映画 Hi Nanna の紹介

2023年12月公開のテルグ映画です。Netflix で配信(英語字幕)されています。

・ヴィラージ (Nani)
・ヤシュナ/ヴァルシャ (Murnal Thakur)
・マヒ (Kiara Khanna)

この3人が主要な登場人物。(   )内は俳優名。

 ヴィラージ(父親)とマヒ(娘)とマヒの祖父の3人は一緒に住んでいる。ヴィラージは写真家。マヒは難病(嚢胞性線維症)の少女で6歳。マヒの母親についてヴィラージは娘に何も話したことがない。成績がクラスで一番になったら母親の話をするとヴィラージはマヒに約束するが、その約束は守られない。

 怒ったマヒは飼い犬のプルートと一緒に家を出てしまう。町で突然プルートが走り出し(これには理由がある&後述)、それを追いかけるマヒ。プルートを捕まえた女性がヤシュナだった。ヤシュナにお礼を言って道を渡るマヒとプルートにトラックが向かってきて、あわや…

 いなくなったマヒを心配しているヴィラージに連絡が。ヴィラージが向かったカフェにはマヒとヤシュナがいた。トラックは急停止してマヒは無事だった。マヒはヤシュナに父親が約束を破ったことを話していた。ヤシュナに責められたヴィラージは渋々ながらもマヒの母親のことを話始める。

 マヒは物語を聞くときに登場人物の顔を想像しないと話を聞くことができない。ヤシュナは自分を母親だと想像するようマヒに言う。

 ヴィラージとヴァルシャの出会いは9~10年前。クーヌールにやって来たヴァルシャにカメラマンのヴィラージがひと目惚れ。二人は友人として付き合い始める。ヴァルシャは両親の離婚に深く傷つき、恋愛や結婚を完全に否定していた。しかし彼女はだんだんとヴィラージに惹かれていく。

 ある日、子犬のプルートを売って新しい一眼レフを買ったヴィラージに我慢ができないヴァルシャ(←もとは犬嫌いだったのだが)はヴィラージから離れムンバイに戻ってしまう。数週間後、取り戻したプルートと一緒にムンバイに現れるヴィラージ。ヴァルシャはヴィラージの胸に飛び込む。ヴィラージに経済力がないためヴァルシャの母親は二人の結婚に大反対。しかし二人は結婚する。

 二人が結婚して3年が経った頃、ヴィラージは子供をほしがるが、ヴァルシャは強く拒む。もし二人の関係が壊れた時に子供が苦しむことを心配するヴァルシャ。彼女は自分と同じ経験を子供にさせたくない。きっと幸せになれると約束するヴィラージ。二人は子供を作ることにする。

 生まれた女の子は嚢胞性線維症で長くは生きられないと宣告される。苦しむ二人。ヴィラージを激しく責めるヴァルシャ。「あなたと結婚しなければよかった。あの子を産まなければよかった」と言うヴァルシャ。その話に耐え切れなくなったマヒは父親の話を制止する。

 大変な話をさせてしまう形になったヤシュナは恐縮しながらも、話の続きを聞く。ヴィラージがヴァルシャのあまりの言葉に呆然としてわき見運転をした直後、事故が起きた。フロントガラスを突き破り車から投げ出されるヴァルシャ。

 ヴァルシャの命は助かったものの、記憶を完全に失っていた。ヴァルシャの母親は彼女が離婚を望んでいたとヴィラージに告げる。母親によって二人の間は完全に断たれてしまう。

 ヴィラージの話のなかのヴァルシャは、実はヤシュナ本人だった。町でヤシュナを見つけたプルートがヤシュナを目指して走ったのだった。(プルートは子犬の頃からヤシュナと3年以上一緒に暮らした)。そのことで出会ってしまった母と娘。マヒはヤシュナが母親であることを知らない。もちろん記憶を失ったヤシュナは何も知らない。

