見出し画像

2022.08.06 at 熊谷HEAVEN'S ROCK VJ-01 / COUNTRY YARD pre. "Narrow Valley"

前日のくるりからガラッと変わるが、関東に来て、この奇跡的なタイミングでもう一本どうしても何としても見たいライブがあった。

それがこのCOUNTRY YARDとHOLLOW SUNSのツーマンである。
今年に入って不定期に開催されているこのCOUNTRY YARD主催の「Narrow Valley」。1月から2月にかけては、町田・横浜・八王子・甲府と4ヶ所をINKYMAPと周っていた(しかし、八王子・甲府に関してはメンバーのコロナ感染によって延期、そして、延期後の日程もメンバーの体調不良で再延期、9月に実施される)。
今回は東京のバンドHOLLOW SUNSと宇都宮・盛岡・熊谷の3ヶ所をまわるツアーである。
宇都宮・盛岡は日を開けずの2days。そこから1週間あけて、3ヶ所とはいえ、この日がひとまずはHOLLOW SUNSとのツアーのファイナルである。

HOLLOW SUNSのボーカルのDohiも言っていたが、「Narrow Valley Tour」ではなく、「Narrow Valley」なのである。「Tour」という単語がないのである。このネーミングセンスは自分も良いなあと思っていた。COUNTRY YARDの音楽性以外にも、こういう所も好きなのかもしれない。また、DohiがMCでそれに触れた時、あたかもそのことを代弁してくれたかのような気がして、心の中で拍手を送った。

SEもなく、定刻を5分ほど過ぎ、暗転。今年6月にリリースされたアルバム「Otheside」のリリースツアーも同時並行中の彼ら。バチバチに仕上がってきてるのは言うまでもない。

『From The Inside』『Deception』とアルバムの流れそのままにHOLLOW SUNSのライブがスタートしていく。次に鳴らされるのは2019年に発表されたEPのタイトルにもなっている『Into The Water』。HOLLOW SUNSを聴いていて思うのは、どこかFOO FIGHTERSを感じる所である。調べてみたらしっかりFOO FIGHTERSからもインスパイアを受けているようで、なるほどとなるわけだ。
すごい個人的な話だが、自分はFOO FIGHTERSを生で見るまでは死ねないと決めている。

次に「Otherside」からイントロのリフが独特で癖になる『Gravity』が鳴らされ、1回目のMCに入る。

先程記した、ツアータイトルの話から、ツアータイトルが「L」と「R」が混在しててなかなか発音が難しい、そんなユーモアなMCも飛び出す。

「MVにもした曲を演ります。」そう言って鳴らされたのは『Dry Out』。そして、『Searching』『Deep Down』と最新アルバムから曲が続く。
HOLLOW SUNSの音楽は邦楽というよりかは、洋楽に近いものをどこか感じる。この『Deep Down』のサビの感じ、特にそれを感じた。ただただカッコいい。そして入りのペースの重低音の響きもたまらない。個人的には、「Otherside」のなかでは、『Gravity』と『Deep Down』がグッときていたなで、この日どちらも聴けて幸せである。

最後のMCでVocalのDohiが言う。「今アルバムのツアーもやる中で、曲をライブでやることで、曲自体も成長するし、自分の身体の中にもどんどん入ってくる。」色々あるが、早く以前の日常が戻ってくることを願いつつ、親しいバンドUNMASK aLIVEが今週末からCOUNTRY YARDとツアーを回ることにもしっかり触れていた。

最終ブロック『Believe In』では、

「Believe in, believe in, I believe in」

早く大きな声でシンガロングしたい、そう思う自分がいた。
最後は「Otherside」のラストナンバー『When It's Over』。FOO FIGHTERSがほぼほぼ最後に「Everlong」を演るように、この曲もそうなってほしい、そんな気持ちになった。

【HOLLOW SUNS】
1 From The Inside
2 Deception
3 Into The Water
4 Gravity
5 Dry Out
6 Seaching
7 Deep Down
8 No One Stays
9 Believe In
10 When It's Over


あっという間の転換が終わり、こちらも特にBGMもないまま COUNTRY YARDのライブが始まる。アンプを照らすかの如く、ランタンのようなライトが存在し、機材、そしてメンバーを微かにステージ上で照らしている。

Sit(Vo,Ba)が「One, Two, Three, Four, Five, Six…」と数え始める。そう、1曲目は1st Album「Modern Sounds」の1曲目『Seven Years Made My Now』だ。テンションが上がらないわけがない。

余談だが、去年、札幌BESSIE HALLにThe Roots Evolved Tourを見に行った後、インスタにライブに行ったことを投稿したのだが、自分は、「1st Albumの1曲目」というくくりで、この曲に勝る曲は無い、そう記したのはやはり間違いではなかった。COUNTRY YARDがそう確信させてくれる。

そのまま雪崩れ込むように『Bad』へと演奏は続いていく。曲の始め、Sitがこれでもかというくらいステージ上を駆けまわる。そして、タイトルとは裏腹に心地良い疾走感と駆け抜けていき、Yuki(Gt.)のアグレッシブなギタープレイが、ライブを見ている自分の興奮にこれでもかと拍車をかけてくると同時に、音源をより強くアップデートさせていくかのような強いプレイである。音は止まることなく、3曲目にして早くも鳴らされるは『I'll Be With You』だ。バンドの数あるアンセムの中の1曲でもあり、このイントロの始まりを聞いて、気持ち抑えてても「ワンツー」と口から漏れてしまう。間奏では、Hayatoのブラインド・チョーキング(すいません、勝手に命名してました)と、その表情がたまらない。

最初のMCで、Sitは改めて来てくれたことへの感謝を告げる。続けて、動員のことも含め、伝えなくてもいいであろう事実も含め、気持ちいいほどストレートにライブに対しての気持ちを伝えてくれる。

