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プロ野球試合球の話。(後半戦)

先日書いた試合球の話の後半です。
どっちかというと前半戦は前座で、こっちが本編です。

プロ野球の試合で使われる統一試合球ですが、実は球団ごとに日付やスポンサーロゴを追加で印刷、スタンプしている試合球を使用している球団と、そうではない球団があります。

この部分は各球団によって統一されていない部分で以下のように各球団が扱っています。

・基本的に全試合日付等何かが刻印された試合球を使用してる球団
西武、ロッテ、ソフトバンク、中日、横浜DeNA

・平常時には印刷なしの試合球を使うが、場合により何かが印刷された試合球を使うことがあるor使ったことがある球団
・日本ハム、楽天、オリックス、巨人、ヤクルト

・上記のような仕様違いになる印刷を全くしていない球団
・阪神、広島

と、12球団中10球団が日付やスポンサー等を印刷した試合球を使ってる(使ったことがある)んですね。そもそも試合球を手に入れるにはファールボール、ホームランボールを直接ゲットするか、特典付きチケット等で手に入れるしかないので知らない人がほとんどかと思います。

物自体は全部試合球として変わらないのですが、日付が入っている試合球はまさにその日付の日に使用されたという証明になることもあってか、一部コレクターに人気が高く普通の試合球とは比較にならないくらいの値段で取引されていたりします。というか自分も結構買ってます()

一節には1試合に付き印刷がされた試合球は3ダース分用意されているとかいう話を聞いたことがありますが、裏付けできる資料がないのであくまで聞いたことがある程度です。
試合でスタンドにファールボールが入って回収不可になったり、ベース近くでバウンドしてグラウンドの土で汚れたりしてボールを交換したり等で使用されていき、用意されていた数量を使い切った際には日付なしの普通の試合球が補充され使われるため、上記の常時印刷された試合球を使っている球団でも試合終盤になっていくと折角ファールボールゲットしたのに日付なしのものだった、ということは起こります。
(実際、1試合で2球ファールボールを直接ゲットしたことがありますが2球目はもう日付入りを使い切ってしまっていたようで6回表でしたが日付なしのものでした)

各球団の印刷の違いを色々見てみましょう。

・埼玉西武ライオンズ

右のが現行の印刷。2020年までは左のようなスタンプ。
(左のは平良プロ初勝利の日、右のは山本由伸ノーヒットノーラン日)


現行の試合球にはそごう・西武のロゴと、日付、対戦カードが印刷されています。そごう・西武が印刷されるようになったのは2021年からで、それ以前は日付と対戦カードのスタンプでした。
いつから日付スタンプが始まったのかの詳細は不明ですが、少なくとも2005年辺りから全試合スタンプするようになったようです。
(最古のもの?では2004年日本シリーズのものにスタンプされていたのが確認できています)



2016~2019年の企画ユニに合わせて使用していた特別印刷。
2019年のはおかわりさん400号サヨナラホームランの日。

現行はスポンサーが付いたこともあり通年で同じ印刷するようになりましたが、2016~2019年のライオンズフェスティバル期間中のみイベントロゴと、その年のメインカラーになる色での印刷された試合球を使っていました。
こんな感じに常時印刷している球団でも、試合によってはこのようなバリエーションを施して使用している球団も多いです。
(21年のフェスティバルでは虹色が印刷されるのか?と期待していましたが上記のようにこの年からスポンサーが入った都合でなしになってました)

西武は特典チケットや、スポンサー配布品、ライオンズコレクションでの当日のヒーローのサイン入りで販売等複数入手できる手段があるのですが、実は21年から球場にそびえ立ったあの天高い悪魔の防球ネットのせいでスタンドに入るファールボールが激減したのでファールボールでの入手可能機会が非常に少なくなってしまいました。
ファールボールが飛んでくることも感染の楽しみにしている人としては、安全とは言えあの防球ネット本当に消えてくれとかいつも思ってます(´º﹃º`)


・千葉ロッテマリーンズ

今年ファールボールを自力でゲットしたもの。
スタンド内で強くバウンドしたので一部にダメージがあります。


ロッテは2019年までは一切印刷なしの球団の一つでしたが、2020年にメルセデスがスポンサーになり、日付入り試合球を使用開始しました。
印刷は西武と同じように、メルセデススポンサーロゴと、日付、カード。

