学びを行動に変える実践ノート、バレットジャーナルのはじめ方 〜セットアップ編〜
SAKURACO
Hello folks! 『SAKURACO’s こなれ英語LESSON』の著者、日本人初のバレットジャーナル®︎認定トレーナー、SAKURACOです。
前回の記事では、バレットジャーナルの魅力についてお話ししました。今回はバレットジャーナルを実際に始めるための、基本的な書き方とセットアップを解説していきます! ノートとペンのご用意はよろしいですか? それでは参りましょう!
1. 基本の書き方
箇条書きより賢いラピッド・ログ
バレットジャーナルは、情報をとにかく簡潔に書きとめる「ラピッド・ログ」という箇条書きを使って記帳していきます(Rabbit 🐇ではなくて、Rapid(=急速な)⚡️です! お間違えなく!)。
しかし、ただの箇条書きと侮るなかれ。ラピッド・ログでは特別な記号を使うことで、瞬時にメモをカテゴリー分けすることができるのです。
基本の記号:NAME
バレットジャーナルで使われる記号は Bullet(バレット)と呼ばれています。基本のバレットは 4つ。各頭文字を取って、”NAME” と覚えてくださいね。📛
Notes (-) メモ、忘れたくないこと
Actions (•) やること、タスク
Mood (=) 気分、感情、感覚
Events (o) 起きた出来事、予定
追加の記号でさらに細かく
あなたは今Todoアイテムをどう管理していますか? チェックボックスに印を付ける派? それとも、タスクが終わったら横線で消す派?
私は個人的にはチェックボックスがすごく好きで、バレットジャーナルを始める前は勢いよく JUST DO IT! ならぬ、JUST DID IT!✔︎とチェックを入れていました。
ただ、こういうTodoリストって「完了した」or 「していない」の二択しかないんですよね。でも現実は「返事待ち中」とか「明日に先送り」とか「来月の予定に入れる」とか、色々なタスクの状態があるじゃないですか。
バレットジャーナルではそういう細かいニュアンスもシンプルな印をつけることで管理できます!
・ 未完タスク
× 完了
> 次の日・次月に移行したタスク
< 次の月以降に移行/予定したタスク打ち消し線 今は必要なくなったタスク
さらにこんな記号とコンボ使いすることで、タスクやメモの解像度をあげることも。
! ひらめき度、ときめき度高め
✱ 重要度高め
2. レイアウトの書き方
さて記帳方法がわかったところで、いよいよノートのセットアップに入ります! 「自分は不器用だけどダイジョブかな?」と不安になるかもしれませんが、安心してください。負担なく文字が書ける方なら、5分で完了できちゃいます!
これさえ揃えばOK! 基本コレクション
バレットジャーナルでは特定の目的のために作るページを「コレクション」と言います。
基本のコレクションはインデックス(索引)、フューチャーログ(6ヶ月)、マンスリーログ(月次)、ウィークリーログ(週次)、デイリーログ(日次)の5つ。
ちなみにバレットジャーナル術では、基本的に今必要な分のページしか作りません。なので来月のページや明日のページなどは作らなくてOKです!
それでは Let’s Go!
*ノートの最初の見開き2ページは空白にしておいてください! 理由は後述します。
インデックス(索引)のセットアップ
3-4 ページの上部に”インデックス” とタイトルをふります。
フューチャーログのセットアップ
次の見開き2ページは上部に ”フューチャーログ” とタイトルをふります。次に両頁を横に3等分し、各欄に次月以降6ヶ月分の月を割り当てます。
マンスリーログのセットアップ
次の見開き2ページは、左ぺージは上部に今月の月名をふり、縦のカレンダー(日付と曜日を左端に上から下に向かって書き込んでいく)を作ります。右ページは ”月名 やることリスト” とタイトルをふります。
ウィークリーログのセットアップ
次の見開き2ページは、左ページ上部に今週の日付(M/D-M/D)を書きます。右ページ上部には、来週の日付を書いてください。
デイリーログのセットアップ
次のページに今日の日付と曜日を書きます。
定型ページの設定はたったこれだけ! ね? 簡単だったでしょ?