 母と娘の偶然の出会いにとまどうヴィラージだったが、ヤシュナとは別の人生を送ることを決心している。マヒに真実を打ち明ける気もない。

 母親の話を聞いたマヒはひどく落ち込んでいた。そこに現れるヤシュナ。彼女はマヒを元気づけようとマヒとヴィラージを食事に誘うが、ヤシュナと関わり合いたくないヴィラージは約束を無視して仕事(撮影)のためにゴアに向かう。マヒを連れて。

 ヤシュナは1週間後に結婚することになっている。相手はドクター・アルヴィンド。ヴィラージと同居しているヤシュナの父親はそれを知りながらヴィラージには話していなかった。ヤシュナの結婚までを何とか乗り切ろうと思うヴィラージ。

 ところがマヒはこっそりヤシュナに電話をし、ヤシュナがゴアにやって来る。そしてヴィラージが忘れていたマヒの誕生日パーティーをやってしまう。ヤシュナはだんだんとヴィラージに惹かれていく。事故前の記憶を全て失っているのにもかかわらず。ヤシュナは自分がヴァルシャだと勘違いするほどに混乱していた。

 ヤシュナを気遣うドクター・アルヴィンド(婚約者)は自分たちの結婚式をゴアで行うことにする。

※ 以下、ラストまで書いてますので、注意を。

 実はヴィラージのヤシュナへの愛情は昔のまま。積極的に気持ちを伝えてくるヤシュナにヴィラージの心は揺れる。ヤシュナが大好きなマヒは、彼女に一緒にいてほしいと願う。マヒはヤシュナを探して彼女の結婚式の場に。

 ヤシュナの結婚を邪魔するためにマヒが送られたと勘違いしたヤシュナの母親は、マヒに真実を話してしまう。そのことでヤシュナの母親に対して怒りを爆発させるヴィラージ。片やヤシュナはヴィラージに自分の思いを強く訴えるが、ヴィラージは拒否する。

 ヤシュナはマヒにも尋ねるが、マヒは自分の難病のことや母親のことを思いやり「あなたは私の本当のママじゃない」と告げる。ショックを受けるヤシュナ。

 結婚式でアルヴィンドに向かって歩むヤシュナ。そこに現れたヤシュナの父親がヴィラージのもとへ行くよう説得する。(ヴィラージの妻のように)逃げるのではなく、愛のために戦えと。その頃マヒの体調が急変してマヒは ICU にいた。

 アルヴィンドはヤシュナの気持ちを察してヴィラージのもとに行くように言う。そしてヤシュナが事故の前に離婚を望んでいたというのはヤシュナの母親の作り話だったことが明らかになる。

 ヤシュナの父親はヤシュナの母親に、なぜヴィラージたちと一緒に暮らしていたのか、ヴィラージがどんな思いをしていたのか、ヤシュナが記憶を失った後の人生においても再びヴィラージを愛したことを話す。

 マヒが入院している病院にヤシュナが。彼女はヴィラージに「知り合って7日、結婚をやめて、あなたのもとに来たのよ」と。

 ドクター・アルヴィンドたちがやって来た。結婚式の招待客のなかにはトップクラスの外科医や麻酔科医がいた。成功率のきわめて低い移植手術に彼らが挑む。

 ヤシュナはヴィラージに「あなたと出会い、結婚して、マヒを産みたかった」と話す。ヤシュナの記憶は戻らないまま。

 成長したマヒが歌を歌っているシーンで映画は終わる。(映画の冒頭にもこのシーンがある) 【完】

 (その他) 登場人物は他に、マヒの主治医(Nassar)、ジャスティン(ヴィラージの親友)、ヤシュナの妹(ヴィラージの話の中では弟)などが出てます。また、撮影現場のモデル役で Shruti Haasan も出てます。

 ヤシュナの声(吹き替え)は Chinmayi Sripaada (プレイバックシンガー) が担当しています。

 映画のタイトルの Hi Nanna (ハイ、パパ) はマヒではなくヤシュナの台詞です。彼女がマヒを連れて行ったカフェで、ヴィラージと出会ったヤシュナがヴィラージに向かって、

 「ハイ、パパ、私はヤシュナ」
 


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