書斎に置くテレビ選び
書斎でもYouTubeやPrime Videoを大画面で見たい!
家族で暮らしていると、一人の時間がとても貴重です。
私はリモートワークをしており、日中は8帖弱の作業部屋(兼、寝室)に一人で籠もっているのですが、デスク・キーボード・モニタ・スピーカーなど自分が好きなものだけで組み立てた部屋で過ごす時間は何事にも代えがたいものだと感じています。
そのひとり時間を更に豊かなものにすべく、8帖弱の作業部屋兼寝室にリビング級のモニターが欲しいと思うようになりました。
40インチを超えたサイズになってくるとモニタではなくテレビがラインナップの中心になってくるのですが、調べてみると現代のテレビはその選択肢が多岐にわたっており、「これを買っておけば間違いない」という決定的なモデルを見つけることはできませんでした。
「これは脳内を整理しながら選ばないと選びきれないぞ…!」と思い、noteに情報をまとめながら選ぶことにしました。
条件
だいたい2m程度離れた場所から見る
4K解像度
地上波やBS放送は見ない
背中側に窓がある環境でもストレスなく鑑賞したい
HDMI2.1端子が最低一つは欲しい(PS5用)
最低でも120Hz、欲を言えば144Hz・VRRに対応していてほしい
テレビ本体に10万円以上はかけたくない
テレビのサイズ選び
条件欄で「だいたい2m離れた場所から見る」と書きましたが、テレビを設置したい壁から向かいの壁までの距離はだいたい2.6mあります。
壁にテレビを貼るとして、テレビ自体の厚みやマウントの厚みの分だけ前にせりだしてくるので、壁ぴったりにテレビが配置できるわけではありません。壁から画面までの距離は30cmくらいでしょうかね。。
同じく、自身の目も壁ぴったりの位置に配置できるわけではなく、壁にもたれかかった姿勢を想定するとこちらも壁から30cmくらいの位置から見ることになりそうです。
これらを計算すると…
2.6m(部屋の幅) - 0.3m(テレビ・マウントの厚み) - 0.3m(壁から数えた目の位置) = 2.0m
以上の計算によって「だいたい2m」という距離を試算したのでした。
では、4Kテレビの最適な視聴距離はどれくらいなんだろう?と調べてみると、以下のレグザさんの動画がわかりやすく説明してくれていました。
7:40あたりで紹介されていた”おすすめ視聴ポジション技術解説”曰く「画面の高さの2.5倍〜3倍の距離がおすすめ」とのこと。
これを踏まえて2mの距離で見るのに最適なテレビの高さを計算すると、
2.0m / 3.0倍 = 0.6666666...m
2.0m / 2.5倍 = 0.8m
ということで、だいたい67〜80cmとなります。
では、高さが67〜80cmのテレビのインチ数はいくつなのか?
よくあるテレビの画面サイズごとの高さ(と、ついでに幅)を一覧したのが以下の表です。
$$
\begin{array}{|r|r|r|} \hline
インチ数 & 高さ(cm) & 幅(cm) \\ \hline
43 & 53.5 & 95.2 \\ \hline
48 & 59.8 & 106.2 \\ \hline
50 & 62.3 & 110.7 \\ \hline
55 & 68.5 & 121.7 \\ \hline
65 & 80.9 & 143.9 \\ \hline
75 & 93.4 & 166.0 \\ \hline
\end{array}
$$
先に挙げた推奨されているテレビの高さの目安である「67〜80cm」と照らし合わせると、最低でも55インチのテレビを買ったほうが良いという結果になりました。
これは驚き。55インチと言えば我が家のリビングで使用しているメインのテレビ画面と同じサイズ…!
ただ、考えてみるとリビングのテレビは家族全員がいつも画面から180cmくらいの場所で見ていることが多いのです。
つまり、テレビの高さの約2.6倍の距離で見ているわけで、上記の推奨距離の範囲内。
結論、書斎のテレビは55インチが適切そうです。
選択肢 - ハードウェア編
今回のテレビ選びで一番驚いたのは、技術の選択肢が増えていたことです。
最後にテレビ選びをしたのは約5〜6年前だったのですが、当時は「液晶 vs 有機EL」の構図でした。
有機ELは圧倒的なコントラストで画質面で液晶を圧倒していましたが、反面価格もべらぼうに高く、当時は手が出ず甘んじて液晶テレビを購入したのでした。
しかし、現在はそれらに加えて「mini LED」という技術が市場に流通しています。
mini LEDは液晶の奥に小さなLEDを多数配置して、バックライトとして発光させたり消灯させたりすることで面積ごとの明暗差を表現してコントラストを高める技術とのこと。
ピクセル単位で明暗差を表現する有機ELほどでは無いにしろ、液晶の弱点をうまく補う技術のように見えます。
mini LEDを使ったテレビは明るさもかなりの水準らしく、条件の一つである「背中側に窓がある環境でもストレスなく鑑賞したい」にも有効そうです。
ここまで調べて、この調査に使用していたMacBook ProやiPad Proのスクリーンもmini LEDが使用されていることに気付いたのでした。今見ているこの画面の画質がテレビでも再現されるのならめちゃくちゃ欲しい…!
