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PCオーディオに挑戦㉑:TDKラムダの続き

☆プロローグ


TDKラムダのフィルターの増加と使いこなしを推し進めた。

PCオーディオに挑戦⑲:TDKラムダ、RSMN-2010』の追記に書いたように。定格電流に大きな余裕を持たせたノイズフィルターをUSB外部電源オプション用のリニア電源の一次側に挿入して、かなりの成果を得ていた。

コモンモード&ノーマルモードチョーク・フィルターによって、(1)大理石のように静謐なのに、(2)音痩せしない、という成果だ。

(1)はノイズフィルターなので当然なのだが、確認しておきたいのは、我が家は電柱の柱上トランスからオーディオ専用の分電盤まで10数メートル程度の距離で、《最初に》柱上トランスの恩恵を享受することになる専用電源回路を組んでいる。さらに母屋とは別の接地抵抗が極小の専用アースもひいている。それでもノイズフィルターをUSB伝送用のリニア電源の一次側に1台入れるだけで、音質は改善してしまう。「だから商用のACなんてダメだ、バッテリーだ!」という声が聞こえてきそうだ。他でもない、内蔵のバッテリーはクリーンでかつ、電圧変動の害、リップルノイズも少ない。これが理想だ。この理想にAC/DCをノイズフィルターのうまい活用によって達成できないか?『PCオーディオに挑戦⑲:TDKラムダ、RSMN-2010』の追記を書きながら、ポジティブな予感の高まりに1人震えた。

その後、このリニア電源の一次側のRSMN-2010は、フジクラのCV-S5.5という廉価で一定の音質だがあまりに硬いシールドケーブルを短く使ったために、セッティングのやりようがなかった。

それをSAECとオヤイデの3.5SQ程のケーブルでやり直した。

RSMN-2010が水平に設置できるように、ゆっくり丁寧に作った。画像は二次側を繋いでいない。繋ぐ前に何度も測り直しているところ。接点の安定は、導体が何Nなのかなどということよりたぶん重要だ。
金色の銅線が剥き出しになっている。これはリニア電源のIECコネクター側のプラグの内部。SAECの柔らかPC-Triple Cケーブルはシールドはついているがドレイン線はない。他方でRSMN-2010よりデバイス側のオヤイデはドレイン線があるので接続した。二次側も一次側も。シールドがアースされているということである。オヤイデのブログの説明では一次側だけでよいとしている。これは単線であり、電源ケーブルに使用してはならないので、実験が完了後に撚線に戻す。RSMN-2010とのコンタクトはO型圧着端子を使ったほうが明らかに良い。撚線のSQ適合径よりも一つ下を選ぶと良いかもしれない。

この普通のセッティングをフジクラの4倍くらいの値段のケーブルを使ってやってみたところ、悪い気はまったくしないが、率直にいえばフジクラのとあまり変わらないな、という印象だった。ドレイン線もそうだが、圧着端子を使わなかった。ここが良くないはずだ。この点は後で詳述する。それから、SAECをフジクラ同様に5.5SQにした方が良かったのかもしれない。SAECの3.5SQはお釣りがくるくらい取り回しが良かった。


☆RSMN‐2016を、PC本体の電源の前に追加

PCオーディオに挑戦⑱:canarino DC power supply12V』で、PCのダイトロン製ソフトスイッチング電源にコトヴェールをあてがうと音は静寂を得て滑らかになるが、例えば、ヴァイオリン・ソリストの背後のオケのニュアンスが乏しく、大げさに言うとぼーぼー、ぶわんぶわんと、ベタ塗りになっていた、ということに気付いた。しかし、それでもコトヴェールはスパイクノイズ的なものを防ぐのか、コトヴェール有りは音を減らしてしまうのであるが、滑らかさを与えるので、そちらを選ぶ。しかし、canarino DC power supply12Vの開発担当者でなくとも、これは不本意だ。ノイズフィルターは音を減らしても痩せさせてもダメだ。

水色の2つがコトヴェール。PC用の電源、canarino DC power supply 12Vの2台に給電。コトヴェールに接続しているのは純正ケーブルで、アースは接続していない。