3. 書き込んでみる
さてノートの準備が整ったところで、実際に各コレクションに書き込んでみましょう。
インデックスを更新する
まずは、今セットしたばかりのコレクションのタイトルと各ページ番号をインデックスに記帳します。
*デイリーログだけはインデックスに記帳しません。
ついでにページ番号をまとめて振っておくのがおすすめです。
ちょっとだけ面倒に感じるかもしれませんが、インデックスのお陰で「あのメモどこに書いたっけ?」というストレスが激減し、正直、この仕組みは学校で教えてほしかった……と思うくらい世界が変わります(何かの情報が必要になったとき、とてもスピーディに探せるので、周りからシゴデキさんの称号も貰えちゃうかも)。
ということで、新しいコレクションを作る際は必ずインデックスも一緒に更新してあげてくださいね!
フューチャーログ
このページにはアクションアイテム以外に、変わる可能性の無い or 低い予定(誕生日や記念日、締め切りなど)を書きます。
💡学びを深めるフューチャーログ活用アイディア:
仕事や趣味、家庭…のこと以外でも
● 試験の日程(TOEIC、TOEFL)
● 講座やセミナーの日程
● 学習目標
などを書き込んでも◎
マンスリーログ
左のカレンダーページには「起きた出来事だけ」を書きます。つまり自分が感じたことや予定などは書き込みません。そうすることによって俯瞰的なタイムラインが出来上がるため、自分が今月何をしていたか振り返る際にとってもわかりやすくなります(私のように、昨日のお昼ご飯も思い出せないような人に特におすすめ!)。
早速昨日やったこと、起きた出来事を書き込んでみましょう。さらに記憶が許す範囲で構いませんので、覚えている限り遡って過去数日分も書き込んでみてください。
*私の場合、予定管理はデジタル(主にGoogle Calendar)に振り切っています。なぜかというと、予定は変わることが多く、手書きで管理するには限界を感じるからです(ちなみにバレット発案者のRyder Carroll氏もスケジュール管理はデジタルで行っていると言っていました)。
💡学びを深めるマンスリーログ活用アイディア:
● 左ページ:毎日の学習時間や取り組んだ内容を記録してみる。
● 右ページ:今月の学習目標(例えば「週4で英会話レッスン受ける」「単語を10個覚える」など)を書く。
ウィークリーログ
左ページは先週の振り返りを書き出します。右ページには振り返り中に浮き彫りになったタスク、そのほかマンスリーログやデイリーログを確認しながら、今週やりたいことをリストアップしていきます。
💡学びを深めるウィークリーログ活用アイディア:
● 左ページ:先週の学びや気づき、感じたことを振り返る。
● 右ページ:今週の具体的な学習プラン(例えば「英語のポッドキャストを3本聞く」「英語の本を1章読む」など)を書く。
デイリーログ
その日浮かんできた NAME (Notes, Actions, Mood, Events) を、都度書き込んでいきます。
なので、1日1ページ使わなくても(もちろん1ページ以上使っても)OK!その時に必要な分だけページを使い、そのすぐ下に次の日のエントリーを書き込んでいくシステムです。
💡学びを深めるデイリーログ活用アイディア:
● Notes (-):新しく学んだ単語やフレーズ、学習中に気づいたことを記録(「ニュース教材は眠くなる。コメディドラマの方が向いてるかも」など)
● Actions (•):その日の具体的な学習タスク
(「30分リスニング」「10分スピーキング練習」など)
● Mood (=) 学習中の気分や感じたこと
(「ワクワクした」「悔しい!」など)
● Events (o) 学習中に起きた出来事
(「英会話レッスンで〇〇の話をした」など)
メンタル・インベントリーの中身を移行させていく
前回の記事で準備として作っていただいた “The Mental Inventory” (思考の棚卸し表)のアイテムも、忘れずに当てはまるページに移行させていきましょう!
