私が英語書を108冊書くことになった 理由
長沢寿夫(ながさわ としお)
第3回 誰よりも努力して日本一になる!
私は、法則が次々と頭に浮かぶようになったので、中学英語に関しては、ほかの先生方に負ける気がしなくなりました。
あまりにもたくさんの便利な法則が頭に浮かぶので、毎日がどんどん楽しくなってきました。
そして、とうとう、私にとって、法則の最高傑作が生まれました。
私の塾に来ていた中学3年生の女の子が、「明日、関係代名詞を使って、2つの英文を1つにする問題が出るテストがあるので教えてほしい」と言ってきました。
私はそれまで、2つの英文を1つにする方法を考えたことがなかったので、すぐには無理だと伝えました。するとその女の子は、「もしそのやり方がわからないと、明日のテストで20点も失ってしまうんです」と言うのです。
そこで私は「ちょっと待ってね」と言って壁にもたれました。2分ぐらいだったと思います。その答えが出たのです。それが、
[はじめから せん から せん へ 右 左 の法則]
これは関係代名詞の法則です。
そしてすぐに、この法則を使って、2つの英文を1つにする問題をいくつか解いてみました。すべての問題が、この法則で解けたのです。
法則の詳しい内容は、ここでは話が長くなってしまうので省きますが、興味があったらぜひ私の著書を読んでみてください。頭をやわらかくして読んでいただけたら、びっくりするはずです。
私はこれで、中学英語のことならどんなことでわかりやすく教えられるようになったと思いました。
そして、私がいつものように大阪へ本を買いに出かけたときのことです。
大阪駅の中にあるレストランでかつ丼を食べていたとき、テーブルの前に、ご年配の紳士が「座ってもいいですか」と声をかけてこられました。私はすぐに「どうぞ」と言うと、「ありがとうございます」と丁寧にお礼を言ってすわられました。
食事をしていると、その紳士が急に私に話しかけてきました。
「あなたの前に座らせていただいたのは、あなたに用事があるからです。あなたは何も知らないでしょうが、あなたは日本一になるためにこの世に生まれてきたのですよ。このことをあなたに伝えるために、私はここに座ったのです。」
私は何のことかわからず、じっとその方のおっしゃることを聞いていると、自己紹介をし始めました。
「私はある大学の水泳部に入っているときに、日本一の水泳選手になりました。ちょうどそのころ、オリンピックが中止になってしまったので、オリンピックでメダルを取ることはできませんでした。そして今は、新聞社の解説委員をしています」
そして、その方は、日本一になるための法則を、私に話し出したのです。
「あなたが日本一になるためには次の3つの法則を守る必要があります。
その法則とは次の3つです。
第一番目に、人の3倍努力をすること。
第二番目に、1つのことしかやってはいけない。
第三番目に、血をはくまで練習する。
この三番目の法則は、私は水泳選手だったので、このように言いましたが、あなたの場合は、一日たりともやらなければならないことを休んではいけないということです」
と言われたのです。
これは何かの暗示かもしれないと思い、私はその方の言葉を信じて、英語を教えることだけに集中することにしました。それから数十年経ちますが、今のところ一日も英語を教えることから離れたことはありません。
そしてまた、不思議な出会いがありました。
親類の紹介で、私に伝えたいことがあるという方に、
「あなたは、えべっさん(西宮にある恵比寿神社)と同じで、三日働いたら、1年間食べていけるような仕事につきますよ」
と言っていただいたのです。
これがのちに本の仕事に結びついていきました。
そして、その時がついにやってきたのです。
その親類の紹介の方から、「あなたは今、中学3年分の英語の勉強本を書くことができたら、たいへんなベストセラーになる」と言われたのです。
私はすぐにとりかかりました。
(第4回 はじめて書いた本が大ヒット!)