住民説明会でよくある言い合いを、対話にできたらいいな
リスクコミュニケーションについてお話しを聞いたので、簡単にまとめます。
リスクコミュニケーションとは
まず、リスクコミュニケーションとは「リスク分析の全ての過程において、リスク評価者、リスク管理者、消費者、事業者、研究者などの間で、情報共有や意見交換をすること」です。住民説明会などがイメージしやすいと思います。
私は住民説明会というものに参加したことはありませんが、役人や研究者、企業の人と、住民が対立しているニュースをよく見ます。コミュニケーションというより、喧嘩では?と思うようなものもあります。
リスクコミュニケーションの最終目標は、科学的知見、実現可能性、費用対効果などと、人々の感情の一致です。完全一致は不可能であっても、妥協点を見つけていくことです。つまり、”行政や企業が、事業内容を住民に納得してもらうためのものではない”、という考えが必要であると感じました。
リスク認知の違い
原子力、大気汚染などは、客観的リスクに対して主観的なリスクが大きくなります。一方、たばこ、電車、アルコールなどは客観的リスクに対して主観的リスクが小さくなります。
確かに、と思いました。その理由としては、便利なもの、身近なもの、自発的に選択できるものはリスクを小さく感じ、問題があったときのみ話題になるもの、強制的にやってくるものに対してはリスクを大きく感じる傾向があるのではないかと考えました。
住民説明会で喧嘩のようになってしまうのはなぜか。その原因の一つに、ほぼ計画が確定した状態で、その内容を行政・企業が説明し、住民に納得してもらうという構図ものが多いことが挙げられると思います。住民にとって、リスクが強制的なものになってしまっています。早期の段階で情報共有を行い、意見交換をし、行政・企業と住民で一緒に対策を作っていくことが望ましいと感じました。
感想
リスク・安全性の評価は科学的に行えるけれど、その中には人が決めた仮定が多く含まれ、そしてそのリスク評価を受け入れるのも人です。
専門的知識に基づいてリスク評価の結果だけを示すのではなく、住民と対話していく重要性を感じました。
ヨーロッパでは、行政と住民の間に入る人がしっかりと存在していて、もう少しうまくやられているようです。その仕組みも、気になります。