例えば「歯医者の予約を取る」を今日やっておいた方がよければ、デイリーログへ。「英会話レッスンの宿題」は今日やらなくてもよいけれど、週末には取り組みたい!とあれば、ウィークリーログへ移動させるイメージです。
… が、全部のアイテムを移行するまえに一旦ストップ🖐️
取捨選択フィルターを使う
前回の記事で「思考の棚卸し作業は、新しい家に引っ越す前の断捨離のようなもの」というお話をしました。
つまり、不要なものや魅力を感じないもの、そして新しい家のサイズに合わないもの…などを手放していきます。でも、いろんなアイテムを目にすると「これいつか使うかも…」とか「頑張れば新しい家にフィットできるかも…」など、後ろ髪引かれてしまうと思うんです。
そんな時に思い切ってレリゴーするための強力な助っ人が、取捨選択フィルター “CARE” です。(これはRyder Carroll氏によってつい最近発表された最新のやり方です!)
アクションアイテムをどこかに移行させる度に、このように自分に質問してみます。
Control:あなたがコントロールできること?/何がコントロール下にある?
Able:それをやるリソース(時間やエネルギー、体力や場所など)は今あるの?
Required:(本当に)やらなきゃいけないことなの?
Enlivening:あなたやあなたの大切な人の暮らしを善くしてくれること?
このフィルターを通過した、ほんとにほんとに大切なもの…だけが新しい家(バレットジャーナル)に住む権利をゲットできる、という訳です!✨🏠
どこに移動したらよいかわからない場合
健康な体を手に入れる!とか、英語力をアップさせる!とか抽象的で大きなアイテムは特にどのページに移動させたらよいか決めづらいですよね。そんな時はこの2パターンを試してみてください。
①とりあえずフューチャーログに移動させる
その月に達成させる!というよりは、その月の前後に、再度そのアイテムの棚卸し(例えばそれを実現させるための具体的な行動プランを立てる、など)を予定させるイメージです。
②GOALS コレクションを作る
新しいページに自分の大きな夢やゴールをリスト化しておいてあげるのも◎(この時、必ずこのページのタイトルとページ番号をインデックスに更新するのをお忘れなく!)
書くベストなタイミングは一日の始まりと終わり🌞🌛
今日の忙しさの波にのまれる前に、まず自分は今日どんな1日にしたいか、という自分会議を開くイメージでバレットジャーナルを開くのがおすすめ。
私は朝必ずコーヒーを飲むので、モーニングコーヒーとセットでバレットジャーナルを書いています(と言うと優雅に聞こえるかもしれませんが、最近は一歳児にご飯をあげながら書いているのでバレットジャーナルを広げる時間は5分程度です…笑)。
この時に、ウィークリーログやマンスリーログをチェックし、今日やらなければいけないアイテムがあればデイリーログに移動させます。
1日の終わりには、振り返りとクールダウンを兼ねて、やることアイテムのアップデート、思いついたことのメモ、そしてマンスリーログの更新などをします🌛(明日やることを書き出してから寝ると、睡眠の質が向上するという研究もあるらしいです👀)。
慣れてきたら、行動の節目で記録をする
デイリーログに慣れてきたら、1日の中で自分の行動が変わった時(やっていることが終わった時や、ふと我に返った(笑)タイミングで)
○ 今やり終わったこと
- それについての考えやメモ
= 今の気持ち・感覚(体の感覚も)
• 思い浮かんだタスク(あれば)
をログしていきます。こうすることによって「気づいたらYouTubeで20分も溶かしてたわ…タスクの整理しよ…」とか「いい感じで仕事をこなしていたけど、お水を飲むの忘れてた!」「英会話レッスンが終わったら意外と疲れた。ちょっと休もう」という具合に、いつのまにか低下してしまった集中力を回復させてあげたり、今の自分に最適なアクションを取ってあげやすくなります☝️
勉強中になーんか疲れてきた…教材の内容が全然頭に入ってこないなァ、など感じた時にもぜひ上記の内容をバレットジャーナルに記帳してみてくださいね!(この記帳方法は Rapid Log と Daily Log を合わせて ”Daily Logging" と呼ばれています)
あなたによる、あなたのためのデイリーログ
当たり前に聞こえるかもしれませんが、とても大事なことなので強調させてもらうと、「記帳をすること」が目的なのではなく、あくまでも「自分にチェックインしてあげる機会を増やす」ということがバレットジャーナルの目的です。
なので、書かなきゃいけないもの!ではなくて、マラソン大会の給水所みたいな、自分のために待っていてくれる場所、というイメージでバレットジャーナルを捉えてみてくださいね🍉
モチベをキープしてくれるのは、いつでもあなたの “WHY”
さてこれであなたのバレットジャーナルは完全にセットされました! あとは使うだけ!!
