【第9CP→(第10CP)?】まだゴールする覚悟ができてない

記事初回入稿日:2009.08.26
最終改訂日:2019.08.04

2009年6月28日(日)
5:02 第9CP到着

到着したら、既にここに着いていた事務局長の雄二さんがいらっしゃいましたので、一緒に記念撮影。

ドロンボー一味も加わって、もう一度記念撮影。

第9CP。

このCPこそ、この大会の最後のCPです。

泣いても笑っても、ここが最後の休憩所。ここを出発したら、残すはゴールのみです。

前述しましたが、私はあと少しで自らの徒歩参加が終わることに関して、寂しい気持ちでいっぱいでした。

ずっとと言うわけではないですが、あともう少しだけ、コースが伸びていればいいのにと感じていました。こう思う人も、なかなかいないでしょう。

ゴールまで、あと5km程度。あと5km程度で、この大会も終わります。5kmというと、歩いて1時間程度でしょう。ギリギリまで、このCPに滞在しようと思いました。

そこでまずは、もうかなり眠くなってきていたので、根津さんには申し訳ないと思いながら、睡眠をとることにしました。ドロンジョ様もひと眠りされるそうです。

根津さんは、知人が多数来ているということで、そのまま起きているということでした。

さて眠りに着こうとテントに向かった時、先程写真を一緒に撮った、事務局長の雄二さんが出発しようとしていました。そして隣には、まだ結ばれたばかりの奥様。

奥様は、第4CPあたりでコースを終了していた(もともとその予定だった)のですが、最終CPからゴールまでの間、

「一緒に歩いていっても良いですか?」

と、最愛のパートナーと一緒にゴールを迎えたいと願ったのです。そして2人、声援に包まれながら第9CPを後にしたのです。

結果からいうと、自分にとってこのシーンが、今回一番「感動」できたところでした。とてもいい気分で最後の睡眠をとることができます。見られる夢は、良い夢に違いないでしょう。

テントに向かい、そこにいたのは第5CPでお世話になった仲の良い会社のKさんをはじめ、顔馴染みの面々でした。ただし、もう残すはほんの僅か。マッサージをしていただくよりも、その分長い睡眠をとりたかったので、すぐに床に着いて寝てしまいました。

………………少し睡眠をして…………………

5:50ごろ、携帯のアラームで起床しました。

少しだけではありましたが熟睡できた気がしましたので、スッキリとした目覚めでした。とりあえずずっと待たせている根津さんの元へ行きます。

そこで待ち受けていたのは、、、

「ニーコチーンとーりたーい」

くまのプーさんでした。喫煙所で一服していました。

ネタバレかもしれませんが、「プーさんに変身する」という話は実は相当前から出ていた話で、少しばかり調達に手間がかかってしまったようですが、無事に間に合いました。

少しばかり根津さんとこれからのプランについて話していると、ドロンジョ様も起床されました。この時の時間は6時くらいと、頃合いも良かったです。

本当は一番最後にゴールを目論んでもいましたが、まだ後ろに何人かいらっしゃることがわかりましたので、その方々の邪魔にならぬよう、そろそろ出発することとしました。

ここの出発の際には儀式があるようで、「エイ・エイ・オー!」という掛け声とともに出発するしきたりだそうです。

極悪集団ドロンボー一味は、いたって爽やかな顔つきで、最後のCP・第9CPを後にしました。

出発した時間は6:10ごろ。3:30には日も昇ってきたここは、既に結構気温が高くなってきていました。

木漏れ日が心地よい道路。

気温が高くなってきたので、プーさんは化けの皮を剥がしてしまいました。かなり蒸れるそうです。

途中、徒歩参加の方が1人歩いていました。僭越ながら、「ゴールでお会いしましょう!」とご挨拶をして、先に行かせていただくことにしました。我々が一緒だと、かえってご迷惑をおかけしてしまうからです。いろいろな意味で。

