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2022.08.29 at 下北沢 CLUB Que / KOTORI ONEMAN SERIES "GORILLA"

ようやく見れた、初のKOTORI。
自分にとって最初のKOTORIとしては、少し余韻が残り過ぎる、そんな気さえする強烈なライブだった。

不定期に行っている、このONEMAN SERIES "GORILLA"。2月、3月、7月、そして今回の8月で4回目のこの企画。来月には5回目の"GORILLA"が控えている。

会場はいずれも下北沢にあるライブハウス。これは、恐らくKOTORIが以前から"TORI ROCK FESTIVAL"というサーキットイベントを下北沢でやっていたから故であろう。

MCで横山優也(Vo,Gt)が言っていたが、ツアーでもなく、イベントでもなく、やりたい時にやれる企画、それがこの"GORILLA"らしい。
今後も不定期に行っていくことをMCでも匂わせていた。

この日、4回目の"GORILLA"のハコは、下北沢CLUB Que。
MCで触れていたが、意外にも、KOTORIがこのハコでライブをするのは初らしい。

調べると、Queの通常時のキャパは280人程。この規模感のハコで、パンパンに近い、それこそ通常時に近いくらい人の入ったフロアを見て、始まる前からどこか感傷に浸ってしまった。未だ終息の見えないコロナ禍だけど、一歩ずつ以前の姿を取り戻しつつあることは、事実として記しておきたい。

地下二階にある故、ネット接続がうまくいかないせいか、入場が押したのもあり、定格を10分ほど過ぎ、客電もついたままの中、メンバーが下手からステージに現れ、ライブが始まる。

1曲目の『4号線』、続く『海』と夏の終わりを示す曲が並び、続く『シャンプー』は、歌詞がストレートなラブソングだが、この流れからか、どこか今の季節に響く、そんな気さえする。

MCを挟み、『さよなら』『ジャズマスター』『1995』と続く。リリースのタイミングでもなんでもない、こういう単発(といってもすっかりシリーズ化されているが)の企画は、こういった、アルバムに捉われないセトリの選曲の部分に表れる良さもひとつある、と個人的には思っている。
『1995』は、時代を超え、未来、世界をも変えていけ、という歌詞が、昔の曲ながらも今のバンドの意思表示にも聴こえる。

「夏が終わってくの寂しいですね。外が少し涼しく感じたりとか。......まあ、俺はこの季節あまり好きじゃないですけど。」

どこか皮肉にも聞こえる横山のMCだが、それも会場の暖かい雰囲気故であろう。

『ラブソング』では、スローな曲の展開の中で細川千弘(Dr)の力強いドラミングがとても印象的だ。そして、それをしっかり支えるように佐藤知己(Ba)の存在感も確かなものである。続く『夏が終われば』もこの時期ならではの選曲だろう。

続く『オリオン』の歌い出し、「雪が降るのがあんなに嬉しかったのに」。KOTORIは、埼玉県は越谷市で結成されたバンドである。言い換えるならば、雪のない地域で結成されたバンド。道民である自分は、雪が降ることに嬉しいという感情を持つこと自体が希薄なので、この歌い出しにどこか反応してしまう。冬の寒さが身に染みるような、ライブで聴く『オリオン』はどこかそんな染み方が自分にはあった。そのあとは、季節が巡るように、『春一番』が続いた。

大名曲『トーキョーナイトダイブ』は、どこか切ないイントロのアルペジオが、また会場の雰囲気を一変させてゆく。
全然走ったことないけど、この曲を聴きながら、夜に首都高を車で走ってみたい。東京タワーにむかって。

3ヶ月連続リリースの第三弾「こころ」が来月リリースされるが、今日は練習してないので、やらない旨がMCで伝えられる。やらんのかい。
(因みにリリース日がちょうど5回目の"GORILLA"で、その時は演ると言っていた。)
話は、その第二弾の「ツバメ」のPVの話に移る。

「史上初の快挙じゃないですか、PV全部ドローンで押し通すの。」

「前回の"GORILLA"(2022.07.19 at 下北沢・近松)の打ち上げの後、そのまま撮影行ったからね。出演時間5秒ですって言われて…」

と、横山が話した後に、上坂仁志(Gt)も、

「酒飲んだ後だったからね、顔パンパンだったけど、映像が引きだから良かった」

と付け加え、笑いを誘う。

そんなMCの後に演奏された『ツバメ』だったが、曲が始まれば、その演奏のスケールはPVそのまま、いや、それを超える壮大さに満ちていた。

『ツバメ』のあとに、『羽』、『unity』の連投に会場の一体感もひとしおである。曲が終わったあとに、横山が「ユナイトしてたね」と言っていたのが、確かな証拠だと思う。

続く『Anywhere』は、メンバー曰く「Queっぽい」という理由での選曲。どこか幻想的なメロディーと長いアウトロの鳴り響く轟音が気持ちいい。
Zeppのような大きなハコでも絶対似合うであろう。
鳴りが気持ちいい様が想像できてしまう。

続くMCでは、ハコの話になる。
前述したが、Queでのライブが初めてのこと、スタッフさんがKOTORIのTシャツを着てくれてる人が一人でなく、二人もいて、そのうちの一人は2枚持ってて、途中着替えてたことなど、ほっこりしたエピソードがまた良い。

『RED』からライブはラストスパートに入る。だんだんとテンポが加速していく曲の終盤、細川の叩くビートは次第に音源よりも更に早く、そして、「泣きそうになるくらい」と横山が歌った時、そこには、エモーショナルが爆発していた。また、ギターソロも非常に、エモさそのままのプレイが良い。エモーショナルさそのままに、『EVERGREEN』『素晴らしい世界』と演奏が途切れることなく続く。『素晴らしい世界』の時の一体感はもう言わずもがな。まさに、今、ここが素晴らしい世界そのものだ。

まだ終わらない。

ここで、昨年出したアルバムのタイトル曲『We Are The Future』が鳴らされる。

「We are the music
 We are the future
 この声よどこまでも」

そう歌い上げる横山の歌と、曲の持つ圧倒的なスケール感がさっきまでとは、また違った、でも確かなエモーショナルさが生まれていた。そのまま、最後に『光』を演奏に、本編は終わった。

程なくして、アンコール、まず佐藤が一人戻ってきて、続くように残りのメンバーもステージに戻ってくる。

ビールで乾杯をし、「ビールの曲演ります」と言って始まった『GOLD』。切ないギターリフから、曲が一気に加速していく。

「ありがとうございました、KOTORIでした。」

最後は『遠き山に陽は落ちて』で会場を完全に掌握し、バンドは演奏を終えた。


終わった後に飲んだビールが、一層美味かった。


最後に、自分がKOTORIに出会った動画を下に載せておきます。最高なので。


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KOTORI ONEMAN SERIES "GORILLA"
2022.08.28 下北沢 CLUB Que

1 4号線
2 海
3 シャンプー
4 さよなら
5 ジャズマスター
6 1995
7 ラブソング
8 夏が終われば
9 オリオン
10 春一番
11 トーキョーナイトダイブ
12 ふたり
13 ツバメ
14 羽
15 unity
16 Anywhere
17 RED
18 EVERGREEN
19 素晴らしい世界
20 We Are The Future
21 光
Encore
22 GOLD
23 遠き山に陽は落ちて

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