有機ELの価格帯もだいぶ下がってきているので手が届きそうではあるものの、今回のタイミングではmini LEDを中心に見ていくことにしました。
ゲームもしたいので、ついでに120Hz以上のリフレッシュレートに対応しているかどうかも気にしておきます。
選択肢 - ソフトウェア編
地上波・BSは見ないので、テレビを買うと言ってもチューナーは必要ありません。
代わりに、YouTubeやPrime Video等のインターネットサービスで動画を楽しむ予定です。
今どきのテレビであれば主要なインターネットサービスはどれもサポートされているので安心していますが、リビングのテレビでChromecast with Google TVを利用していてその使い勝手が気に入っているのでGoogle TVを搭載しているテレビであればより嬉しいなと思っています。
あとから自分でアプリを追加インストールして機能を拡張できる安心感も大きい。
選択肢 - メーカー編
55インチというのはよく売れるサイズのようで、各メーカーがほぼ必ずラインナップしていました。
安心なのは国内メーカーですが、どのモデルもかなり高く、条件にあげた「テレビ本体に10万円以上はかけたくない」を守ることはほぼ不可能になります。
そこで目を向けたのが海外メーカーです。海外メーカーが日本のメーカーのテレビ事業を買収しているケースも有り、一概に「海外メーカーだから日本の環境に最適化されていない」とも言えない情勢になっているように見受けられました。
そして、コストが目に見えて浮いたり、国内メーカーのテレビと同じ金額をかければより高グレードのテレビが買えるというのが非常に魅力的。
以上の思考を経て、日本のメーカーはほぼ諦めて海外メーカーを中心に探すことにしました。
中でも気になったのは以下のメーカー。
ハイセンス
2018年に東芝のテレビ事業を買収したメーカー。
ハード面だけでなく、東芝のアップスケーリング技術等のソフトウェア面も継承していると考えられるのが個人的に最大の魅力。
Nintendo Switchなど、まだまだ2K画質の映像ソースを扱うケースが多いので映像の解像感を高める技術は無視できないのですよね〜。
Xiaomi
最近格安のチューナーレステレビを発表したメーカー。
安くて手を出しやすそうなのに、なぜか日本国内ではmini LED搭載モデルのレビュー記事はほとんど見つからないのが不思議です。
TCL
家電量販店では見かけることが少ないものの、YouTube等のSNSではよく見かけるメーカー。
Xiaomiと違ってレビュー記事もよく見つかり、どれもそこそこ好評そうでハイセンスに近い安心感を抱きました。
LG
有機ELテレビが有名。
家族がPC用に利用している外部モニタがLG製なので個人的には馴染み深さもあります。
しかし、その家族のモニタはPCに繋ぎっぱなしにしておくと突然「ピッッッ」とデカい音を鳴らしながら数秒点灯する現象が数年間起き続けていて(たぶん不具合ではなく仕様)、夜中に遭遇すると結構ビビるんですよね。
この体験から、UXへの信頼感は薄め。。
選択肢 - 具体的なテレビ編
様々なテレビを見て回りましたが、条件に近いテレビはかなりたくさんありました。ECサイトをただ見て回るだけだと、数が多すぎて比較しきれません…。
そこで、比較的気になったモデルを以下に書いていくことにします(記事を書きながら買うモデルを吟味するスタイル)。
ハイセンス 55E7N Pro
嬉しいところ
mini LED
量子ドット
4K
144Hz VRR対応
HDMIポートが4つある
残念なところ
予算オーバー(1万円)(11/23現在)
独自OS(VIDAA OS)のためアプリを新規インストールできない
実売価格はAmazonで約11万円(11/23現在)と若干予算オーバーですが、東芝のソフトウェアを踏襲している安心感はデカい。
ただ、予算を超える割にOSが独自OSなのが若干不満。
ネットメディアの世界は、後出の新興メディアが頭角を表さないとも限りませんからね〜。
TCL 55QM8B
このモデルはスペック情報があまり出回っておらず、同じ性能だという噂が流れている55C755のスペックを参考にしています。
嬉しいところ
mini LED
量子ドット
4K
144Hz VRR対応
Google TV搭載
残念なところ
予算オーバー(1万円)(11/23現在)
HDMIポートが3つしかない
こちらも実売価格はAmazonで約11万円(11/23現在)と若干予算オーバー。ただ、Google TVを搭載しているのがハイセンスの55E7N Proより嬉しいポイント。
HDMIポートは3つしかないんですが、Google TVの拡張性があるので実質HDMI1ポート分をOSで賄えているとも言えなくもない…か?
