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蚊よ、サラバ。

朝起きるとふくらはぎと腕に
痒みを伴う赤い小さな腫れがあった。

昨夜の眠りについている間に刺されたのだ。

おのれ、蚊め。
寝込みを襲うとは卑怯なり。

そんな気持ちになったが犯人の姿も音もしない。
しかし確実に我が家は戸も閉めて鍵をかけている。
犯人は確実にこの室内に潜んでいる。
しとめてくれるわ、という想いが沸き上がる。

とはいえ、朝から蚊の捜索をしている場合ではない。
軽い朝食をとり、
溜まった洗濯物を片付けるべく洗濯機を回す。
ピーッという合図で洗濯機の仕事が終わり
ここからは私の役割である洗濯物を干す作業に移る。

洗い終わった湿った洗濯物をカゴに入れベランダへ。

レースのカーテンを開けようとした瞬間
どこからともなく奴が現れた。

蚊だ。

ここで会ったが100年目。
(実際は多分昨日の夜からだから2日だが)
このふくらはぎと腕の恨みを晴らしてくれようぞ。

そんな気分になったが
ふと、可哀想にもなってくる。
食事をしただけなのに殺されるとは
なんて辛い生業よ。

私はベランダの引き戸を開け、
レースカーテンのそばをモタモタと飛ぶ蚊を
手で誘導し外へ出す。

サラバだ、蚊。
次はもっと美味しい血の人の元へ行けよ。
数ヶ所吸われているということは
私の血も美味しかったのかもしれないが
ずっと噛まれ続けるわけにはいかない。

調べると蚊の寿命は長くても2、3ヶ月。
まれに半年とかのもいるようだが
いずれにせよ短い一生だ。

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Berico/ベリコ
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