少し進むと信号があり、右側を見てみると、国道から200m程度奥まったところにあるJR川湯温泉駅があります。

そして2つ目の信号が見えると、今度は左折です。交差点を曲がるのも、これを含めて、残すところあと2つです。

ここから先は、絶景が広がります。硫黄山が左手に聳え、左右には白つつじが咲き誇り、まさにフィナーレに相応しい道です。これが、人によっては「天国」に見えたり「地獄」に見えたりするそうですから不思議です。

この日もいつもと変わらず煙を出し続ける硫黄山。硫黄の香りも漂ってきます。

少し進むと、緩い右カーブがあります。これを曲がった後に広がるのは、天国か地獄か、果てしない直線です。

過去の参加者は言いました。「この直線こそ、最後の試練。最後の最後で地獄を見た。」

それを聞いていた私は、75kmを歩いた後に見るこの直線はどれほどに恐ろしいものなのだろうかと、かなり期待していました。

しかし実際には、ドロンボー一味の素敵なトークの前に「地獄」という場所は私の目の前に現れることはありませんでした。天気が良いというのも一因かもしれませんが、非常に清々しい気分で歩いていきます。

カーブを曲がってから少し歩くと、白つつじの観察用のためか、非常駐車帯のようなものがあります。ここの窪みで少し休むことにしました。まだゴールするには早すぎます。

広がる白つつじ。近付いて見てみても綺麗。後ろに硫黄山。

この時、我々はゴールをどのように行うかを長い時間話し合っていました。

今の状態は、正直言って「ゴールを目指す」というよりも「硫黄山の近くを雑談しながら散歩している」と言った方が正しい状態でした。

そのため、いかにしてゴールにモチベーションを持っていくかが重要なテーマとなったのです。

詳細はここでは記載しませんが、いろいろと提案を出していきます。(私と根津さんの提案は、それはまあ素敵なものばかりでした。)

私の根津さんの話を聞きながら、まさかドロンジョ様は一切の嫌悪感を出すことなく笑顔で歩いていることについて、私は一層グループの結束力を感じました。さすがドロンジョ様は違います。

そのような形で歩いていると、決定打がないまま川湯の街中が見えてきてしまいました。

これはまずい!このままのテンションでゴールすることは決して許されない!

そう思った私は、ゴールへの中途半端なモチベーションへの応急策として、途中にあるセイコーマート(以下、セイコマ)を、さながら「第10CP」と見立てることで、ゴール保留の対応をすることにしました。

実際には、第10CPなんて存在しません。しかし、今の私には第10CPが必要でした。ないなら自分の手で作り出すしかありません。思い込むことこそが、自分のモチベーションを保つ唯一の手段でした。

いかに妄想力を高めることができるか、そのように意味では試練のスティントになったとも言えましょう。

セイコマに立ち寄る理由はいくつかあったので、まずは目標をセイコマにすることは、逃れようのない事実でした。

そうして川湯温泉の街中に入ります。

内弁慶な「歓迎」を味わえます。この看板、車だと結構見逃しがちなようで、何度もここの道を通っているのに、歩いていて初めて気付きました。

間もなく、勝手に決めた第10CPである、セイコマと「歓迎 イヌ踊り」の看板が見えてきます。

「歓迎 イヌ踊り」は、本当は「歓迎アイヌ踊り」と書いてあります。どちらにせよ、日本語的に面白いのは言うまでもありません。

アイヌ踊りが歓迎されているのか、謎は深まるばかりです。そもそも「アイヌ踊り」が何なのかわかりませんし、説明もありません。

それとも「アイヌ踊り」ではなく「イヌ踊り」になったという説は?それはそれで人気が出そうです。川湯では、あまり野良犬に遭遇しません。(飼い犬は何匹かいます)

※2017年時点で、残念ながら「歓迎 アイヌ踊り」の看板は撤去されてしまいました。これも今となっては、川湯温泉の味わい深い思い出のレガシーとなってしまったのです。
(2017/07/23追記)

ということで、7:17、エキストラCPである第10CPに到着しました。

大会の最終ゴールの時間まで、あと43分。どのようにしてここに滞在するかは、まずはトイレに行ってから考えたいと思います。

【(第10CP)?→ゴール】こんな我々にも暖かい拍手が につづく