ロッテ特有?の違いで、ロッテは本拠地が屋外球場で中止がある球場があるということもあってか、本来年間予定に入っていない振替試合で使用するためのメルセデスのロゴのみ印刷されて、日付、カードの印刷がないという試合球も確認できています。
(2020年最終戦の勝ったほうが2位でCS進出の試合ではこのメルセデスのみ印刷の試合球でした)

ロッテはマリーンズメモラビリアという球団公式の記念アイテム販売があるんですが、そこに並ぶ当日のヒーローサインボールは日付入りじゃなくて普通の試合球にサインされているのでそこの詰めが甘いなんて見たときに思いました。いや何のための日付だよ、そこで使えよと()
ロッテは今のところ販売物や特典物で入手できる手段がないようなので、ガチファールボール等で気合で手に入れることしか出来ないようです。

ちなみに、メルセデスのディーラーではそのメルセデスのみが印刷されて対戦カードは日付がないボールが販売されていたりしますが、実はこれ前半戦で書いたNPBロゴとミズノロゴの両方が印刷されておらず、ただのお飾りボールという可能性が濃厚です。

・福岡ソフトバンクホークス

通常時は左ですが、一部スポンサーマッチでは右のようなのを使っているようです。


基本は日付とカードスタンプの試合球を使用しますが、特定のスポンサーデーでのスポンサーマッチの際だけ1試合だけスポンサー入りの試合球に変わります。

珍しいバリエーションでは、熊本での地方開催のときにくまモンのイラストが入った試合球を使用したこともあったようです。
写真では見たことあるものの現地に行ったことがないので聞いた話ですが、試合後すぐにドーム内のショップで当日使用試合球に証明書を付けて販売しているとか。東浜がノーヒッターした際は大争奪戦だったんだろうか。
(なお、この当日販売のは12000円?辺りだかと結構お高め)

・中日ドラゴンズ

ファールボールの状況によっては日付が見づらかったり、完全に消えてしまうことも。
これは2019年8月16日です。


基本は日付とカードスタンプの試合球を使用しますが、一部企画試合のみロゴとイベント名入りの試合球を使っています。
中日は少なくとも2004年から入れているようです。

この企画試合版のみチケット特典だかで未使用球の一般売りがあるそうで、企画試合は3試合分共通の印刷になっていることや、一般売りがある関係でオークション等に出ても企画品は人気がなくて安値で終わるという逆転現象を度々見ます。

・横浜DeNAベイスターズ

左は2019年仕様、右は2020年仕様。


基本は日付とカードスタンプの試合球を使用しますが、ベイスターズが上記他球団と違うのは年単位で印刷やスタンプの仕様が変わってる点です。


というのも、年ごとにスポンサーが入ったり入らなかったりや、何周年とかのロゴを使ったり使わなかったりで毎年微妙に変わってるんです。
・22年:日付を対戦カード青で印刷
・21年:横浜DeNA10周年ロゴと日付カードを印刷
・20年:DAZNロゴと日付カードを印刷
・19年:70周年ロゴ、日付と対戦カードを青でスタンプ(これ以前はいつもスタンプ)

右のは2013年のスターナイト期間3試合で使われたものでベイスターズにしては珍しい仕様。

19年まではスタンプだったこともあってか?振替試合でも比較的日付入りを使っていたようですが、印刷になったそれ以降はどうなんでしょうか。

球場のくじ引きでたまに放出していたりしたのですが、コロナ禍の20.21年はバート&チャピーもびっくりのホームランボールも含め全回収。
(全回収していたのは横浜と巨人のみ)
更に景品としてもほぼ配らず何に使ってるんねんでほぼ出回ってないんですが、ヤフオクとかを見るとどうして出回ってるのか特定の出品者が色々売ってて中の人がくすねて売ってるんじゃ的な闇を知り合いとよく話してました・・・


・北海道日本ハムファイターズ
ファイターズは基本的に何も印刷入れていませんが、極一部のスポンサーマッチや、何かの記念の際だけ稀に印刷入りを使うのが確認できています。
21年には北海道シリーズのHOKKAIDO be AMBITIOUS時だけ印刷ありのを使っていたり、過去には新幹線の開通記念とかで印刷入れていたり。
印刷入ってるときのほうが珍しいです。

