2023.03.13 at 今池 HUCK FINN / OVER ARM THROW "20th Anniversary Year ONE MAN LIVE -HUCK FINN 40th Anniversary 番外編-"
ライブの翌日には書いていたのが気づけばこんなに時間が経ってしまい、その経過の速さに若干ひいている…。
というわけでTwitterに散々感想書きまくってましたが、OAT、20周年ワンマン、名古屋編、その記録。
17:00オープン、18:00スタートという社会人泣かせのような早いタイムスケジュールのこの日だが、キャパ200のHUCK FINNのフロア、パンパン。流石。
余談だが、HUCK FINNのフロアに入る扉が内開き仕様で、最後の方外から入ってくる人、めちゃくちゃ入りづらそうだった。個人的に、多分外開きの方が適していると思う。
定刻を10分ほど過ぎ、いつものSE、Aの「Starbucks」が流れる。直近のライブ、HOMIES FES 2023(2/18@川崎CLUB CITTA')では、リハからそのまま本編に突入したのでSEはなく、この感覚久々。そして、このSE聞くと、OATのライブにいるんだなって思うと、気持ちが高揚してくる。OATに限らず、SEってそういう気持ちにさせる所があると思う。
ライブは、『Shooting star』で口火を切った。この曲は2006年リリースのEP「SOUNDRIP」の1曲目でもあるが、この曲の持つオープニング感はある種の唯一無二な所があるはず。そして、3rd Singleの「FRUITS」に収録の『Stargazer』、そして『Stardust』と矢継ぎ早に曲を畳み掛けていく。
ここで最初のMC。
「花粉症だから鼻をかませて」とティッシュを持ちながら話す菊池信也(Vo,Gt)。一方では、「エイジー!クレイジー!」となりふり構わず叫ぶ鈴野洋平(Ba,Cho)(恐らくクレイジーは韻を踏んでるだけ)。ある種自由奔放、そんな二人を良い感じに差し置いて話し始めるのは、名古屋が地元のドラムの寺本英司(Dr,Cho)。
OAT20周年の話、そして地元の話になると、更に鈴野から「何丁目?」「何番地?」「電話番号は?」ともはやそのツッコミは止まることを知らない。すかさず、「寺本なんてあまりいない苗字なんだからそこまで言ったら特定されるだろ(笑)」と菊池がツッコミをいれる。
そんなやりとりを終え、寺本がOATに加入した時の話に。当時、東山線の星ヶ丘にあるマックでOATに誘われたこと。そんな星繋がりで次のブロックも『Star Right』、『Polestar』、『Fixed star』、『Wish on the star』と4曲続けてプレイ。
そう、OATの公式Twitterが「#星7連Starシリーズ」と発信していたように、ここまでの7曲、OATの持ち曲のタイトルに星がついてる曲を連続で全て演りきるという斬新なセットリスト。
『Wish on the star』演奏後、「今日やりたいことはもう全部やった」と話す鈴野。「もうタイトルに星のつく曲はいいのでは」、なんて話しつつも、菊池に「10曲になるまで作ろうよ」と言われる場面も。続けて、「今度は《色》で曲作りたい!どう?グリーンとか良くない?めっちゃ思い浮かぶんだけど!」そう話す鈴野。
「星7連Starシリーズ」からの仕切り直し?の1曲目は『Thanks』。そのまま『Now or Never』、『Mr.know-it-all』、『Chime』となだれ込むようにハイスピード展開で4曲をプレイ。ちなみにこの4曲、全て収録されているアルバムが異なる。リリースを伴わないライブ故、選曲の幅が広いのもファンとしては嬉しい所。『Wish on the star』や『Mr.know-it-all』はコロナ禍後初の演奏だったはず。
付け加えるように書くのもなんだが、勿論、作品リリース後の新曲を伴うライブも嬉しい。それに、新曲が生まれることで、過去の曲が昇華されていく所もあるはず。要はどちらも最高なのだ。
