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どうして会社員の私が休日を返上してまで【演劇】をするのか。(その2)

皆様、コンニチハ。須崎と申します。
少し間が空いてしまいました。
やはり、まだ120字以上の文章を書くことに慣れませんね。。。

さて、会社員の私が25歳で演劇を再開し、現在も続けることになったキッカケの話、その2になります。

前回は、コチラ(https://note.com/bero2baaa/n/n3f56e9415c1a)です。
そちらを読んでもらってからの方が、分かりやすいかと思います!宜しければ。

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「人間が恐れるものは、2番目が死ぬことで、1番目は人前で話すこと。人前で話すことは死ぬよりも怖いらしいです。」


2019年9月14日。ちょうど2年前くらい。私は6年ぶりに人前でのお芝居に挑戦していました。
私が演劇への再挑戦の場として選んだのは【モノローグEXPO】というモノローグ(一人芝居)のコンペイベントでした。

「だからエントリーしたというだけで、ここにいる皆さんの勇気はすごいと思います。」

コンペで使用するモノローグの作者、渋谷悠氏がエントリー者達に語りかけます。
私は(へえ、業界のヒトって感じの雰囲気だなあ)とぼーっと話を聞いていました。


その時、まさに「自分探し」に迷走している最中であった私は、未だかつてなくチャレンジングで、怖いものナシでした。
「自分はカラッポでなんにもない」という自覚が生まれていたため、全てのチャレンジが「ダメでもともと」精神だったのです。

しかし、いざ会場に来てみると、
関係者側にも知っている人はひとりもおらず、
更に公開コンペなので、このあとお客様が30人も入るという、
正しく、味方は自分一人きりの「一人芝居」にチャレンジしているような気持ちになりました。他のエントリー者から心配される程度には、緊張でガチガチでした。

それでも、私はこのイベントにある目的をもって参加していました。
それは、【自分のためにモノローグを書いてもらう権利】を勝ち取ること。


このイベントの参加者募集ページにある、ある文言が私の背中を押しました。

 ‘’出演者1人1人のモノローグを渋谷悠が審査し、優秀者には
​「渋谷悠からの当て書きの新作」が与えられます。‘’


え!?
優秀賞を取れば、プロの脚本家が私のために脚本を書いてくれるの?

私が主役になれるってこと?
なんにもない私でも?


久しぶりに、すごくワクワクしました。

だって、自分が主役になれるチャンスなんて、いまは特に挙げる予定もない結婚式と、葬式だけだと思っていたから。

だから私は、本気でこのイベントに挑みました。
毎日終電までかかっていた仕事を、20時には終わらせ、退勤後に毎日一人でカラオケボックスに行き、演じて録画し、見返して修正し、を繰り返しました。


・・・本番中のことはあまり覚えていません。
ただ、後半、後ろの方に座っているお客さんがハハッと声をあげて笑ってくれていたことが印象的でした。

そして終わったあとの開放感。
出演決定後の2週間近くずっと感じていた緊張から一気に解き放たれ、とても気持ちが良かった。
私はスポーツはしませんが、何キロもマラソンする人がゴールしたときに感じる達成感も、こんな感じなのかもしれません。

ここで「あ〜たのしかった! いい思い出に残るチャレンジが出た!」と、
達成感だけをお土産にできたら、お芝居は、私のつまみ食いした趣味のうちのひとつになっていたかもしれません。

でも。
貰ってしまったのです。優秀賞を。
渋谷悠氏の気まぐれで。


3年の社会人生活で埃を被っていた自分の「感情」がぐわっと動き、涙がでました。
嬉しくて泣いたことも、何年ぶりかわかりません。


挑戦と努力が報われ、優秀賞が貰えたことも勿論ですが、
ヒトが自分の表現したものを受け止めて、何かを感じてくれたこと、
そして、自分自身が「楽しい」と心から思えたことが、嬉しくて、嬉しくて仕方なかった。

自分のことを、これまた久しぶりに、
「スキ」になれた瞬間でした。


・・・ここまで、この記事を書いてて、私は改めて自分が演劇をやっている理由を、思い出してきました。

いろいろ書いてきましたが、私が会社員をしながらも演劇をしていることに、高尚な理由はなんにもなく、ただ単純に「自分をスキになれるから」なんです。

それでは、何で「私」は「私」のことがスキになれたのか。

それは私が演劇への再挑戦を通して、「私はまだまだ私自身を楽しませてあげられる」という発見をしたからです。

私はこれまで、彼氏という存在に、仕事での成功に、友達との遊びに、「楽しませてもらう」ことを託していました。
意思を持ってやりたいことがなかった私は、全てに対して受け身に生きていたのです。

でも、私は、私の意思で飛び込んだ場所で、
私の為だけに定めた目標を目指し、
私自身の努力の賜物で、私自身を楽しませることができると気が付いた。
その発見が、その時の私に一番足りなかった、「自分を愛する」ための、1つの材料になったのです。
 
私にとって、やっと見つけられた私自身を楽しませるための手段がたまたま演劇だっただけで、
これが演劇じゃないと感じられない感情なのかは分かりません。
それでも、私が私を楽しませられる限りは、演劇を続けていきたいと、このとき思ったのです。


・・・そこから暫くして、自分だけではなく、もっと多くの人を楽しませたい!と欲をかいたり、
お芝居と仕事の両立に悩んだり、
演劇との関わりで「楽しい」以外の感情も揺らしていくこととなりますが、それはまた別のお話。

兎にも角にも、自分をよりスキになったり、時にはキライになったりする、そんな新たな自分自身の発見のために、私は演劇を今日も楽しんでいるのです。

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ここまで読んでくださり、ありがとうございました。
青臭いなあと恥ずかしくもありながらも、自分の考えを整理できてどこかスッキリしています。

これからもコチラのnoteは、月1、2ペースでゆっくり更新していきたいと考えておりますので、良かったらフォロー頂けると嬉しいです。

また、上記記事で触れた「モノスポ」のオンライン版として、2021年10月現在、毎週木曜日に開催している「モノステ」というイベントがあります。
特にまわし者ではないのですが、こちらにも大変お世話になったのでリンクを貼っておきます。
モノステについても語りたいことがたくさんあるので、いつか記事にしてみたいですね。
→https://www.shibu-shibu.com/monostage


そして、何度も名前を挙げさせていただいた脚本家・映画監督・演出家でご活躍されている渋谷悠氏のオフィシャルサイトもリンクいたします。(コチラはご本人に確認後、問題があったらそっとリンクを消すかもですが笑)
あまり褒めると信者だと思われそうですが、モノローグ脚本を無料で上げるなど、太っ腹すぎることもされている方なので、お芝居をされている方は一度サイトを見てみて損はないかと思います。
→https://www.shibu-shibu.com/

それでは、またお会いできたら嬉しいです。
お付き合いいただき、ありがとうございました!

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