学びを行動に変える実践ノート、バレットジャーナルのはじめ方 〜カスタマイズ編〜
SAKURACO
Hello folks! 『SAKURACO’s こなれ英語LESSON』の著者、日本人初のバレットジャーナル®︎認定トレーナー、SAKURACOです。
今回の連載でバレットジャーナルの魅力、セットアップ方法、そして肝心要の振り返り方の基本的なバレットジャーナル術のはじめ方をご紹介してきました。シリーズ最終回の本記事は、私が過去に使ったカスタマイズ例を一挙にシェアしていきます。
カスタムぺージは自分の意識を向けたいものに対して、具体的な施策を練ったり、行動を促してくれる、とても強力な助っ人です。
また、自分の行動にスポットライトを当てる役目も担ってくれるので、さらに詳細なデータ収集のサポートもしてくれます。
そして情報の精度が高ければ高いほど、そこから研究結果(学びや気づき)を抽出しやすくなり、具体的な行動にも移しやすくなります!
カスタマイズを駆使して、あなたのバレットジャーナルがより楽しく、そして実用的に活用するためのヒントになると嬉しいです!
バレットジャーナルはカスタマイズの王様
基本のコレクション(ページ)以外は既存のレイアウトが決まっていないバレットジャーナルは、自由に色々なページ設計を楽しめます。そして何より素晴らしいのは、不要になった時点で違うレイアウトにスルッと乗り換えられる点です。
この記事では2021年から2024年現在までの3年間、私が試したカスタマイズ例を目的別にご紹介していきます。
目的別カスタマイズ例
目標設定&行動計画づくり
習慣化のサポート
学びを深める
集中力と生産性アップ
ウェルネス&ご自愛
全部を一気に試そうと思わず、今のあなたのニーズを満たすもののヒントになりそうなのはどれかな?とイメージしながら読み進めてみてくださいね。
目標設定や行動計画を立てる
今の状態を知る
自分にとって本当に意義のある目標を立てるには、まず現状を把握するのが一番。そうすることで「なんとなく皆やっているから」とか「こうした方がよいだろうから」という周囲の価値観に流されず、自分にとって必要なものを見極めるガイドになります。
ライフ・ホイール:暮らしの満足度調査
まず左ページに大きく円を書いて、ケーキを切る要領で8等分します。等分した各欄に人生の8エリアを割り当て、満足度を10段階で評価。右ページは、満足度を上げたい人生エリアをターゲットに、自分が在りたい様子、やりたいこと、手に入れたいもの、を。次に逆に自分がなりたくない状態、やりたくないこと、手放したいもの、を書き出します。これで今の暮らしの状態を俯瞰して見ることができます。
学習に使う場合、例えば左のチャートを技能別(読む・書く・話す・発音・瞬発力 など)に分けたり、自分が学んでいるトピック別(英語・生産性アップ・ウェルビーイング・心理学・ファイナンス・哲学 など)に分けても◎
今のやり方の検証ページ
この(画像手前)のページは、自分が今何かを解決するために取っているアプローチの棚卸し。上手くいったこととその理由、逆に上手くいかなかったこと(や思っていた効果がなかったこと)と、その理由をページの上下に書き出します。
こうすることで、どういう方向性で行動を取っていけばよいかが絞り込みやすくなります。
ちょっと未来を見る
現状を見つめることで浮き彫りになる自分の目標や進みたい方向性を、画像化や言語化していくと、さらに具体的な計画が立てやすくなります。
キーワードページ
その時期、自分の中でのテーマだと思っていることやインテンションにまつわるピンと来たワード、格言などを集めたページ(最初に一気に書き出すのではなく、暮らしの中で出会ったキーワードを少しずつ集めていくイメージです)。
目標ページ
現状の調査で出てきたキーワードやイメージをもとに、自分が叶えたい夢、目標をリストアップしたページ。私がこのページを作る時は目標の大きさや粒度は特に絞り込まず、思い浮かぶことすべてを書き出していきます。例えば「英語が話せるようになる!」という大きな目標も「気になっていた英会話カフェに行ってみる」などのカジュアルなものも混在させています。
目標の深掘りページ
ゴールコレクションに書き出したものから特に叶えたいもの、具現化していきたいことを対象にして、自分がなぜそれを必要としているのか、具体的な目標の定義などを言語化していきます。
目標を深掘るための問いの例:
・このゴールのどこにワクワクしてる?
・なぜこれに自分のエネルギーと時間を割こうと思った?
・これを叶えることで、何を得ようとしてる?
・何が必要になってきそう?
・この目標の「達成」の定義は?