TCL T8B
嬉しいところ
量子ドット
4K
144Hz VRR対応
Google TV搭載
予算内(約7.6万円)(11/23現在)
残念なところ
mini LEDではない
HDMIポートが3つしかない
上記のTCL 55QM8Bからmini LED機能を取り除いたようなモデル。mini LEDを諦めるだけで3.4万円も下がるのが驚きです。
しかし、すっかりmini LEDが欲しいアタマになってしまっているので抵抗感があるんだよなぁ…。
Xiaomi Tv S Mini Led 55 2025
嬉しいところ
mini LED
量子ドット
4K
144Hz VRR対応
Google TV搭載
予算内(約8.5万円)(11/23現在)
残念なところ
HDMIポートが3つしかない
不具合報告が多め
mini LEDを搭載しているのに安い!!
一見すごく良さそうなんですが、ECサイトのレビュー欄を見てみると「VRRが動かない」「テレビスタンドがつけられない」「電源が入らない」「サウンドバーから音が出ない」といった不具合報告がちらほら…。
安いなりのリスクはありそうです。
カタログスペックはmini LED以外も魅力的で、Wi-Fi6に対応していたり、ストレージもTCLの倍である32GBを積んでいたりして、他のテレビが力を入れていないような箇所にも挑戦的に踏み込んでいる印象があります。
HDMIポートも数こそ3つしかないですが、他メーカーがHDMI2.1対応ポートは2つしか備えていないのに対して、このテレビは3つ全てHDMI2.1対応です。
(攻めているからこそ不具合も多いんだろうな、とも思いますが…)
LG OLED55B2PJA
嬉しいところ
有機ELであること
4K
HDMIポートが4つある
ほぼ予算内(約10.1万円)(11/23現在)
残念なところ
144Hz未対応
独自OS(webOS)のためアプリを新規インストールできない
有機ELなので引越しで特別料金がかかる or 断られる可能性がある
有機ELなので焼き付きが気になる
有機ELなので育児中に接触して壊れたりするリスクが液晶より高い
最近は10万円出せば大型の有機ELが買える時代になったんですね…!
結構心が揺れましたが、現実味を持って考えてみると有機ELならではの自分が気になるポイントが意外と多いことに気付きました。
私にはまだ有機ELは早いかもしれない…。
どれを買うのか
ここまでのモデルごとの調査結果をまとめると以下の表のようになります。
$$
\begin{array}{|l|l|r|r|r||} \hline
モデル名 & タイプ & HDMIポート数 & リフレッシュレート & 価格(11/23現在) \\ \hline
ハイセンス 55E7N Pro & 液晶 + mini LED & 4 & 144Hz & 約11万円 \\ \hline
TCL 55QM8B & 液晶 + mini LED & 3 & 144Hz & 約11万円 \\ \hline
TCL T8B & 液晶 & 3 & 144Hz & 約7.6万円 \\ \hline
Xiaomi Tv S Mini Led 55 2025 & 液晶 + mini LED & 3 & 144Hz & 約8.5万円 \\ \hline
LG OLED55B2PJA & 有機EL & 4 & 120Hz & 約10.1万円 \\ \hline
\end{array}
$$
どのモデルも一長一短、もといn長n短なのですが、私はXiaomi Tv S Mini Led 55 2025を買うことにしました!
自分の書斎なので失敗しても悲しい思いをするのは自分だけ。ならばカタログスペックの夢を追ってみよう、という考えに至りました。
一応ソフトウェアエンジニアを生業にしているので、トラブルシューティングもある程度できるだろうという自分への期待も込めて。
届くのは今度の土曜日。難しい不具合に遭遇しないといいな…。