ここでの問題はとにかくアースループなどではなく、電流が足りていないのだろうと思っていたので、RSMN-2016という、ノイズ減衰性能は高く、定格電流が16Aの大容量で、かつ、アモルファスコア採用の飽和しない機種を2台、canarino DC power supply 12Vの2台の前に挿入した。

下段の銀の2台がcanarino DC power supply 12V。上の黒い筐体は、canarino fils 9 Rev.5。だんだんとラックの奥に移動させている。電源の方はこの位置で左に寄せると40cmのDCケーブルでcanarino dc dueに接続できる。アダプターと本体を結ぶ導体の長さはChat GPTに計算してもらうと長くても意外といけそうだが、たぶん違う。canarino DC power supply 12VとエルサウンドのDCケーブルを可能な限り短く結線するのが、次の目標の1つ。

エルサウンドのリニア電源の前に入れたRSMN-2010と合わせ、TDKラムダのノイズフィルターを3台、システムの中の純粋なデジタル領域の電源一次側に導入した。

エルサウンド用(手前)は両側をドレイン線をグラウンドにつないでいる。canarino DC power supply 12V用は、RSMN側のみドレイン線を接地。IECインレットコネクター側はシールドと一緒に切り落としてしまった。つい。(^^)

素晴らしい。よくアクセサリーメーカーやオーディオ評論家は「音を変えない」という。しかし、本当に音が変わらないなら誰も買わないわけで、良いアクセサリーはオリジナルの音源のポテンシャルを引き出すのである。今回の3台のTDKラムダは、埋もれていて、そんなものが存在するとは思いもよらない音を取り出した。DCラインの電圧変動とリップルノイズの対策まで進めれば、バッテリーを超えるだろう。

フルテックの高級コネクター、FI-48NCF(R)。まずクランプは金属製が望ましい。また、IECインレット側コネクターはバネ式の接点の精度が極めて重要である。FI-48は剛性が高い純銅板でパワフルに電極を挟むという売り文句で購入した。非常に力強くIECインレットの電極を掴んでくれた。値段は高いけど、コネクターは質の高いものを使わないとね。導体よりも大事かも。
FI-28M(R)にしたのは、ロジウムメッキで金属製クランパーで1番安かったから。電源プラグはこれで十分なのかと。ミドルクラスのプラグであるが、アースジャンパーのギミックなど芸は細かく、十分に優秀だし、コスパが高いと思った。
canarino DC power supply 12V用のケーブルは位相を揃える意味で2本同時に作った。一本目のアース線の被覆を電工ナイフで一部切り裂いてしまったので、もう一本も同じ箇所に傷を入れて、同じテフロンテープの補修を施すなど、、、苦労した。素人には再現性の高い反復が難しい。


☆TDKラムダ・ジオング台座コッパースペシャル!

タカチのアルミダイキャストの弁当箱は2.5mm厚である。それで18cmx12cm、内部の有効高さが4.5cmの黒塗装(アルミは無塗装は腐食する)が3,000円で買える。上の画像でRSMNが川の字になっているが、RSMN-2016の2台の台座に使ったものだ。ただ上に置いただけだが、本当はTDKラムダ用の台座を自作するつもりなのである。エルサウンド用のRSMN-2010のための台座を半分完成させた。ただ、弁当箱の上に置いただけなのと、半分だけ完成した台座にセッティングした場合とでは、驚愕の音質差があることは既に確認済みだ。オヤイデ.comから半田が届いたら、残り半分の作業を進めるとしよう。(^^)

以下、半分までの行程。素人にできる加工であるが、メーカー製の格好いいやつならば何十万のレベルだろう!(^^)

