大学院は今後もカスタマーに必要とされ続けると思う理由

ーはじめに
最近、ニュースで「社会人の学び直し」に関する記事を頻繁に目にするようになった。
これらの記事の基本的な主張は、「日本人は諸外国と比べて、会社に所属している間の学習時間が短いため、労働生産性が低い」、そのため「社会人も学び直しをすべきであり、企業はそのサポートをすべきである」というものが多い。

そのため、大学院という既存のソリューションを活かして、社会人の学び直しを促進しようという動きも見られる。
しかし、個人的には「学習」を目的とした場合に大学院を利用することは費用対効果が高いとは言えないと考えている。
なぜならば、大学院の講義などで学習する内容などは、WEB上でも検索することができる情報が多いため、講義中に大きなサプライズを得ることは難しい。
仮に学習を目的とするのであれば、他のソリューションの方が費用対効果が高いと考えている。(勿論、効果が無いといっているわけではない)

ー日本人が置かれている背景
では、費用対効果が高くないにも関わらず、なぜ大学院が今後も必要とされると考えているのか?

私の考えは、大学院というソリューションは、別の目的を達成するために必要とされると考えているためである。
それは、「ネットワーク」である。
日本では人脈という言い方もするが、つまるところ、これまで関係を持っていなかった人物と知り合い、交流を通じて人間関係が構築される点に価値があると考えている。
なぜか?新興国と比較して、基本的な生活に必要とされるモノを揃えるためのコストが小さい。
コンビニエンスストアやニトリなどでは安価で高品質なモノを購入することができるため、モノを購入することで得られる幸福感は日本では当たり前の習慣であり、そこにサプライズや幸福感を得ることは難しい。
その結果、人々はモノではなく体験に価値を感じるようになっていく。
例えば、バックを買うよりも、友達と一緒にバチェラーを見ている時間の方が楽しいと感じるなど。
そして体験に価値を感じるようになったとき、体験を得るために必要なコストとしてハードルが高いのが同じ時間を過ごす友達や仲間の存在である。
例えば、バチェラーのケースで考えてみる。
友達と一緒にバチェラーを見ている時間が楽しいと感じる場合、そのシチュエーションを作り出すために必要なものはざっくりと以下である。
・テレビ
・お酒とお菓子
・Amazonプライムビデオ
・友達
上記のうち、テレビやお酒などは、ほとんどの人が保持しており、コンビニや家電量販店などの供給者のプレイヤーが多いため、取得するための難易度は高くない。
Amazonプライムビデオもお金を払えば、視聴ができる。(しかし、供給者はAmazonのみなので儲けは独占できる)
しかしながら、一緒に楽しむ友人は、お金を払ってもなかなか取得できない。
友達は誰でも良いわけではなく、お互いのことをよく知っていたり、過去に共通の思い出を作った人でないと盛り上がることは難しい。
そのため、「友達をつくること」はモノを買うことと比べて、難易度が高いため、相対的に価値が高い事象であると考えられる。
従って、「友達をつくる」という目的に対して、提供できるソリューションとして大学院が価値があると考えている。

ーなぜ大学院が他のソリューションよりも優位性がありそうか?
友達をつくるという目的を達成する場合、いま既に幾つからのソリューションがある。
・大学院へ進学
・オンラインサロンへ参加
・ボランティア活動
・飲み会への参加
・会社に所属

ざっと思いつくだけでもいくつかある。
その中でも大学院の特徴は、「共通の志向を持った人が集まりやすいこと」だと思う。
大学院に通う人は、大抵ある専門分野について学習をしたいと考えており、その専門分野を学習したい人同士が交流することができる。
そのため気が合う人同士が出会える確率が高い。
オンラインサロンは、共通の趣味を持った人とグループを組むことができるが、相手の活動意欲が小さいと、共同作業が前に進まないなどのケースが考えられる。
一方で、大学院では、学位取得という目標に向けて、強制力が働くため、自然とグループワークなどの共同作業に熱が入る。
その結果、気が合う人との共同作業時間が多くなり、友達をつくることができる。

ー最後に
長くなってしまったが、大学院に通う目的は、知識習得することではなく、友達をつくることと考えて選択する人が今後増えると予想している。

Best regards

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