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閻魔羅闍-ENMA THE GREAT Chapter1

はじめまして。

いつもおつかれ様です。

私は、小閻魔と申します。

閻魔大王じゃないのかとお気になされた方もいらっしゃると思います。

大変申し訳ございません。

閻魔大王様は現在、外出なされています。

今、閻魔大王様は探し物をしており、不在です。

閻魔大王様がわざわざなぜ、
とお考えの方がいらっしゃると思いますが、

閻魔大王様は…。

その説明をします。

この頃、
地獄に堕ちるものといえば人間ではありません。

鬼や、砂糖とか、銃とかです。

人間を殺した者達が来ていた数時代前では、

あまりにも多忙で、

一人ひとりの罪を裁くのに
膨大な時間がかかっておりました。

そこで、地獄に来る者の基準を変更致しました。

人間の数や、怨念の数、
地獄へどれほどいきたくないか
その者の事情など、

考えればキリがありません。

焔鬼5年、人間に関しては私、小閻魔のみが扱い、

閻魔大王様は人間を扱わなくなりました。

人間を扱う小閻魔の私は、
少しでも失礼のないよう日本語を覚えました。

日本発祥の地獄ですので、
手間がかかりますが、
日本語が共通語ということになります。

気になる閻魔大王様ですが、
人間は扱いませんので、
最初は槍、そして銃などさまざまなものを扱いました。

ただ、最近来たとされる砂糖が大変で。

なにぶん砂糖は小さいので、

見つかる気配がないのだとか。

最初は匂いの鋭い狛狗(いぬ)を遣ったのですが
帰ってくることがなく。

この地獄は無限に広いのですが、

どこからでも、閻魔大王様と私小閻魔の場所に
辿り着くことができます。

全ての箇所に看板がついており、

必ず目的地には辿り着けます。

身体が有ればの話ですが。

まあ、何しろ鬼に聞けば案内をしてくださります。

ですが、砂糖は意志を持たないので、
こちらに来ることはおろか、鬼にも聞けません。

ですので、こちらから探しに行くしかないのです。

地獄法典には、いかなるものも地獄に来たものは裁かれなくてはならない。

とあります。

砂糖は、人間を大変殺していると聞きます。

それを私が閻魔大王様に伝えたところ、

そんな物騒なやつは放っておけないというのです。

ましてや、意思のある者の動きは掴めます。

しかし、砂糖は意志がないため、
掴みどころがありません。

掴めるほどの大きさでもないというから
大変恐ろしいということです。

私は、人間が現在地獄に来ることが減りましたので、

たった3人の人間にしか砂糖の
恐ろしさを聞いておりません。

1人は砂糖は大量に人を殺してきたというのです。

1人は砂糖を甘いものだというのです。

1人は砂糖は白く、小さくて見えないというのです。

1人の砂糖は真実なのです。

本当に砂糖を地獄に送ったと連絡をいただきましたので。だとしますと。

1人目が真実であるならば、2人目は嘘です。

なぜなら、

そんなに人を殺しているものが、
甘いはずがないのです。

甘く見れば、こちらが危ういからです。

3人目は真実とも、嘘とも言えません。

なぜなら見えないものですから。

見えないものであれば真実ですが、

見つけなければ、いつまでも嘘のままなのです。

しかし、驚くことに

3人とも舌を抜かれなかったのです。

つまり、
3人とも真実を言っているの可能性が極めて高いのです。

しかし、それも悪魔でも(閻魔ですが)可能性です。

もしかしたら…。

3人の話を私が閻魔大王様に話すと、
大層喜びました。

その後、先ほどの言葉ですが、

そんな物騒なやつは放っておけないといいました。

閻魔大王様は持て余していた時間を

砂糖探しに使うのです。

砂糖退治です。

閻魔大王様がやられることは
閻魔大王に誓ってあり得ませんが、
その閻魔大王様がおられない今。

大変心苦しいのです…。

それでは、ひとまずこれで失礼致します。

お、何やら久しぶりに人間が来ましたね。

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にんげんってWinner
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