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イスタンブール3日目2025/02/02
朝起きてシャワーを浴びる。朝一だというのに気分が優れない。前日に「愛してるなんていう相手がいませんね」と即答したのが引っかかっているのだ。答えたことそのものよりも、そういう答えになった状況に。1人で生きていくのなんて今までずっとしてきたのだから、もうあんまり変わらないのでは。そう思うところはありつつも、もう男性側も…それ以上に女性側もそこそこにはタイムリミットを感じる年代になって来ている気がする。私が惚れて愛したい人は近くにはいないし、将来そうなりそうな展望もない。無茶苦茶そうでありたい人がいたけれどもだ。1人でできることに楽しいことも多く、まだ開拓したいとも思う。飯作りだって、旅だって、筋肉だって、何なら後々に訪ねたところをきっかけに興味を持ったことにも挑戦する予定だ。まだまだ自分いけます!
……という前向きなのと正反対なことも。魅力的だとして選定されたことがない人間であり、笑って楽しく過ごせる中でもどこかで大変不安になる。まずは1人で生きていけるのだという姿勢が大事であると承知しているが、それには自信が必要で、自信には選定経験が必要……となるとこれまた堂々巡りとなる。結局かなり不完全で、人を幸せにできる素養も資格も疑わしいからまぁできなくても仕方ないか…となる。このまま生殖活動も行わず、1人で生きていく…と考えるとどこか気が楽になるが、私の基礎の一大部分を担う生物的本能がこれを非常に嫌がる。一方、理性の方の自分もこれを寂しさなどを考えて嫌がるが、それと同じくらい「なぁなぁ」で適当な状況になるのを嫌う。…私が惚れた方に、相手の主導権の下で溺愛するのを許してほしいというのが理想だが、でもこのままだと実現する前に手遅れとなり…?そして思うのだ。これが「無敵の人」への一歩なのだろうかと。
でも、前向きに生きてたい。飯、運動でポジティブに活力的にいたい。それが自分が一番自分を好きでいられるだろうから。休む時は休むけど。
シャワーから帰ったら、イビキ親父に昨晩の落下のことで叱られる。「貴方みんなからうるさい言われとるよ」と思いこそするものの、流石に落下のことは私が悪いだけなので何も言えず。
テラスに上がって朝食を食べる。テラスが無料の朝食会場なのだ。叱られたことを愚痴り、話をする。ここで、せっかくだからデュオリンゴにて韓国語をすることを決めた。また、自転車ニキがインスタを公開してくれたので、ここでフォローしておく。本当に日本・世界を旅した漢である。それで浮世離れしたところを殆ど感じさせず、我々に一切の不快感を与えず、尊敬の念しか生じさせないのは彼の人間的な魅力の高さがなせる事なのだろうか。インスタで彼をはじめとした旅系の人を見ることが増えたからか、日本は勿論東洋中心にした、それはそれはもうどすけべの百鬼夜行になっていた私へのおすすめも、多少は煩悩色が薄れた。しっかし、人からの影響を受けてばかりだが、私の方から何かしたことはあったのかな?…………あったっけな?こういう考えに囚われている時点で、メシア願望があるのかな?「人を救いたい」とかいう結構な志の裏に、「救って欲しい」と切に願っているっていうあの。うむ、大層立派立派、立派な奴だよお前って奴は。
今日はこの宿を離れるので、荷物をまとめる。ジミーも自転車ニキもだ。 自転車旅行の荷物は大変工夫されており、新鮮だったこともあってか、驚きが強かった。これを引っ提げて、彼は米大陸や欧州、豪州、東南亜を行ったということか…すげぇ…飯は連続パスタだったことも多い?ひぇ〜。予算は今までの世界旅行(2回)で1000万程というが、逆にそれで済むんかと思う。
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次の目的地が偶然ジミーと同じだったこともあり、皆で防寒対策の話もしていた。みんなロシア帽的なものを持っているのが笑ける。リュックはもう爆発寸前。「開けてみたいでしょ〜?」という心の中の声に負けて開けてみると、リュックの中の今までの努力が崩落し、「あぁ〜!!」っとなる。しっかし、荷物を一つにまとめなければならないので、本当にデカすぎる。
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ジミー、自転車ニキと共に宿を出る。3人は先に進んでしまったので、私は自転車ニキとお話しする。あの3人でもういいんじゃねえかな、マジで。ニキとはここでもう別れることになったのだが、どうせ韓国にまたいるとのことなので、再会しましょうと予約をして別れを辞した。
目的地のバスを目指す。道すがらあったアムール貝を食し、いい感じの路地裏に入って行く。4人で昼間ならまぁ大丈夫か。昨日のようなスラム感もないので。ケバブ屋の前に到着。空港だと絶対高く付くので、ここで持ち帰りできるかを聞き、可能と分かり次第待つことに。しかしせっかくなので、猫探しを私はすることにした。イスタンブール、マジで猫好きの人にはたまらないと思うんだよね。ケバブを回収し次第、バス停へ向かった。
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バス停にて一旦ジミーと別れる。3人で空港へ。私は中米の方と隣に。柔道をやっていたらしく、数字を10まで言えていた。アミーゴ、アミーガという言葉を教えてもらう。我等は友達やね。前の方では同行人らが結婚観の話をしていた………私には程遠いんだよなぁ……結局7.8年前から殆ど時は止まっている人間にはもう考えるだけ無駄なことだろうか。
そういえば、YouTubeやTwitterと違い、LINEは広告に一切の変化がない。散歩で日本一周というアプリもGoogle由来だからか、トルコのメーカーなのだろう広告が出る。日本でtemuが出てくるより遥かに心が軽い。バスの中で書き上げた成都編を投稿。「このまま連続投稿しましょう!」と言われるが、そんなネタ毎日持ち合わせるわけないし、自分を露出させまくるのは恥ずかしくて慎むべきなんじゃないかな?この年代の大人(笑)が大量にインスタ投稿していたら、痛々しいこと半端ないでしょう。noteだって同じです。大体私が見て欲しい人は、不特定多数なんかではなく、とりわけ「いいね」をつけることで自分の記事を読ませたりフォロワーを増やそうとする狙いが明け透けな下品な方々では全くなく、好きな方や認められたい方だけでありますし、その方が私は遥かに幸せなんですから。……もう同行人の1人は読んだようで、「意外と」おもろいとのことだった。うーむ、このスピードで反応が返ってくるのもちと恥ずかしい?
