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小説「夏のかけら」は恋愛小説の形であるけれど、もうひとつの隠れたモチーフが主軸になっています。(第一回)

それは「離婚後の単独親権制の弊害がもたらす問題」です。キーワードは、「共同親権・共同監護」です。

「ところで、叔母から聞いた話なんですけど、民法の中に家族法と呼ばれる箇所があって、離婚すると親権を持った片親の意向ひとつで、子供と会わす、会わせないということができるそうですね。親権者の意向を無視して、無理に子供と会おうとすると、たとえ、血の繋がった親であっても、刑法違反の行為として、罰せられることもあります。理不尽な法律がまかり通っているみたいで……」
 綾香は、言葉を切った。口調は穏やかだったが、潤んだ目は、烈しい思いが込められているように感じられた。
「そんな話を聞いたのは初めてです。実の親子が会えないなんて、信じられないな。そんなことはないでしょう」
 達也は否定するように、首を振った。
「日本は単独親権制で、どちらかに子供の親権者を決めないと、離婚できない決まりらしいのです。離婚、あるいは別居状態になると、離れて暮らす片親は、子供と会えないケースが多いと聞きました」
「僕の親や親戚は、離婚している人がいないからわからないけど……。でも、それが事実だとしたら、ひどい話だな」
 綾香は目を伏せて暗い表情で黙っていたが、不意に、ふぅ、と、吐息を漏らした。
「叔母から、そんな法律があることを聞かされて、私も信じられませんでした。両親の場合、そんなことがあったのかどうか知らないけど」
 はじめて聞く話で、返す言葉はなかった。
 達也は、信じられなかった。血を分け合った親子が会えない、そんな現実が、本当に多く存在しているのだろうか。
出典: 電子書籍・小説「夏のかけら」

つい最近、ツイッター界隈で「共同親権」のニュースを目にしました。

そしてまた、違う視点のツイートを知ることになりました。それは、2022年れいわ新選組 参院選 全国比例候補者のよだかれん氏のツイートでした。

よだかれん氏のツイートに対して、私の返信です。

次回、この問題について掘り下げた記事を書いてゆきたいと思います。興味のある方は読んでみてくださいね。


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幸田 玲
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