ドラゴン桜2 親を失望させたくない娘、息子

親の期待に応えて褒められたい、と子供は思います。これはいわば生存本能でしょう。だから、親を失望させたくない、という気持ちはほとんどの子供にあると思います。親を失望させたことで自分を責める子もいます。

例えば、テストで悪い点数を取って、親があからさまにがっかりした顔をしたら、子供も傷つきます。子供によっては、その後勉強をする気がなくなることもあります。特に親が好きで尊敬している子ほど。

だから、親は、子供の成績が悪くても、子供の前でがっかりすべきではない、と思っています。

今回のドラゴン桜は、岩崎楓(平手友梨奈)が、両親を失望させたくないから、(本当はやりたくないけど)父親が探してきた実業団の練習を夏休みにやることにしていました。インターハイに膝の故障で出れなかったので、さらに親を失望させたくない、と岩崎楓は考えたようです。

親を失望させないために、あるいは、怒られるのが怖くて、本当に言いたいことを言えず、やりたいことをやれない子供も多いと思います。

岩崎楓は、東大専科に入っていることを両親に言えず、そのために、夏休みに実業団でのトレーニングを入れられてしまいました。

常識的に考えて、膝を故障している選手に膝に負担のかかる練習を1日中やらせる、というのはおかしいですけど。

そういう状況を知って、桜木建二は、親はモンスターだ、親と縁を切る覚悟で説得しろ、と楓に言います。

楓が昼間トレーニング、夜は勉強で疲れて倒れて病院にかつぎこまれたことで、両親が病院にかけつけます。そこで楓はユニシスのトレーニングには行かない、東大に行く、といいます。

父親は怒って楓にビンタをします。それでもひるまず楓は、「私、東大に行く、東大に行ってオリンピックにも行って、スポーツ医学を専攻して一生バドミントンと関わっていたい、応援して下さい」と両親に向かって深々と頭を下げます。

子供が本当にやりたい、やらせてくれ、と親子の縁を切る覚悟で親に頭を下げたら、どんな親もやらさない、とは言えないと思います。

ただ、ここまで言わないと親がわかってくれない、のは情けないし、子供はそれをわかっていないことが多いと思います。

親は親で、こうするのが子供にとって幸せ、と勝手に自分の価値観で判断して勝手に手配をしてしまったりします。それが迷惑であることも考えず。

それをはっきりと、断る姿勢と、自分がやりたいことを親に対してきちんと伝えることの2つが子供が親に縛られずに、自分の人生を生きるのに必要だな、と思いました。

ただ、そのためには、自分の人生に責任を持つ必要があります。親のいうとおりにやれば親の責任ですが、親の反対を押し切って自分のやりたいことをやれば、全部自分が責任を負わなければなりません。

劣等生や普通の才能の子供が、それでも「やる」と言い切れるだけの自信が持てるかどうか・・・

岩崎楓は、東大とバドミントンを両立できます、と言い切り、だから応援して下さい!と言いました。これを言い切って、しかも実行が伴えば親もいずれは応援に回るでしょう。

岩崎楓はインターハイで優勝できるエースだったから、自分に自信があってその言葉を言えましたが、絶対に東大に受かるから、高校でも部活もやらせてくれ、と言い切れる子供がどの位いるでしょう?

自分から、部活をやっていたら東大は無理だと思うから、やっぱり止めとく、という生徒も多い気がします。

必ず両立するからやらしてくれ、と親に宣言するには、よほどの覚悟と自信が必要でしょう。

しかし、子供がそれを言って、本当にやりたいことをやるのが本来のあるべき姿だと思います。そういう意味では、今回のドラゴン桜2はとても良かったです。

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