空港で手荷物検査。そういえばバックにiPadがそのままである。マズい。と思うたら、普通に素通ししてくれた。ザルすぎませんかね?
イスタンブール空港内には、日本ではあまり見ない航空会社も多く見られる。やはりテュルク系の国の航空会社が多いのだが、特にびっくりしたのはアフガニスタンの航空会社。アフガニスタンは🇦🇫の国旗を使っているのも印象的。政権交代は認めていないのか?それとも変えるのが面倒だっただけ?正直現状私には彼の国に行く敷居は高すぎる。お世話にはならなそうだ。
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手荷物関係でちょっとしたトラブルが起きたが持ち前の英語を活かして解決させる同行人を遠目に見ていたのをきっかけに、もう1人から「共通の知ってる話題だからって、外国人、しかも隣国の人と政治の話すんじゃねえ」と、こってりとまではいかないが、割としっかり叱られる。どこでも政治宗教野球にDQ5の花嫁選択の話はしない方が絶対いいな…。
空港内でさっき買って来たケバブを食べる。同じのを空港で買うと軽く倍以上取られることになっていたから、これで正解だった。しかし、空港というのは色々な人達がいるものよ。あ、向こうから…お!ヘソ出てるし、しかもめっちゃ深え縦べそやんけ!やったーーー!やはり、私もああいう感じのを弄りたいなぁ。また、空港は駅同様別れの舞台であるからエモい感情に満ちた群像劇が繰り広げられる。あの方々が再会できるのは、もしかして私が想像したものよりもずーっと先のことになるのだろうか。私、上京組なのにマジであんなことしたことないけど、する必要ない方が幸せなのだろうか。
それとも、する必要がある方が絆が強くなって幸せな家庭となりうるのだろうか。まずは相手の存在が問題か。
ダイソーのパチモン、ミニソーが空港内に。世界的に席巻してるのは後者の方なのだろうか。ダイソー、負けちゃられん!
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いよいよ手荷物検査。さっきのは入港検査だから割と適当だったんだろうか?国内線(トルコ国内という意味)でもそこはきっちりやるものだ。同行人2人を前にして急に変な家族が割り込んで来た。目がついてないのか、私を見えてないのか、そもそも私が見えない存在になったかと考えるが、言っても仕方あるまい。労力多くして実りはあまりにも乏しくなるのが目に見える。
だが、奴らは職員が不在にも関わらず荷物トレーをそのまま置き去りにし、直後にいた私が余計に片すことになった。随分と彼らの神は寛容なようだ。
紙の券と電光掲示板のゲートの情報が違ったのだが、やはり電光掲示板の方が偉いらしい。掲示板に従って並ぶ。搭乗口のフロントでは欧州要素強めな方のトルコ人らしい、背や鼻が高く肩幅広く、色は白めの褐色で男らしいイケメンが。ああいうイケメンになりたい。精神性も勿論だが、俺が惚れた人の好きな人になりてぇ!!何というか、ジェントルマンというか、人にさりげなく優しさを与えられる人になれてない、何なら容量悪くて自分勝手な私は、いつになったらそうなれるのでしょうね。少なくとも自動的にはありえないからね。……そう思いながら彼のところにチケットとパスポートを出そうとすると、それよりも前に「こんにちは」と彼は私に御声掛けして下さった。……………ばんざーい!ばんざーい!ばんざーい!ああいう方に私もなりたい。そういう思いが強まったのは、自分のエゴの、承認欲求の強さゆえなのだろうか。でも、それがあかんのだって。
そう言えば今日は節分か。出発前のコンビニは恵方巻きの垂れ幕がされていたが、帰る頃にはもうないのだと思うと、何だか訳もなく寂しいところが。でも、まぁいいのか。だが、節分は別に嫌なイベントではない。「逃げ恥」にて主人公みくりの叔母であるユリは、「クリスマスが嫌だからモロッコで過ごす」というその道のガチ勢ぶりを発揮していたが、孤独を無茶苦茶に感じさせられるクリスマスが嫌すぎて私もそういった行動を取る時が来てしまうんだろうか。でも、そんくらいの思い切りでの行動する力は欲しい。とりあえず、節分よ、また来年…。
飛行機で東に飛んでいく。私達が今回向かうのはアジア側だ。飛行機の外に、成都から来た時には夜で見えなかった荒涼とした大地が見える。地肌が露骨に出ておる。あれがアナトリアなのか。あそこをヒッタイトが、セルジューク・トルコやオスマンが、十字軍やビザンツ帝国が行き来したと思うと感慨深い。確か十字軍、最初の民衆十字軍も含めて、彼らが苦戦したのはアナトリアの山岳地帯と神出鬼没な遊牧民とか書いていた気がするが、向こう側に見えるのはその舞台で間違いなかろうか。ゾクゾクするねぇ。
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目的地到着。次の舞台は、定番だが、「死ぬまでに一度は」と言われるカッパドキアだ。
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