PCオーディオに挑戦②:SSDについて
☆プロローグ
前回、「PCオーディオに挑戦①」として、オリオスペックの酒井さんにcanarino fils9 Rev.5の試聴機を持ってきたいただき、自宅試聴をした記事を書いた。電源やモジュールを変えるごとに音質がどんどん変化するのに驚いた。オーディオ専用の機材ではこういうことは、普通はありえない。もちろん酒井さんはそういうパーツや機材を選んで変更、追加しているのであろうから、音質が改善するのは当たり前なのかもしれないが、canarino fils9 Rev.5の反応感度の高さにちょっと感心させられた次第。Canarino filsのPC本体は純銅の内部配線材でリワイヤリングされており、canarino DC dueという電源入力を2口持つモジュールを積んでおり、そういう素性の良さが前提となる反応感度の高さなのだと思う。オーディオ用の製品しか使ってこなかった私には、実に面白い反応だ!
それで、前回の記事で書いたように、試聴していて非常に気になったのは、内臓のSSDストレージからのハイレゾ再生である。SSDをPCに内蔵させるのではなく、強力な外部電源の外付けケースを使わなければUSBメモリに勝てないのだろうか、という懸念を抱いたのであった。
☆オーディオとSSD
SSDはHDDと違うという認識くらいはあった。SSDのほうが静寂性は優れるが、音質は安価なHDDのほうが良いとか、良くないとかという議論があるのも、うっすらと認識していた。しかしSSDの規格自体に種類があり、どうもそれが音質に影響を与えるようなのだ。
まず、オリオスペックのcanarino fils9 Rev.5の試聴をした際に、音源をUSBメモリからSSDに移して試聴してみると、USBメモリのほうがむしろ良いように思えた。試聴機のPC内部のSSDは仮留めで、宙ぶらりんの状態であった。(前回の記事「PCオーディオに挑戦①」を参照)これが音質の変化に自分が納得がいかない原因であるのか、オリオスペックの酒井さんにくどくどと質問すると、試聴機はSATA(サタ)だから、「M.2」(エムドットツー)を「NVMe」にすれば大丈夫なはず、、、と。当方は「PCオーディオに挑戦②」というレベルなので、説明がさっぱり分からんかったので、色々とネットサーフィンしてみた。
従来のSSDの通信プロトコルはAHCIで、接続規格がSATA、らしい。
酒井さん提案のSSDは通信プロトコルがNVMeで、接続規格がPCIe、、、ということのようである。
私にとってはほぼ暗号同然なのであるが、(-_-;)、NVMeは従来のAHCIがコマンド処理に使うキューが1個であったのが、約65000個となり、情報の高速同時処理が可能になる。また、SATAはケーブルを使った伝送なので理論上の最大値6.0Gbpsからさらに遅くなりがちのようなのだが、PCIeは理論上の最大値が40Gbpsである。要するに、伝送速度が飛躍的に向上するということである。
伝送速度が上がれば音質が必ず向上するというものではないが、しかしSOtMのtX-USBx10GというUSBモジュールは最大10Gbpsで、USB2.0の480Mbpsとは次元が違う理論値である。その効果はちゃんと音楽的に体験した。そういうわけで、単なる類比に過ぎないが、M.2 SSDによる高速伝送による音質改善という酒井さんの提案を信じることにしよう。
なお、従来のSATAのSSDとM.2 SSDは値段や大きさ、そして読み書きと伝送の速度の違いもあるが、放熱性能も違ってくるようだ。M.2の方が放熱性が低い。
さあ、canarino fils9 Rev.5を上流に据えて2chをやっていくとしよう。そして、試聴時に好感触を得たオプションでいこうと思う。USBオーディオというのは古い話であろうが、可能な限り高速仕様にすることで現代的な装いをまとって、分からないことだらけのPCオーディオのチャレンジを始めていくとしよう!
・PC:canarino fils9 Rev.5(リワイヤリング仕様)
・OS:roon rock
・増設ディスク:M.2 NVMe SSD 2TB
・USBカード:tX-USBx10G
・電源:canarino DC power supply12V & iPower II (9V, 2A)
なかなかの値段だが、なんとか嫁の許可ももらえたぞ。(-_-;)
本当のことを言うと、資金援助までしてもらった!(爆)