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知ってる→繋がる→好きになる。石川県珠洲市への災害派遣で感じた、今の僕が考える復興支援の形

※この記事は石川県能登半島地震の内容を一部含みます。

本来ならば、仕事の関係で2025年1月29日(水)に多くの方々の前で、タイトルに書き記した思いを発表する予定でしたが、風邪を拗らせてしまい、その発表は実現しませんでした。でも、今の僕が感じているこの思いは絶対に誰かに伝えたい。そう思ったので、微熱のある状態ではありますが、このnoteに書き記したいと思います。一人でも多くの方に読んでいただけると幸いです。

2024年1月上旬、職場内にて、石川県への災害派遣依頼調査があり、派遣を希望したため、派遣先が決定。場所は石川県の珠洲市とのこと。どのようなところかネットで調べてみると、自分が読んでいた漫画(スキップとローファー)の舞台の一つになっていたのが石川県珠洲市でした。
このように、災害派遣前からほんの少しだけ、縁があった石川県に5月上旬の一週間という期間で僕は足を運びました。ちなみに、僕の住んでいる場所から石川は片道約6時間の旅路です。この日を境に石川県は僕にとって、知ってる場所から繋がりのある場所へとなりました。
ちなみに、金沢駅東口にあるやかんのオブジェ、気になったので、調べてみました。
こちら、「やかん体、転倒する。」というアート作品らしく、「やかん集合で!!」と待ち合わせに使われることが多いのだとか。金沢は現代アート色が色濃い街でもあり、様々なアート作品や美術館がありました。そんな金沢市から車で約3時間ちょっと・・・・・・
改めて、僕が訪れたのは、石川県の珠洲市。能登半島の先端です。
珠洲市は、高齢化率が50%を越えている高齢の方が多い地域との事。
ちなみに、この文章に添付した写真は、派遣期間中の宿泊先周辺を早朝にランニングした際、撮影した風景です。
誰もいない朝の海は、穏やかで朝陽が眩しいけれど、少しだけ寂しい感じがしましたが、そんな海で過ごす朝は、派遣期間中の僕にとって、心凪ぐ時間でした。
災害派遣業務の経験は数少ない僕でしたが、現地のスタッフの皆さん、復興支援に来られたボランティアの皆さん、地域住民の皆さんにたくさん支えていただきました。
たとえば・・・・・・
〇珠洲市の地名⇒蛸島(たこじま)・日置(ひき)・宝立(ほうりゅう)等、そこに住んでいないと読めない地名がいくつかありましたが、そこに関しては現地のスタッフの皆さん、ボランティアの皆さんに丁寧に教えていただきました。
日頃の業務や災害派遣業務を振り返って、改めて感じたこと、それは「喜びを倍にすることはできないけれど、悲しみを半分にすることはできるかもしれない。」ということです。
僕の働いている業界は日常の延長にある業界なので、非日常を提供して人の喜びを倍にするような機会はなかなかありません。しかし、日常の延長にある業界だからからこそ、人の悩みや悲しみに寄り添うことができる業界だと僕は思います。そして、寄り添うということに関しては、僕のいる業界に携わる全ての人がプロフェッショナルであると僕は思っています。
そんなプロフェッショナルであっても、悲しみを0にすることはできません。しかし、プロフェッショナルであるからこそ、悲しみを半分にすることはできるのではないでしょうか。
幻想的なパレードのように、泡沫の夢は提供できないけれど、寄り添った誰かの日常に一縷の光が差し込むことを願いながら、重い遮光カーテンを一緒に開けることはできる。それこそが僕のいる業界の役割ではないだろうか。なんてことをこのnoteを書き記しながら、改めて考えた所です。
さて、最後になりますが、今の僕が考える復興支援についてお話させてください。
「ボランティア」、「マンパワー」、もちろん重要です。これらの存在無しには、復興支援を行うことはできません。しかし、それだけが復興支援ではないと、今の僕は思っています。現地で活動をできなくても、石川県や珠洲市に旅行へ行き、観光をする。石川県の名産品や特産品を買って、美味しいものを大切な誰かと味わう。これらも立派な復興支援ではないでしょうか。土地を知ってその土地を好きになるって、誰でもできる復興支援だと僕は思うのです。そして、その土地を訪れた懐かしい記憶やその土地の特産品を大切な誰かと楽しんだ記憶は、その土地と土地に住む人に対する好きという感情を育んでくれると僕は信じています。
一年に一回、数年に一回、会う人がいるということは旅先の誰かにとっても、自分にとっても希望になることがありうるのです。
このnoteを呼んでいただいた皆さんにとっては、石川県と珠洲市は知ってる場所から繋がりのある場所になったと思います。そんな皆さん、もう一歩、スキップで感情を飛び越えて、「知ってる」から「繋がる」になったその想いを「好きになる」に変えてみませんか。僕は今回の体験で、石川県と珠洲市が好きになりました。
皆さんにとって、石川県と珠洲市が好きな場所になりますように。

拙い文章ですが、お読み頂きありがとうございました。
これを読んでくださって全ての方の日常が平穏で笑顔溢れるものでありますように。

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