だけど、きっと「毎日書けるかな…?」「書くことが思い浮かばなそう」とちょっとドキドキしている方もいると思うんです。特に今まで日記の類がすべて三日坊主で続かなかった以前の私のような方。
でも大丈夫、今まで日記や手帳が続かなかったのはあなたがズボラだから、でも、飽き性だから、でもないです。
ただ、あなたがそのツールに価値を感じなかった、つまり、役に立たなかったからだと思うんです(役に立つ、というのは心や暮らしが潤ったり、楽しいことが増える、という意味で使っています)。これって学びの場でも一緒ですよね。自分のスキルやテンションが上がらない学習法ってやっぱり続きませんよね。
だからこそ、今あなたがどういうツールを必要としているのか、というニーズ=使う目的である ”WHY” をクリアにしてから使い始めるのがおすすめです。💎
これはバレットジャーナル術では ”Set an Intention” (意図の設定)と呼ばれるとっても大事なステップです。これだけは絶対にスキップせず、ぜひ今日、あなたのバレットジャーナルのページに書き込んでみてください。
早速今日のデイリーページに
・バレットジャーナルのインテンションの設定をする
とアクションアイテムとして書き込んでみるのもよいかもしれません。
インテンションの設定方法
冒頭で取り置いてもらっていた、最初の見開き2ページを開けます。ページの上に ”インテンション” とタイトルをふってください。
そして次の質問を使って、あなたが今悩んでいることや、バレットジャーナルを使って解決したいことを洗い出してみましょう!
● I want my Bullet Journal practice to help me become [ ].
バレットジャーナルを使うことで[ ]な風/人になりたい。
● What do I want more of? 今の暮らしで何を増やしたい?
● What do I want less of ? 今の暮らしで何を減らしたい?
● What am I struggling with? 今どんなことに悩んでる・困ってる?
● What values do you want to embody?
どんな考え方や生き方を体現していきたい?
💡学習に関するインテンションを設定したいなら…
● バレットジャーナルを使うことで、どんな学習者でいたい?
● 学びの過程でどんなことを増やしていきたい?
● 学びの過程で何を減らしたい?
● 学びの過程でどんなことに悩んでる・困ってる?
● 学ぶ上で、何を大切にしていきたい?
語学学習の中で自分の中の ”目的” をクリアにすることの大切さ、についてこちらの記事でも少しお話しさせていただいています!
いまいち「インテンション」のイメージがつかない場合は、こちらの記事でも詳しく説明しているので、ご興味があれば読んでみてくださいね🫶
次回のフォーカスは「振り返り」
次回は、バレットジャーナルの(そして学ぶこと全般の)肝である「振り返り」の部分に焦点を当てていきます。
単なる反省会やダメ出しとはちょっと違う、学びを実践に落とし込みながらヘルシーに成長していける振り返り方法を具体的にご紹介していく予定です。
これまで「学習の復習」だったり、振り返ること全般に苦手意識を持っていた方。または自分に対して厳しく喝を入れがちで、燃え尽きがちな方、ぜひぜひお楽しみに!🌱
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過去記事【英語でセルフケア:心も頭も整える英語活用術】
https://note.com/beret_gogaku/n/n67b5aafa6e99
【SAKURACOのStudy Routineコラム】
https://note.com/beret_gogaku/n/n0ac3ce03e63b