公務員「小論文弁当」
■小論文テストは、弁当づくりです。
制限時間内に、規定の文字数で、設問が求める内容を仕上げる必要があります。朝のせわしない弁当づくりに似ています。限られた時間で、数品のオカズと適量のゴハンを弁当箱に詰めなければなりません。けれど、時として、脳の冷蔵庫に食材が何もないことがあります。書くことが、何も浮かばないと焦ります。
■そんな時は、「ヒモノカシテジョージ」です。
■「ヒモノカシテジョージ」とは?
ヒ(人)、モノ(物)、カ(金)、シ(仕組み)、テ(テクノロジー)、ジョー(情報)、ジ(時間)という視点から解決策を探る方法です。小論文で問題解決型の設問が出された時、この方法で考えると書く内容が思い浮かびます。それらを食材として活用することで、「小論文弁当」を作ることができます。
■「ヒモノカシテジョージ」で、小論文を構成してみる。
設問 「この課題」について自治体はどう取り組むべきか、あなたの考えを述べなさい。
①「この課題」とは、こういうことだ。(問題点を説明)
②その背景は、こういうことだ。(原因・現状なども分かっていれば書く)
③自治体は「この課題」に、以下のように「人」、「物」、「金」、「仕組み」、「テクノロジー」、「情報」、「時間」を活用し、(それらをうまく組み合わせて)取り組むべきだ。
④「人」に関して考えるべきなのは、人々の意識や行動をどう変えるか、人手不足の解消、人材の活用・育成、人と人とのコミュニケーションなど。
「物」については、施設や設備、道具の活用。
「金」については、賃金アップ、補助金の活用、予算のやりくりなど。
「仕組み」については、法律や制度の整備・活用、新しいシステムやルール作り。
「テクノロジー」については、技術の開発、ITやAIの活用。
「情報」については、収集(成功事例や失敗事例)・共有(ネットワーク作り)、発信(普及・啓もう)。
「時間」については、早急に行うべきか、段階的に進めるか、優先順位をつけるか。
⑤このように取り組むことが、「この課題」の解決につながっていくと、わたしは考える。
※この構成は、設問が問題解決型(対応型)だった場合、どんな問題にも使えるので、便利です。ただし、模範解答例ではありません。不合格にならない程度に、何か書けることを第一の目標にしています。取りあえず、弁当箱に適量のゴハンと数品のオカズを詰めることが大事です。「付加価値」とか「相乗効果」といった言葉は、タマゴ焼きやウインナーのようにいろんな弁当に登場します。その方が覚えるのが楽だし、構成しやすいし、考え方も身に付くはずです。
■そもそも小論文とは?
公務員試験の小論文は、「どうやったら社会の幸せを増やし、不幸を減らせるか」を書きます。全体の奉仕者として、たくさんの人達のQOL(クオリティ・オブ・ライフ:生活の質)をどう調整するかが課題です。
■「小論文弁当」のアドバンテージ。
①「ヒモノカシテジョージ」を基に構成しているので覚えやすいです。書く内容も浮かびやすい。
②人、物、金、仕組み、テクノロジー、情報、時間をいかに活用するかという考え方は、あらゆる課題の取り組みに使えます。公務員試験では集団面接を課す自治体も多いようですが、この考え方はディベートにも使えます。「わたしはこの問題については、人、物、金、そして情報をいかに組み合わせるかが重要だと思います」などと言って、時間を稼ぐこともできます。
③上記の内容を小論文に書くことで、文字数を稼ぐことも可能です。
④すべての小論文弁当にレシピ(調理の流れ)を載せています。構成がしやすくなります。
⑤検索用のワードも載せるようにしました。
※「地方公務員の役割」、「自治体のIT化」、「食料自給率」、「防災」、「公園の騒音問題」、「ふるさと納税」についての解答例は「有料記事でしたが、無料公開します」の記事をご覧ください。(2024年5月)
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