「23歳のとりあえずラジオ」
好きの分析が好き
僕は「好きを分析すること」が好きだ。
「なぜ僕はこの映画が好きなんだろう?」とか「どうしてこの人が好きなんだろう?」と考えることが好きだ。
分析をすることで、自分の「好き」の仕組みが少しだけ見えてくる。
そして、自分の「好き」のノウハウが分かると、流行りや周りの空気に流されず、自分の「好き」を選び取る力、すなわち決断力が鍛えられる...気がする。
例えば、友達とラーメン屋に行った時、友達が「ここは味噌ラーメン一択っしょ!!」と熱弁してきたとしても、自分が「塩ラーメンが好き」という確固たる理由を持っていれば、迷わず塩ラーメンを選べるはずだ。
このような理由から、僕は「好きを分析すること」が好きだ。
そして気づけば、すでに「なぜ僕は『好きを分析すること』が好きなのか?」を分析してしまっていた。
というわけで今日は、僕の好きなポッドキャスト番組「23歳のとりあえずラジオ」について分析してみようと思う。
どうして僕がこのラジオをこんなにも好きなのか、その理由をじっくり考えてみたい。
「23歳のとりあえずラジオ」
そもそも「23歳のとりあえずラジオ」とは何かというと、俳優の青野海也さんと東宮綾音さんが毎週水曜日に配信しているポッドキャスト番組だ。
1エピソードはだいたい30分くらいで、特にコーナーがあるわけでもなく、ただひたすら二人が喋るだけ。そう、ただ喋るだけ。それが、良い。
では、なぜ「喋るだけ」が良いのか?
もちろん、「喋っている内容が面白い。」というのが一番の理由だ。
でもそれだけでは、あまりにも普通の理由すぎるので、もう少し考えてみた。
すると、ちょっとキモい理由に辿り着いた。
語弊を恐れずに言うと、僕は盗聴が好きなのだ。
ごめんなさい。語弊を恐れずに言いすぎました。
もちろん「容疑者Xの献身」みたいな盗聴ではない。
僕が好きなのは、ファミレスや喫茶店などで前後左右に座る人たちの会話を聞くことだ。
例えば、マダムたちの井戸端会議。
おばちゃんとお婆ちゃんの間くらいの年齢層の方たちの会話は、“実に面白い”。
最初はマダムたちの事を何も知らない。
でも、少し耳を傾けるうちに、名前が分かる。
「あっ、あの人が木下さんで、あの人が田中さんね。なるほど。」
そして、その二人の関係が見えてくる。
「なるほど、この二人は元ママ友で、ご近所さんなのね。」
すると、村田さんの悪口が始まる。
木下:「村田さんって、いつも態度悪いわよねぇ?」
田中:「やっぱりそうよねぇ?!私もそう思ってたのよぉ〜!」
木下:「挨拶もしないしねぇ〜??」
こうなると、もうたまらない。
会話を聞いていると、その人たちの人生や人間関係が、映画のワンシーンのように浮かび上がってくる。
ターゲットが退店するまでに、その人たちのストーリーを勝手に想像するのが楽しいのだ。
「23歳のとりあえずラジオ」には、そんな盗み聞きの感覚に近いものを感じる。
実際、僕がこのラジオを聞き始めた当初、青野さんや東宮さんのことはほとんど知らなかった。
お二人のことをあまり知らない状態から、だんだんと二人の関係性や性格がわかってくる感覚が、まさに“喫茶店合法盗聴”と同じだった。
そして、このラジオには“喫茶店合法盗聴”に勝る点がある。
それは、毎週更新されることだ。
喫茶店では、一度会ったマダムたちに再び会うことはほとんどない。
まさに一期一会という感じ。
しかし「23歳のとりあえずラジオ」は毎週更新されるため、いわば毎週必ず隣に座ることができるミラクルを体験できる。
最高じゃないか。
これが、僕が「23歳のとりあえずラジオ」を好きな理由だ。
もう一度言っておくが、このラジオが好きな一番の理由は「喋っている内容が面白い」ということだ。
もう一回言っとく?もう良いか。
最後に、おすすめ回でも紹介しておきます。
東宮さんが、“お刺身定食をぶちまける話”と、“青野さんの元バイト先の留学生が、右胸に彼女のタトゥーを入れるも一週間後に別れてしまう話”が聞ける最高の回。ぜひお聞きなすって。
あっ、おすすめ回をたくさん紹介する回も改めて作ってみてもいいなぁ。とか思ってみたり。
というわけで、「23歳のとりあえずラジオ」について、というか、盗聴について語る回でした!
おしまい!
テーテレッテテテ〜 テッテテッテテン〜テン
(とりあえずラジオのエンディング曲)