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ママたちの反逆-保育士による不当な扱いに立ち上がったママたち(前半)

ことのはじまりは、夏やすみ前だろうか。
急に4人の子どもが保育園を去った。

うち2人は引っ越しによるものだった。いずれもベルリンからかなり遠いところに引っ越すらしかった。
コロナで、子どもたちにいろんな締め付けがあるなか、または、親族になかなか会えない日々が続いたために、郊外にいる親族の近くや、親族がいなくてももっと自然があってのびのびできるところがよいと、ベルリンから引っ越していく人は珍しくなかった。だから、彼らもそうなのだろうと思ったし、それならば新天地で別の保育園を探すのだろうから、今の園をやめていくのも納得がいった。

もう一人は、もっと家の近くに偶然、保育園の空きを見つけたから、ということだった。うちはたまたま徒歩圏の保育園に空きを見つけたらよかったけれど、車や電車で送り迎えをしている親も少なくない。私はいつも、毎日のことだから、共働きの親は大変だろうなと思っていた。だから、近くに空きがみつかったのなら、単純によかったね、と思うし、この子に関しても、さみしいけれど、そっちでも元気でね、と思った。
別の一人は、子どもに少し発達上の問題があって、そうした特別の支援ができる保育園に移動する、ということだった。確かにうちの園は、自由でのびのび、が売りだから、個別のきめ細やかな保育が必要な子には不向きだといえる。だから、子どもにあった特別の支援をしてもらえる園がみつかったのなら、よかったよね、と思った。

ということで、ここまでは、急に人が減ったなぁ、と漠然と思っていただけだった。

ところが、その後2-3か月の間に、またしても少なくとも3人の子どもが保育園を去っていった。
コロナでなかなかママ同士の交流もないため、詳しい事情は分からなかったが、ちょっと異常に感じられた。そもそも、ベルリンでは保育園の空きを見つけることは難しい。ちょっとやそっとのことでは、保育園を変えようとは思わないはずなのだ。
それに、その3人はいずれも、引っ越しが理由ではなかったようだから、余計、なぜ???と思った。

ただ、思いつくことがないわけではなかった。
実はここ数か月、私も保育園に対して不満を感じ始めていた。

というのは、子どもの担当の保育士さんAが、それまでとはうってかわって、子どもに厳しいことを言ったり、子どもをネガティブに評価し始めたからだ。

Aさんとうちの子は、3歳で上のクラス(0-3歳と3-6歳に大きくクラスが分かれている)にあがったときからの付き合いで、うちの子をとてもかわいがってくれていた。
Aさんは、体格がよく、もともと機敏に動くタイプではないのに加え、ちょっと足に障害があるようで、片足を引きづってのんびり歩くため、スポーティーな子どもには物足りなかったかもしれない。が、インドアタイプのうちの子にはちょうどよかったようで、一時期は私がちょっとやきもちをやきそうになるくらい、まさに相思相愛だった。
私が迎えにいくと、よく二人で並んで座って、いろんな話をしていた。Aさんは私にも、今日はうちの子がこんなおもしろ発言をした、こんな遊びをした、とうれしそうに話して聞かせてくれた。

こんなにかわいがってもらっていてなんだが、すごく正直にいうと、保育士として彼女がすごくすぐれていたか、といえば、私は当時からあまりそうは思っていなかった。ちょっと気分屋なところがあったし、子どもと接していても、面倒くさそうにしていることが多かったからだ。
ただ、うちの子との関係が良好である限りは、私も特に文句はなかった。



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