ビジネス面的な話をしてしまうと、それまでなのかもしれないが、何人来るとか、そういうことは関係なく、COUNTRY YARDのライブはそれを超越するほどに、一人ひとりの心に突き刺さるものがあると信じている。間違いなく、自分の心には突き刺さっている。それもあってこうレポ書いているところもある。

「Gone…」

Sitの魂の叫びのような響きから始まったのは、「The Roots Evolved」のオープニングナンバー『Passion』だ。ギターのハウリング、そしてイントAsanuma(Dr)の力強いドラミングからは、イントロから音源よりも更にアグレッシブな曲の表情を見せてくれる。

COUNTRY YARDのライブはこの「Passion」という言葉が、とてもあてはまるような気がする。沢山のバンドのライブを見ているつもりだが、こんなにも観客、客席をしっかり見ているバンド、なかなかいないと思う。それがPassion同士のぶつかり合いのような気がするし、時よりSitが客席の方に拳を突き出すとき、自分も突き出した時、物理的にぶつかってはいないのに、ぶつかってるような、そんな気がする。そして、曲終わりにメンバー同士が確かめ合うように見合う光景もものすごく「生」を感じる。

続けさまにAsanumaの力強いドラミングから始まった『In Your Room』これも大アンセムの中のひとつだ。Sitに「はい、せーの」と誘われて「Woh oh」とシンガロングしないわけがない。至高である。

続けて演奏されるのは、現状一番新しい曲でもある、『Alarm』。時代にとらわれず、8cm CDで発売されてる訳だが、曲もさることながら、アイテムとしてもたまらない。勿論PIZZA OF DEATH HOMEで買いました。アイテムといえば、「The Roots Evolved」収録の「Daylight」も当時蜂蜜付きのビーニー同梱で7inchでリリースされた。これに収録されているもうひとつの曲「Envelope」もまた聴きたいなあと何故か『Alarm』を聴いてる時、そんなことを思ってしまっていた。「Envelope」好きです。

恐らく「Envelope」は当時の「GREATEST NOT VACATION TOUR」以降は演奏されていないであろう。『Alarm』の次に鳴らされるは、当時そのツアーで1曲目だった『Don't Worry, We Can Recover』。ライブ中、たまに曲中に過去のライブの様子が頭の中で回想されてゆくのだが、大阪まで見に行った当時のことを思い出す。

ここまで4曲立て続けに演奏されるも、まだまだ止まらない。楽器を持ち替え、鳴らされるはセルフタイトル「COUNTRY YARD」から『Alternative Hearts』。この曲のPVが大好きである。ビルの屋上で演奏されてて、時より空の様子が映し出される様がたまらない。そして、The Beatls,Sex Pistols,Oasis,NOFXと影響を与えたであろうロックバンドの実名が歌詞に出てけるのも印象的である。
続く『Orb』では、

「We're still alive」

と最後歌い終わった時、マイクを片手で持ってステージ中央に立つSitの姿がとてつなく、ロックスターの出て立ちそのものだった。
続く『Smiles For Miles』は、個人的に、サビに入る前の所が1番と2番で異なるところが何故か好きだ。音源では段々と音がフェードアウトしていくが、この日はAsanumaの優しいドラムの叩きで着地したのが印象強かった。

7曲ぶっ通した後、YukiがMCを始める。このツアーをやる意味、バンドからバンドを広めていくという連鎖の大切さ。Yukiも言っていたが、今はSNSの時代で情報も音楽も自由に各々が取捨選択できる。しかし、そんな中で実際現場に来て生で音を浴びる。こんな贅沢を知ってる俺らは幸せ者なのかもしれない。「俺らはずっとバンドをやり続けるから、またライブハウスに遊びに来てください。」このご時世、この言葉の大切さたるや。

『I Don't Want To Stay Here』を聴くと、もうライブも終盤なのかなと、少し寂しい気持ちになってしまう。曲が終わると、Sitが指を1本立て、「もう一曲、最後の曲」ということを告げ、『Tonight』が鳴らされる。

「I cruse the morning light」

本当に朝なんかやってこなくていい。このまま続けば…とライブを見てるときいつも思う。どうでもいいが、疲労からかライジングサンの2日目後半くらいの時だけ、早く朝が来ないかなあとつい思ってしまう。本当にどうでもいいか。

程なくして、メンバーがステージに戻ってきてくれ、アンコールが始まる。『Quark』は最初のゆったりとしたところから徐々に気持ちを上げてくる。そして、歌い始めると、初期衝動のような勢いでこの2ビートナンバーはそのまま突っ走り、あっという間に終わってしまった。
そして最後はSitがタイトルを叫び始まる『Starry Night』。大アンセムで興奮の中、1時間強に及ぶライブは幕を閉じた。

今週末からはUNMASK aLIVEとの「Alarm Tour」が始まるCOUNTRY YARD。

このバンドは、僕たちの中でAlways Be Hereなのだ。ありがとうCOUNTRY YARD。

是非この2バンド札幌でも見たい。
容易でないのはわかっている。でもその時は『Believe In』でシンガロングできて、『Quark』で今よりもより自由な空間でいれる、そんな日常になってることをただ願うばかりである。


-----------------------------

COUNTRY YARD pre. "Narrow Valley" 

2022.08.06 熊谷HEAVEN'S ROCK VJ-01
Guest : HOLLOW SUNS

1 Seven Years Made My Now
2 Bad
3 I'll Be With You
4 Passion
5 In Your Room
6 Alarm
7 Don't Worry, We Can Recover
8 Alternative Hearts
9 Orb
10 Smiles For Miles
11 I Don't Want To Stay Here
12 Tonight
Encore
13 Quark
14 Starry Night

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?