(未所持なので画像なし)

・東北楽天ゴールデンイーグルス

2014年のがんばろう東北デー仕様。


基本的に何も印刷入れていませんが、がんばろう東北デーや、一部スポンサーマッチで印刷入りを使用しているのを確認しています。
スポンサーだとダイソー、FUJIタイヤ。
以前はがんばろう東北のときだけだったようなのでスポンサーマッチのは比較的最近始まったのかと思います。


・オリックスバファローズ

2017年の夏の陣仕様。


基本的に何も印刷入れていませんが、企画ユニ、復刻ユニ試合とか、開幕カードとかだけ印刷入りのを使用しているようです。
たまにBsショップでも売ったり、くじの景品になってるようで比較的手に入れやすいような気がします。


・読売ジャイアンツ

巨人はほとんど印刷入れません。
右の国民栄誉賞授与式の日のは最も価値がある一球だと思ってます。


基本的に何も印刷入れていませんが、本当に大きな行事のとき限定で印刷入りのを使用しているようです。
というのも、巨人が印刷入りをの試合球を使用したのがわかる限り2例しかありません。
阿部慎之助引退試合と、長嶋茂雄、松井秀喜国民栄誉賞授与式の試合だけです。阿部引退試合のは受注で販売されたので普通に入手ができましたが、長嶋松井の方のは販売されていないので恐らく自分が所持している中でも最も希少な一球かもしれません。買った値段も多分一番高かったような・・・
(東京ドームの野球博物館にも飾られてるの見たことあります)


・東京ヤクルトスワローズ
基本的に何も印刷していませんが、一部スポンサーや、球団所属選手の特別ななにかの際にだけ印刷する事があるようです。
スワローズクルーデーのとき用のものやスポンサーロゴ、あと特殊なものとして宮本慎也、五十嵐亮太引退試合の際には当日だけでなく1週間くらい前から継続して引退試合まであと何日みたいなのが使われてました。

つば九郎2000試合までマジック○というのを今まさに使ってるようです。
(ヤクルトものは未所持のため画像なし)


・阪神タイガース、広島カープ
上記10球団とは違い、この2球団だけが恐らく一度も試合球に印刷入れたことがないです。一例も確認できていません。

ただ、上記の例外として阪神は一度だけ試合球にスポンサー入れた例があります。この次の項目で説明します。

・クライマックスシリーズ特別仕様

CS使用球。右は2018年の阪神主催でグンゼがスポンサーに付いたときのもので普段何も印刷しない阪神の唯一?の例。
右は2019年の横浜主催の試合球。長らくスポンサーしてくれてるノジマです。


クライマックスシリーズはペナントレースとは別で個別にスポンサーが付くようなのですが、そのクライマックスシリーズだけ限定でスポンサーが付くようです。最近はパリーグの方は1stステージ、ファイナルステージ区別なく同じスポンサーが付いてくれるようですが、セリーグは個別につくのかステージで仕様が変わるようです。

もしかしたら広島がCS出てた頃はこのときだけ印刷があったのかもしれませんが、確認ができていないのでわかっていないです。

2009年か2010年の巨人主催CS。CSロゴとグッドイヤーが入ってます。
右のは2017年パ・リーグCS。西武主催とソフトバンク主催どちらも共通でした。
2018年以降はパリーグは多分ずっとパーソル。
一見同じに見えますが、左のはMIZUNO文字ありの2018年のもので、右のは2020年のもの。

この他日本シリーズ用や、オールスター用もありますがそちらは普通に購入できていっぱい出回ってるので省略。

と、一通りの試合球や各球団別の紹介でした。
そう自力で手に入れる機会がないものではありますが、もしファールボールとか飛んできてゲットした際には是非どんなものか見てみてください。

自分はその日付入りに最も合う選手に直接サインを書いてもらうことが好きなので色々所有していますが、ここ2年コロナ禍のせいで一切そういうチャンスが無くなってるので早く正常に戻ってキャンプや球場でサインを入れていただきたいものです。。。
(集めるだけで止まってるのでそういうのがめっちゃ溜まってたりします)


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