両さんと競馬(競馬歴)
競馬歴と言えるのか微妙ですが、、
・・いわゆる競馬歴とは少し意味合いが違うかもしれないんですが、自分は「こち亀」ファンで、20巻〜40巻あたりが特に好きです。
で、もしかしたらいちばん好きかもしれない26巻に、競馬ネタの話が2つ出てきます。これらの話を読んだのはたぶん自分が小学校の頃だったと思うんですが、写実的な意味で「競馬場」というものを目にした初めての経験だったかもしれません。
レースコース以外に、スタンドやパドック、馬券窓口、場内の食堂までかなりリアルに描かれています。
競馬ネタ2つのうち1つが、「両津式貯蓄法!?」という話で、普段浪費癖のひどい両さんがサラブレッドを買うために貯金を始める、という話です。
"ハイセイコー”というのが時代を感じさせますね。
この話はたぶん1982年頃書かれたもので、ハイセイコーが活躍した時代からは10年ぐらい経ってますが、おそらく一般の人でも知っている馬=ハイセイコー、というぐらい競馬の代名詞的な存在だったんだと思います。
この話は、結局貯金に失敗した両さんが、全く血の繋がっていない別の馬を牧場のすっとぼけた親父に言いくるめられ1万9,000円で買わされ、なぜか最後は人助けをする、みたいなストーリーでした。
”異母父親違い”というフレーズと親父のすっとぼけた顔がサイコーです(笑)。
競馬場が鉄火場だった頃。
もうひとつ、同じ26巻に収められているのが、「惑惑中年!?」という話で、両さんの上司である大原部長が普段すごい堅物なんですが、人に頼まれて競馬場に馬券を買いに来たところその馬券が大当たりして、自分も誘惑にかられ馬券につい手を出してしまったところを両さんに目撃されてしまい、弱みを握った両さんがさんざん部長をいじめる(ただ最後は立場が逆転する)、というストーリー。これも爆笑ものです。
これは、競馬場が今よりもずっといわゆる”博打をする場所”、”後ろ暗いイメージのある場所”、だったから成立する話ですよね。だからこそ堅物の大原部長としては、とんでもないところを見られてしまった、と窮地に追い込まれるわけです。
まあ、警察官が趣味競馬、というのは今もあんまり大っぴらには言いにくいのかもしれませんが、、
「3-6」の売り場に来てしまった、というのも時代を感じます。昔は番号毎に窓口があったんですね。なので、人気の番号には行列ができていたそうです。
この両さんの詰めっぷり、そして大原部長の表情もサイコーです。
自分が競馬を始めた頃
自分が競馬を始めたのは1995年〜96年頃ですが、競馬場にはもう後ろ暗い印象は抱かなかったですね。
後楽園や渋谷などの場外馬券売り場は少し怖い雰囲気がありました。
ただ、もう今はなんも怖くないですね。場外馬券売り場でおどおどしていた昔の自分がういういしいです。
時代の移り変わりと共に、JRAも競馬ファンの層を広げようということで色々な施策が打たれ、競馬のイメージもだいぶ変わったことと思います。
浅田次郎氏の競馬エッセイなど読むと、昔はパドックで前のレースでとちったジョッキーが大声で野次られたりするのは当たり前だったようですが、今はあんまりそういう雰囲気はなく、フレンドリーですよね。
もっとも、このご時世でそもそも大声がご法度になっちゃってますが・・。
競馬場はアウトローの憩いの場?
でも、昔も今も、競馬場って普通の趣味では味わえない背徳感を感じる場所ではあると思うんです。
自分の場合、特にひとりで競馬場に行ったとき、しかも旅打ちで初めて行く競馬場では未だにドキドキできます。後ろ暗い、とまでは感じませんが、ちょっとだけいけないことをしている、両さんの言う「不良中年」を楽しんでいるのかもしれません。
そういういつもと少し違う自分を楽しめる場所というのがあって良かったな、とも思うのです。
(おまけ)
そういえば、初期の美味しんぼにもときどき競馬ネタが見受けられますね。
主人公の山岡士郎は初期はかなりアウトローな感じだった(浮浪者と地下鉄の駅で酒盛りしたり・・)ので、趣味競馬、という設定だったのかも??