①タカチケースの裏側に銅箔を貼る。2枚、3枚貼ってもいいだろう。これはRSMNのFGの強化というよりも、アルミダイキャストケースとの一体性を高めるため。銅箔は柔らかく、硬質なRSMNのシャーシとアルミケースを、繋ぐ媒材となる。もちろんFGも強化される。
内部にも銅箔を貼る。5分くらいで貼れた。マクセルの銅箔テープを使用した。接着面も導電性であるが、0.08mmの厚さで扱いやすく、無駄にちぎれたりもしない。この種のグッズは品質によって大幅に作業効率が変わる。
全て黄銅のネジ、ワッシャー2種、ナットで固定する。タカチのアルミダイキャストケースの有効寸法の高さは45m。使ったのは黄銅の皿ネジ45mm。皿ネジは頭の先からネジの端までで長さを指定する。ここではローゼンワッシャーを使うので、皿の分だけケースの底からネジが浮き上がる。
ローゼンワッシャーに皿ネジを嵌めた。
ドリルでケースに穴あけ。ゆっくりと回転させ、2mm、3mm、4mmと徐々に大きくしていけば、ケースが凹んだりはしない。しかし、開口部の周辺はバリが出るのでヤスリをかける。今回、RSMN-2010の裏にも銅箔テープを貼った。次回はやめる。ケースの側を2重、やりたければ3重にするほうが、合理的。
黄銅ローゼンワッシャーが入らないので、ニッパーで少し切断して、軽くヤスリ。
ぴったり。ローゼンワッシャーを使ったのは45mmの黄銅のネジが皿ネジしか見つからなかったという現実的な理由から。しかし結果的に、ローゼンワッシャーのほうが質量が高いわけで、ダンピングが効いた固定ができる。また、RSMNのシャーシはFGで、端子台真ん中のアース端子と繋がっているので、銅のようなグラウンドの拡張に寄与するもので固定するのであれば、グラウンドの安定とノイズの軽減に繋がるはずだ。
ケースの内側からも、黄銅のワッシャーとナットで固定。次に、弁当箱を開いた時に、スプリングワッシャーを裏側に入れることにしよう。緩みが出ると、苦労した意味がなくなってしまう。これはメカニカルアースを作っているのだから。
アルミケースとの一体感はオーダーメイドのよう。銅箔テープをかました効果だと思う。
お隣の大陸製の安い純銅製ヒートシンク。高さ5mm。裏面の青い部分は熱伝導接着剤であるとか。1000円しなかったかと。
同じく安い銅チップで高さをぴったりと合わせる。これは本来は蓋なのであるが、底板にする。上からやって来るネジとヒートシンクの間を0.3mmと0,5mmと1mmの銅チップを足したり引いたりして、高さを取る。0.5mm一枚でネジとヒートシンクは接する。0.3mmが2枚でも蓋はきちんと閉まる。0.3mmを2枚かまして、0.1mm分ネジを突き上げる仕方で、メカニカルアースを完成させることにした。
ケースをネジでとめて、半分、完成。このハーフウェイの台座をRSMN-2010に装着して、音出ししてみると伴奏の凄まじさに目を白黒させるだろう。ボーカルのバックバンド、協奏曲のソリストの背後のオケ、、、ボーカルやソリストといった焦点をまったくボケさせず、焦点と同じだけの精度で歌っているのである。まったく新しい音楽体験を与える。

ジオング台座コッパースペシャルは、ケース表面のRSMNのFGをケース底面に貫通させるメカニカルアースまで完成させた。しかし道半ば、いまだハーフウェイである。このケースの中をスペシャルアースマテリアルで満たし、ネジから落ちてくる振動を吸い取り、かつケース自体の重量増加を達成するならば、完成とあいなる。

そして、このような道を通して、おそらく、おそらくだ、エルサウンドのリニア電源とOLIOSPECのcanarino DC power supply12Vにありうる限り最高の1次側を用意することになる。音痩せどころか、音数を増やし、考えてみればソリストよりも楽器が配置されており、その分だけ音数が多いバックバンドの色彩を解き放つのである。他方でハードロックバンドのシャウトも決して力感を向上させるわけではないが、損なったりはしないのだ。この比類なき1次側が完成すれば、それはもうすぐそこで発注した半田が届けばすぐに完成するが、(笑)、次は2次側だ。つまりDCケーブルとDCライン上のノイズサプレッサーと電圧変動を起こしにくいセッティングの探求だ。

どんどんいこう。



おまけ

RSMNの中型まではM4で、私の実測で頭下が7.5mmのネジと、スプリングワッシャーでネジ止めして端子台に固定する。これをチタンにかえる誘惑は堪えられない。