ビジョンボード
自分の理想を可視化させたイメージページ。定期的に見返して自分のモチベーションをアップさせます(ビジョンボードはスピリチュアルなコンセプトと関連して紹介される事が多いですが、私は単に「文字より写真の方が一瞬でイメージが湧くから」という理由で作っています)。
ビジョンボードの詳しい作り方が気になる方はこちら。
行動に移す
行動に移すためには、まずは何をやらなきゃいけないのか、そしてそれをいつやるのか、という日常レベルにまで分解していってあげると迷いなく実行しやすいです。
54321計画
長期ゴール → 中期の目標 → 短期の行動計画に分解していくページ(詳しいやり方はこちらの記事で読めます)。
12 週間プラン
3ヶ月(1クォーター)で達成したい目標をさらに12週間分のアクションリストに分解するページ(12 週間プランの詳しいやり方はこちらの英語VLOGでお話しています)。
習慣化をサポート
目標を達成したり、学びを実践に落とし込んでいくためには、特定の行動の習慣化が必要になる場面も多いですよね。例えば「毎日少しでもいいので英語の音声を聞く」とか「毎日語学学習アプリのゲームをプレイする」とか。
そういった習慣化をサポートするのにピッタリのツールがハビットトラッカー(習慣トラッカー)です!
マンスリー・ハビットトラッカー
マンスリーログのカレンダーの右端をハビットトラッカーとして使います。トラックしたい頭文字をハビットトラッカーの上部に書くだけ。できた日は◎をつけます。
このタイプのトラッカーは頻度を記録することに長けているので、毎日の習慣として定着させたいものに対して使うのがオススメです。
ゲイン・トラッカー
こちらは取り組んだ時間を記録していく、積み上げ式のハビットトラッカー。画像のページは、私の洋書の読書時間の記録です。1マス=15分として読んだ時間分のマスを塗りつぶす仕組みです。
ハイブリッド型トラッカーページ
毎日トラッキングするタイプのハビットトラッカーと、積み上げ式トラッカーのコンボ使い(画像上部のグラフについては後述の「ご自愛ページ」のセクションで詳しくご紹介します📈)。
学びを深めるレイアウト
クォートページ
本やテレビなどで出会った、素敵な英語の文章を書き溜めるページ。
レッスンメモ
レッスンや講座などで気になった内容をメモするページ。レッスン毎に新しいページを作り、インデックスには 「英会話レッスン:7-8, 20, 30-31 」のように記帳していきます。
例文ページ
拙著『SAKURACO's こなれ英語LESSON』でもご紹介させていただいたこのレイアウトは、左頁に気に入った英語の文章を書き、右ページにその表現を自分でアレンジして例文を作っていく、インプット&アウトプットが両方バランスよくできるページです。
英語でジャーナリング
英語で自分の考えていることや気持ちを書き出すページ。
英語で文章を書くのはハードルが高いなあ…何を書いたらよいかわからない!という方は、ぜひ過去連載「英語でセルフケア:心も頭も整える英語活用術」シリーズを参考にしてみてくださいね!
一日一学ページ
その日学んだことをサクッとメモするページ。「今日学んだ英単語」などの知識的な学び以外にも「自分は意外とこういうことが得意みたい!」などの気づきをメモしても◎
集中力&生産性爆上がりページ
タイムブロック
今日やりたいことを何時にやるのか予め時間配分を決めて記帳していきます。一日の始まりに書きだすとその日の流れがイメージできるので、自分で時間割を決めるタイプのお仕事をしている方や、自由に時間が使える休日などのプランニングに特におすすめ。
フロータイム
フロータイムは作業の合間にこまめに休憩を挟むことで、集中力と生産性を上げる方法です。25分の作業毎に5分休憩を挟むポモドーロによく似ていますが、大きな違いは「フロータイムは自分が波に乗っている(=集中している)限り作業を続ける」という点です。他の事を考えだしたりソワソワしたり、気が散ってきた…と感じたタイミングで休憩を取ります。
ノートには作業内容、開始時間、停止時間、合計作業時間、休憩時間をメモ。
ポモドーロだと「ノってきたところで休憩時間が来てしまって、勢いが失われちゃう…」と感じる方に特にオススメです。
またフロータイムを使うと、自分の集中力の質に意識を配るようになるので、気が散っている時、散りそうな時に意識の軌道修正をしてあげるスキルがアップします!
