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【映画】『海の上のピアニスト・イタリア完全版』を観てきました。 【ネタバレ無し】

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【※注意※】「21年前に公開されたバージョンと今回のイタリア完全版との差」に関するネタバレには触れていないという意味で「ネタバレ無し」ですが、「一度もこの映画を見たことがない」方に関してはその限りではありませんので、今のうちに回れ右でお願いいたします!


『海の上のピアニスト・4Kデジタル修復版&イタリア完全版』

『海の上のピアニスト』は今から22年前にイタリアで制作・公開された映画で、日本ではその翌年に公開されました。
私も当時劇場に観に行って、DVDも買ってあった大好きな映画です。

その映画がこの夏に4Kデジタル修復版とイタリア完全版として再上映、そして配信&Blu-ray化されるとのこと。
どうやら、21年前に日本で公開され、ソフト化もされたバージョンは、アメリカの映画会社によって字幕やタイトルなども英語化されたものだったようで(それ故にイタリア&アメリカの合作映画という扱いになっていたようですが…)、少なくともアメリカや日本で公開されたものは121分という尺に編集されていたものだったようです。
そして、このたび公開される『イタリア完全版』というのは、その名の通りイタリアでのみ上映されたバージョンで、公式サイトを見る限り、なんと上映時間も『170分』、しかも日本では初公開と書いてあります。

『ひ…170分?初公開!?!?』

これがとにかく最初の感想です。私の記憶にある121分の物語も十分素敵な作品だと思っています。だけど、あと残りの約50分間に何があるというのでしょう?
仕事柄、物語を書くだけ書いてから『切るところは切る』大切さや大変さは理解しているつもりです。例えば作者本人は書きたいと思ったからこそ入れたシーンであっても、客観的に見れば必ずしも必要でない部分の取捨選択や、物語を語る上で冗長に感じるようであれば切ってテンポを良くし、適切な尺におさめるというのもまた編集の重要な技術でしょう。

ただ、この作品の監督といえば、ジュゼッペ・トルナトーレ。 音楽は、エンニオ・モリコーネ。
あの名作『ニュー・シネマ・パラダイス』のコンビが再び制作するということでも話題になった映画です。

『ニュー・シネマ・パラダイス』といえば、現在日本では『劇場公開版』と『完全オリジナル版』のソフトが発売されており、やはりそれぞれ大幅に上映時間も異なり、そして全く違う結末を迎えるため、どちらを観たかによっても好みや評価が分かれる作品であることでも有名ですね(両方観ることで2パターン楽しめるともいえるのですが…)。
この映画に限らず、肝となるシーンはいくつかのパターンを撮影しておいて、後で一番良いと思うものを本番用に採用するというのはよくあることなのだと思います。

『海の上のピアニスト』での事情はどうだったのかは不明なれど、
さあ、問題の未知の50分。

『ニュー・シネマ・パラダイス』でその両方を観た方なら、まず頭によぎるのは、『もしかして、イタリア版では全く違うラストを迎えたのではないか?』ということではなかったでしょうか?

そして今回も、映画のキャッチフレーズに謳われているこの言葉。

『海の上で生まれ、生涯一度も船を下りなかったピアニストの伝説』

映画を一度ご覧になった方はおわかりだと思いますが、これ以上シンプルで、物語の内容を表している文面はありません。…だからこそ、簡潔に言ってしまえば

…えっ?まさか今回は……下りちゃう????
…みたいな。

もしそうだとしたら大事件です。…いやいや、それはさすがにあり得ない。と思いつつも、我々の知らない『1900の伝説』が他にまだあるのだとしたら、そこは確認せずにはいられないではありませんか。
上映館が流石に少なく、4K版と両方は観に行けそうになかったので、自宅のDVDで21年前のバージョンを予習してから、『イタリア完全版』のほうを観に行くことにしました。

今上映されているものは、10月にはデジタル配信が、11月にはブルーレイ化される予定ですので、もし私のように21年前の『海の上のピアニスト』がお好きだった方であれば、きっといずれかの方法で近々ご覧になることでしょう。
ですので、結果的に「それ」がどうであったのかは書かずにおきます。

(私が黙っていたところで、ネットを検索すればたくさん出てくることだとは思いますが、少なくとも私の口からネタバレを語ることはしたくないので。1900の伝説の語り部は私ではなく、あくまでマックスですもの。)

…ただ、21年前に日米で公開されたバージョンが、いかに丁寧に120分に切られて編集されていたかということ、そして、今回の未公開分が無いとこの物語の本質がきちんと伝わらない、などということは私は全く思わなかった…ということだけは覚書として綴っておきたくて、この記事を書きました。
これからご覧になる皆様、どうぞ存分に堪能してきて下さいね。

【余談】上映館が少ないので若干ハードルが高い話ではあるのですが、映画館では今回のためのパンフレットも販売されていますので、劇場でご覧になる際にはそちらも是非どうぞ。

見に行く前日のことも漫画に書きました。こちら↓


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