと物事を考える年としたいと思います。

1月も半ばに差し掛かり、今更という感じもしますが、今年の歩みを考える上でも、去年一年を振り返らせていただきたいと思います。特に印象深かった10の出来事を選んでまとめてみました。

(1) 参議院 国民生活・経済及び地方に関する調査会での参考人出席

3月末に突如、聴覚障害者と情報保障について話してほしいという依頼をいただきました。拙著「マイノリティ・マーケティング」をベースに、各方面の専門家のご協力を得ながら、1ヶ月という短期間で準備を進めました。4月半ばごろに、25名ほどの議員の皆様の前で日本手話を使用して報告するという貴重な機会となり、今後の情報アクセシビリティ施策に活用いただければ幸いです。

(2) TEDxTIUでの日本手話スピーチ

日本初となる日本手話によるTEDスピーチを「Unspoken」というテーマで行いました。日本語から日本手話への変換における文法の違いや、通訳者との表現調整など、準備は大変でしたが、「感動した」「勇気をもらえた」という声をいただき、手話や言語の壁を越えることの大切さを改めて実感しました。

(3) NIKKENインクルーシブ・デザインイベント登壇

建築分野という専門外の分野で、「見える声、響く思い~建築デザインが生み出す情報アクセシビリティの未来」というテーマでお話しする大変貴重な機会をいただきました。会場とオンラインあわせて170名ほどの方にご参加いただき、物理的バリアと情報的バリアの両面からインクルーシブ社会の実現について議論を深めることができました。

(4) ミュージアム・アクセシビリティ講座「ふかふかTV」登壇

国立アートリサーチセンター(NCAR)主催の講座で、「合理的配慮」と「情報保障」をキーワードに、美術館での経験を踏まえた当事者目線での提言を行いました。300名以上の参加があり、多くの方から前向きな反応をいただきました。美術館などの公的施設で、今後アクセシビリティがより向上することを心から願っています。

(5) デジタル庁検討会構成員就任

「サービスデザイン関連ガイドライン改訂に係る検討会」の構成員として、誰もが使いやすい行政デジタルサービスの実現に向けた議論に参加しています。障害者当事者の視点を活かしながら、情報アクセシビリティの向上に取り組んでいます。

(6) Panasonicデフ会イベント登壇

大阪で開催された「2024年度 Panasonicデフ会 CEO表彰受賞記念イベント」にて、職場環境改善をテーマに講演しました。全国から約70名の参加があり、聴覚障害者が直面する職場での課題や改善策について、活発な意見交換ができました。

(7) 2024年度障害学会ポスター発表

「聴覚障害者と情報格差について」をテーマに、現場の声を届けることを目的とした発表を行いました。多くの研究者との意見交換ができ、新たなネットワークを築く機会となりました。

(8) 障がい者ERG発足

所属するIT企業で、2年間の準備期間を経て「インクルーシブなみらいプロジェクト」をERG(従業員リソースグループ)として立ち上げました。会社のリソースを活用したアクセシビリティ向上の取り組みを推進していきます。

(9) ハラスメント対策パンフレット完成

NPOインフォメーションギャップバスターとして、聴覚障害者向けの職場ハラスメント対策パンフレットの完成を記念した記者会見を開催しました。弁護士の方々と共に、パンフレットの内容や活用方法について説明し、誰もが安心して働ける環境づくりへの一歩を踏み出しました。

(10) JICA研修での国際交流

「障害者権利条約の実践のための障害者リーダー能力強化」研修で、エジプトやヨルダン、南アフリカなど様々な国からの参加者に向けて、日本の聴覚障害者支援の現状や法制度について講演しました。各国の課題や目標を共有し、国際的な視野での意見交換ができた貴重な機会となりました。

去年は多くの方々との出会いと学びに恵まれました。これからも情報アクセシビリティの向上と、誰もが暮らしやすい社会の実現に向けて、一歩ずつ前進していきたいと思います。今年もどうぞよろしくお願いいたします。

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伊藤 芳浩 / コミュニケーションバリアフリーエバンジェリスト
あらゆる人が楽しくコミュニケーションできる世の中となりますように!