華8戦記

2022/11/3 華8 +9k

 この日は祝日だったので、平日の昼なのに成人男性が雀荘に四人集まった。皆暇すぎ。
メンツは医学部メンバーのK君と塾講師のI君とH君
俺は華8は何度もこっぴどく負けて引退したのでを行かせた。
皆んなは俺と弟が瓜二つなせいで全く気づいてないが、俺は引退するたびに弟を代わりに行かせている。

兄の勝負を預かった身として負けられない1戦。
勝つためにステーキを食い、状態を上げていった。

状態をあげ、心技体の充実を感じながら挑んだ一本目。

俺はチップおかわりをした。

え?このゲーム70枚もちスタートよ?
一枚100ptだからラスと合わせて約1万pt無くなった事になる。
結局俺。卓の養分。広島5等は俺のおかげで成り立ってますはいはい
色んな言葉が俺の脳裏で渦巻いていた。
当然そんな状態で勝てるはずもなく、ずっと払いの2着。

もうダメだ、走って逃げようと思案し始めた時、神風が吹いた。
配牌に冬冬あるじゃん!

形もまずまずだった。この手が簡単に進み、6巡目にはこの形だった。

相当十分形だけど問題は3sをどこまで引っ張るか。既に仕掛けも一つはいっており、6巡目と節目を迎えていた。
でも俺は知っている。こういうチャンス手は賢ぶった先切りはいい結果を産まないし、3人は腹を括ったほうがいいのだ。
俺はデータじゃなく覚悟と気合いで麻雀を打っている。

結局この手は2pが入り、店中に響くように「シュババババ!!」と発声した。


そして3巡後にはあっけなく5sをツモ。
ただまだ焦ってはならない。冬冬はここからが勝負。
俺は祈るようにラシャに牌をこすりつけ、そっと引きヅモをした。
そこには5pがいた。俺は泣いた。
耐え難きを耐え、忍び難きを忍んだ俺に女神が微笑んだ。
9s、西、西、1p、華、7pと捲れていき
42枚 42枚 40枚が炸裂した。(読み方はよによによじゅ)
こんな真っ黒な手牌で12kの上がりになるんだからこのゲームは狂ってるよ。

この上がりで完全に場を支配した俺は二人に合計140枚を貸しつけ、上がりを量産し、パックスベネッセ時代を築いた。

だがこの繁栄の時代は長くは続かなかった。H君の台頭である。
H君は東京の場末で育ち、そこで培った煽りと経験を軸に戦う流れの綱引きに長けた男だ。
H君は巧みな仕掛けとリーチで流れをうまくものにし、8万点トップを連発し、わずか5ゲームで200枚チップを貸し、全員をマイナスに叩き落とした。
俺とH君は歳が二回りくらい違うのだが、俺はH君にきんもとキモいしか言わなかった。
流石に流れが悪いと思ったのかI君はご飯に行くことを提案してきた。
俺とK君は瞬時にその意図を汲み、提案に乗っかった。
打てる(ぶてる)男たちだね。

飯で流れを切ったI君は更にダメ押しの席替えを提案してきた。
俺はI君に戦慄した。
一歩間違えればダーティプレイとして非難されてもおかしくない飯からの席替え。
そのリスクを取るときめたI君の覚悟に俺は気圧されたのだ。
男の覚悟を汲み取った俺は席替えのために東南西北をつかみシャッフルした
I君の執念の席替えの結果は、H君が東をつかみ、俺たちは元の座順のままだった。
つまり何も変わらなかった。
場末育ちのH君に付け焼き刃の席替えなんて通るはずもなかった。
俺たちはこの後に起きるであろう最悪を考えながら元の席に着いた。

この賭けに負けた俺たちは当然刺さり、Hくんはまた噴き出した。
飯を食った分倍噴いていた。
4巡目シュバ数え役満
ジュンカラポッチツモ
即白ぽっち
アメチー
配牌4北585820
など5等でできることを全てやってきた。
俺たちは皆20~30kづつ負けていた。
思い出してほしいのだがこれは0,1である。

俺は事態の収拾のために二度目の席替えを提案した。
二度目の席替えはハイリスクハイリターンだ。
負けたら全てを失う。
だが3人は腹を括ったほうが勝つのだ。
俺の覚悟が天に通じ、東を取る事に成功した。
そしてH君を一番刺さっている席に送ることに成功した。

これがきっかけで平運に戻り、チップを160枚ほど貸し付けなんとかプラスで終われた。
ちなみにその間にH君は600枚貸し付けていた。キモすぎ。

書いていて思ったのだが12時間セットをすると牌姿なんて覚えてないし印象的なやつは写真撮っといたほうがいいかもしれない。次華8があるときは淡々とでかい上がりだけ載せる感じにしてみようかな。



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