そして、菊池が「突然思い出した」と言って、先日の川崎でのホーミーズのリハで話したバレンタインの小話の続きを何故か名古屋で話し出す。
一応、文字に起こしてはみたものの、面白さが伝わらないのが悲しい。しかし、菊池の見事な話術で、この話の間、会場内笑いに包まれてました。
そして、話終わった菊池が2人の方を振り向くも、いるはずの2人がいなく、2人が束の間の休憩みたいになってたのも実に面白い。
菊池曰く「サウナに入って元気になった顔」くらいにぴんぴんしてる鈴野、そして、対照的にすごい汗の菊池。フロントマン2人の差。
後半戦、1曲目は『Spiral』、そして『closing』でまた一気に加速し、そして、穏やかになるかと見せかけて、メロディアスな『TONIGHT』。
『TONIGHT』終わり、菊池「あの、『Spiral』の前に(フロアを指差して)そのあたりで後ろ向きで指ハートしてたやついたよね?やめて、引きずるから(笑)」。
そして、まだまだ曲を畳み掛ける。
『ZINNIA』でのシンガロング、『Rotation』でフロアの真ん中にサークルができるのもこの2〜3年では見れなかった光景。そして『Across the fanfare』でまたフロアがカオスな様相を呈し、『Hand in hand』と勢いを落とすことなく続く。
『Hand in hand』演奏後、すかさず鈴野が「良い!すごい良い!本当に名古屋に来て良かった!」と言っていたのがとても印象的である。演奏中もとにかくフロアをステージ前のめりで見たりしている鈴野のこの一言は、この日の会場全体の雰囲気の良さを象徴していたかのようだ。
続けて鈴野が話す。
「久しくライブもしてなかったし、演りたい曲も沢山ある。対バンだと演れる曲数も限られる。だから今年はワンマンをいくつかやろうと思っている。だけど、俺らには仲間もいる。だから仲間ともやる。だから対バンもやる。結局、みんなどっちも来てくれ!」
コロナ禍、ほぼ化石となっていたバンドの動きがこうしてまた動き出し、今年こうして活動していく旨を直接メンバーの口から聞けるのは、本当に嬉しいことである。自分の地元に来て欲しい気持ちは勿論だが、こうして好きなバンドが動いていることの嬉しさたるや。
鈴野の「音楽を楽しもう!」の一言からライブは最終ブロックに突入。まずは、まさにタイトルが「音楽」そのものである『MUSIC』。そして、菊池の弾き語りから始まるは勿論『Dear my songs』。あれだけいたダイバーがぴたっと止まり、フロア全体拳を突き上げて合唱するその光景、まさに感無量とはこのことだろう。続く『S.O.G』で再び狂ったようにダイバーの数も戻り、そのままの勢いでラスト『All right all wrong』になだれ込む様はまさに最高の一言に尽きる。
本編が終わり、鳴り止まないワンモアコールに、すぐメンバーがステージに戻ってくる。
寺本「先ほどのMCにもあったように、今年OVER ARM THROWは20周年ということで、色んな場所でワンマンをいくつかやろうと考えております。次回はもう決まっておりまして、5月に仙台でやります。」
と次回のワンマンの発表(日付、会場は未定)という嬉しいアナウンスも飛び出した。
そして演奏された『in Bloom』はどこかアンコール1曲目に相応しい空気感があった。
と思ったのも束の間、正真正銘ラストの曲『Dessert window』では、再びカオスなフロアに。個人的にこの曲大好きなのだが、この曲のイントロで盛り上がらないわけがない。
演奏後、メンバーが捌けた後も、暫くワンモアのコールが止むことはなかった。
最後に、個人的な話をひとつ。最近、SNSを見ていてモッシュがどうこう、ダイブがどうこう、書いてるのを目にすることが多かった。
この日のフロアはそれらに対するアンサーのような光景だったと思う。この日のフロアの光景を見てもらえば全て完結するなあ、そう感じた。
あと、上から目線みたいで申し訳ないですが、この日のセキュリティの人の塩梅が美味すぎたなあと。
そういった所も含め、ライブってその場いる人皆でつくっていくものなのだなあと改めて感じた。
ライブハウス最高。
OAT最高。