さらにフロータイムを数ヶ月使ってみたところ、集中力を持続できる時間があきらかに延びるいました。最初は20分位で休憩を挟んでいましたが、それが徐々に25分 → 35分と延びていき、最終的には1時間の超集中セッションがちらほら散見されるようになりました。
(このフロータイム(とベレ出版の敏腕編集者、新谷さんのガイド)のお陰で書き上げられたのが、何を隠そう『SAKURACO's こなれ英語LESSN』です。笑)
タイムトラック
タイムトラックは、自分の行動を可視化し、未来の計画を立てるためのデータを収集するページ。私は予定と実際に起きたことを隣り合わせで記帳してみました。
こうすることで、例えば作業の予想所要時間と、実際にかかった時間の差…などが一目でわかるので、「次回の所要時間の見積もりは、もう少し長めに取ろう!」などと参考にしやすかったです。
エネルギートラック
一日のエネルギーレベルをチャート化したセクション。私はこれをデイリーログに書いていました。これを一週間ほど続けてみると自分のエネルギーのリズムが見えてきます。それを元に、例えば「私は午前中のほうがエネルギーが高いから、ちょっと勇気のいる英会話レッスンは午前中にスケジュールしよう!」とか、自分のリズムに合わせて活動の計画がしやすくなります。
ご自愛ページ
睡眠トラッカー
睡眠時間と起きたときの気分などのメモ。
体調全般トラッカー
睡眠時間、気分、不安度、集中力、頭痛(頭痛持ちなので)をトラッキングしたページ(画像上部)。
ムードログ
その日感じた感情のハイライトをメモしたページ。このページは後から見返すため、というよりは「名もなき気持ち」をすくい取って、言語化する練習をするために使っています。
グラティチュードログ
その日あった嬉しかったことや、感謝したいことをデイリーログに三つ記帳しています。
自分の軌跡ログ
自分の夢や叶えたい目標に関連した自分の行動をリストアップするページ。これによって今自分がいる地点と、自分の未来は地続きであること。そして自分の夢は小さな形でもう叶っているんだよ、と自分に思い出させてあげる意味で使っています。
(私の場合だと「いつか紙の雑誌で、ジャーナリングや書くことに関するコラム連載を持ちたい!」という大きな夢があるので、このページには自分がそのテーマで外に向けて書いた文章(ブログやSNSの投稿、そしてこのコラムなど)をログしています。)
偏愛マップ
Things I appreciate (私が感謝している&愛でているもの)をテーマに自分の好きなものを寄せ集めたページ。
グラティチュードログに似ていますが、もうすこし広い範囲で今の暮らしの中で感謝しているもの、推しているものを書いています。変わり映えのない毎日が少し退屈に感じた時や、元気が欲しい!と感じた時に書くと、今の自分の暮らし、結構いいじゃん!という気分になるのでオススメです!
マンスリーハイライト
各月に自分なりに頑張ったことを三つ書いていくページ。後で見返すと自分の頑張りや、自分の取った行動によって次の機会を得られたり、新たな行動に繋がっていることが一目でわかるので、自信やモチベーションが上がります。
自分に合ったカスタマイズの見つけ方
たくさんあるカスタマイズ方法を見ると、どれを使ったらいいんだろう…?って迷ってしまいますよね。でも安心してください、どれも使わなくてもいいんです。笑
カスタマイズはあくまでも、あなたのニーズを満たすためのツールです。だから「どれを使おう」ではなくて、まずは「今の自分が解決したいことは何だろう? 自分はどうありたいんだっけ??」という視点(インテンション)を起点にすることを忘れないでくださいね。
最初は一つずつトライ
新しい事を始める時は一気に色々手をつけるより、一つずつ始めるのがベストですよね。
バレットジャーナルでカスタムコレクションを作る際も同じで、最初は一種類からスタートしてみましょう!
そしてもう一つ覚えておいていただきたいのが、「使い続けるのが正義ではない」ということ。カスタムコレクションは特に、書き込まなくなったり使うのが面倒になったら、その形には、あなたが価値をそこまで感じていない、というサインです。無理やり使い続けようとするのではなく、このカスタムコレクションに価値を感じなかった(=役に立たなかった)のは何が原因だろう?と考えてみると他のアイディアが浮かんでくるかもしれませんし、逆に「そのニーズはもう満たされているからオールOK🙆」とか、「そのニーズ、そもそも別に満たしたくなかったのかも」などの気づきに繋がることもあると思います。
自分のニーズに合ってるかの確認作業
自分のニーズって、その時の人生のフェーズやステージによってすごく変わりますよね。だから、バレットジャーナルのカスタムコレクションも定期的に「これって今の私に役に立ってる? それとももうレリゴーしてOK?」と確認するのがおすすめ。
私は新しいノートに乗り換えるタイミングでインデックスの項目の横に「・」を書き込み、すべて一旦アクションアイテム化します。
そして一つ一つ、「このコレクションは自分の次のフェーズに価値を与えてくれるかな?」という視点でふるいにかけていきます。役割を全うしたコレクションには完了の×印を、次のノートでも引き継ぎたいものは、移行の>印をつける。
こうすることで、今まで使ってきたページだからなんとなく使い続けてしまう、というエスカレーター式の思考の罠をうまくかわせます!◎
おわりに
四回にわたってお届けしたこの連載では、バレットジャーナルの基本からカスタマイズのアイディアまでを幅広くご紹介してきました。バレットジャーナルは、自分のライフステージやニーズに合わせて柔軟に寄り添ってくれるツールです。変化を楽しみながら、あなたにとって心地よい暮らしをデザインしていくためのお供になれば、と思います。
今後、日本初のバレットジャーナル®︎認定トレーナーとしてバレットジャーナルの魅力について発信をしていく予定です。もっとバレットジャーナルについて知りたい!という方は、ぜひ私のInstagramに遊びにきてくださいね。
最後までお読みくださり、本当にありがとうございました。またお会いできる日を楽しみにしています💐
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過去記事【英語でセルフケア:心も頭も整える英語活用術】
【SAKURACOのStudy Routineコラム】