見出し画像

4.格差社会に自治体はどう取り組むべきか。(1200~1500字相当)

格差とは、社会のある分野において人々が階層に分断され、その分断が固定化されている状況を指す。今日のわが国では、所得格差、雇用格差、教育格差、地域格差など様々な格差が問題となっている。その背景にあるのは非正規雇用の増加、低所得高齢者の増加、コロナ禍での雇い止めやサービス産業の低迷だ。また、少子化による経済規模の縮小は行政に財政難をもたらし、それが福祉予算カットや担当職員不足につながっている。では、自治体はこうした状況にどのように対応するべきだろうか。わたしは、人、物、金、仕組みを効果的に組み合わせ、付加価値や相乗効果を生む施策を作り出すことが重要だと考える。たとえば人に関してだが、自治体においては、生活支援の制度や自治体の関連部署に精通した専門スタッフの育成が不可欠だ。格差の問題とは結局のところ、生活困窮者をいかに支援するかという問題に他ならない。支援を必要とするのは失業者、要介護者、ひきこもり、ネットカフェ生活者、ヤングケアラーなど実にさまざまだ。支援の方法も支援金の給付から、住宅提供、自立支援、生活相談など多岐にわたる。より少ない職員で質の高いサービスを提供するには、個々の要支援者に対する最適なサポートを迅速に見極め、関連部署とスムーズに連携することが求められる、たとえば子供の進学に際して制服を新調する余裕がない家庭がある場合、それを自治体の制服リサイクル事業と結びつければ、省予算も実現できるはずだ。また、ある自治体は教育格差への対応策として、スタディクーポン制度を取り入れている。この仕組みは、公的な支援金や、企業や個人からの寄付金でクーポン券を作り、支援を必要とする子供達に配布して、提携する学習塾などの受講料に使うというものだ。これなどは人、金、物をうまく活用した取り組みと言えるだろう。また、ある自治体はシングルマザーを対象として移住支援制度を設けている。これはその自治体内で介護職に就くことを条件に養育費補助、家賃補助を行うというものだ。こうした仕組みは雇用格差や地域格差の解消だけでなく、少子化、高齢化問題の対応策としても機能していると言えるだろう。格差が生み出す様々な問題において自治体に求められるのは、国のセーフティネットより、さらに細やかな網目の救済策だ。時にはその制度の狭間にいる人をも救うことができるよう、自治体の組織内だけでなく、民生委員やボランティアといった民間のスタッフとの密な連携も常日頃から心がけておくべきだと考える。(1036字)制作2022.11/2

※文字数を減らすなら、冒頭の1行は不要。

※文字数を増やしたいなら、人、物、金、仕組みに、「情報」も加え、たとえば以下のような文章を足す。

情報に関わる仕組みとしては、たとえば自治体による、Iターン・Uターン就職希望者と地元企業とのマッチングをあげることができる。今日では、雇用専用サイトの開設やツイッターなどを活用する自治体も見られるが、より積極的な情報発信が効果的だ。さらにテレワークなどの情報通信設備を整えれば、事業所や企業の誘致、ひいては地域経済の活性化による財源の増加も期待できる。

小論文弁当レシピ(調理の流れ)
①今日の日本では、所得格差、雇用格差、教育格差など様々な格差が問題となっている。
②その背景には非正規雇用の増加、低所得高齢者の増加などがある。また少子化による財源不足は、自治体に福祉予算や職員の不足をもたらしている。
③こうした現状に対し、自治体は人、物、金、仕組み、(情報)を活用し、工夫された施策を作っていくべきだ。まず人に関わる取り組みとしては、支援制度や関連部署を熟知した専門スタッフの育成が望まれる。また他の取り組み事例としては、スタディクーポン制度やシングルマザーの移住支援などがある。
④自治体が取り組むべきは、制度の狭間にいる人も救えるセーフティネットだ。そのためには自治体内だけでなく、民間との連携も密にしておくべきだ。

いいなと思ったら応援しよう!