ウィンメディックス白木茂社長の講演
昨日は、友人に誘われて、Win-Medics社の白木茂社長の講演を聞きに行きました。銀座ブロッサムという銀座2丁目の15番地という銀座のはずれの結婚式場で講演会がありました。大きなホールを借りていたので、4分の1も埋まってなかったのではないかと思います。
さて、白木茂社長の講演ですが、製薬企業はガンを治す薬を出さない、治ったら困るから、との話がありました。
これはちょっとおかしいな、と思いました。なぜなら、製薬企業は確かにあまりガン治療薬を開発したくないようです。しかし、それは、ガンが治ったら困るからではなく、全く逆に、治らない(亡くなってしまう)からやりたくないのです。
というのも、ガンの場合、最終的に亡くなることも多く、亡くなってしまったら、その人はもう抗がん剤を必要としません。ということは、抗がん剤は1回か、多くても数回の入院にしか使えず、それほど量が出ないわけです。
儲かる医薬としては、毎年莫大な額売れる風邪薬や、糖尿病薬、高脂血剤、透析液など、いわゆる生活習慣病であれば生きている限り使い続けますから、長く儲かるわけです。つまり、長く使い続けてくれる薬の方が儲かるわけです。
しかしながら、ガンの場合は、半年とか1年で亡くなってしまうこともあり、儲からないので、製薬企業は本心では、儲かる生活習慣病薬を開発して、数千億円、数兆円の売上をあげたいわけです。抗がん剤はこれよりは市場が小さくなります。
また、白木茂社長は、ガン細胞だけを殺すヨウ素コロイドを開発した、と言っていました。そして、すぐにも製造承認が得られるようなことを言っていました。
しかしながら、特許を調べてみても、ウィンメディックスからヨウ素コロイドの特許は出ていません。
通常、医薬品の場合は、前臨床の段階で特許出願をして、それから、臨床試験のフェーズI、フェーズII、フェーズIIIと進んでいきます。それには、日本の場合、10年以上かかることも多いです。これらが終わって初めて製造承認がされ、薬価が決まり販売できます。
ですから、ヨウ素コロイドが新薬であれば、10年以上前に特許出願がされていなければおかしいのですが、まだ公開されている特許には見当たりません。公開されるまでには、出願から1年半かかりますから、今から1年半より後に出願しているのかも知れませんが。
さらに、ガンに効くというデータもほとんど示しませんでした。シャーレの裏側から見た写真だけ出していましたが、がん細胞の増殖パターンには見えませんでした。
気になってネットでも調べてみたのですが、どうも、未公開株詐欺、という疑いがあるようです。
通常、医薬ベンチャーの場合、臨床試験に莫大な資金が必要ですから、株式公開して資金調達をします。しかしながら、臨床試験をしているはずなのに、ウィンメディックス社は株式公開しないそうです。
さらにおかしいのは、名古屋の老婦人が60億円を出資したので、配当金が1株あたり16万円入る、というのをセミナーで話していたそうですが、株主総会後になりそう、という話です。株主総会もいつ開催されるか不明で、4月、と聞いていたのが5月に延び、さらに開催されるかどうかも不明、というネットの書き込みもあります。
昨年末までは、1株5万円で買えたそうなので、5万円で買って、配当が16万円なら大儲けですね。しかし、それも本当かどうか、いつ株主総会が開催されるかも不明のようです。
これらを考え合わせると、不明確な要素が多すぎて、投資する気にはなれませんでした。
せめて、特許や論文のデータできちんと説明して欲しかったです。