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[跋語]フォールス・コンセンサス

【今回のあらすじ】
記録を書き終えた後の反省と、次回に向けての所感を書きました。

【前回までのあらすじ】
[ep.10]30時間の結末
グランドフィナーレを迎え、2023年大会は終了しました。

【メインテーマ】
100km歩こうよ大会 in 摩周・屈斜路の実行委員である私・便艦(べんかん)が「運営・サポートスタッフ」として、何をして何を感じたかを主観的に書き記すことを試してみるものです。


●運営・サポートの記録を終えて

今日は2023年9月24日です。7月1~2日に開催された「100km歩こうよ大会 in 摩周・屈斜路 2023」が終わってから3ヶ月弱が経ちました。各ep(エピソード)で引用していた「Twitter」もいつの間にかブランド名が変わり「X」となりましたが、敢えて当時の呼称で統一するように心に決めていました。そして「X」になってまた投稿できなくなると困るので代替サービスとしてTreadsを開設してみたのですが、PCから投稿が出来ないため今のところ等閑になっています。

前置きはこの辺りにしておき、いよいよ「2023年大会 - 本部スタッフ備忘録」を締めくくるにあたり、これまでに[水端]+10個のepを記録してみた感想や反省点、留意点を記録してておこうと思います。

●脆い記憶、捨てた記憶

まずは、大会のことを書き残すにあたり、時間が経てば経つほど「温度感」が薄れてしまい、それに比例して記憶が無くなっていくことを悲しく思いました。epを書き起こすにあたり簡単なエピソードのメモを記録していたのですが、そのエピソードが具体的にどのような感情の動きを引き起こしたのかを探し出す工程で何度も躓きました。記録のやり方として「ただ出来事を書き残していくだけ」という方法もありますが、私は「出来事が生じたプロセスと結末」こそこの大会の真髄だと考えているので、書き残している間は何度も両手の人差し指と中指で顳顬をグリグリと押し付けて記憶を捻り出していました。もしかすると大会当時に感じていた心の動きと異なった表現で文字に起こしてしまった部分もあるかもしれません。それでも一番初めの[水端]でも書いたように「記憶の欠落ですらこの記録の一興」であると、自らを鼓舞するように後ろめたさを放擲してみます。

あとは、記憶していた出来事を敢えて記録しない手法も採りました。前後のバランスを考えて端折った出来事もあれば、今後の大会に全く役に立たないであろう瑣末な出来事を端折ったりもしました。将来これが吉と出るか凶と出るか、見極めてみたいと思います。いや、見極める前にここで端折ったことはきっと忘れてしまうでしょう。

●スマホをPCカメラとして使用してみた

今更ながら、「もっと動画に記録をしておいたら、忘れていた面白いことを見つけることができたかもしれなかったな」と考えてみたりもします。来年は長時間録画をやってみようかしら。ところで今回は数分の間、コントロールセンターに於いて撮影用スマホをカメラにして、PCで録画をするという手法を用いてみました。

「Irium Webcam」というアプリをインストールして有料版のProにアップグレードして使ったのですが、かなり録画・撮影しやすかったです。スマホ単体で録画・撮影したらPCに転送する手間がありますが、これを使った場合は録画・撮影した後すぐにPCにデータが保存されるので非常に加工が楽でした。大会が始まる1か月前くらいにはハンディカムをレンタルして大会を録画してみようか考えていたのですが、あまりお金に余裕がなかったことと、壊したら嫌だなと思っていたので、自前の機器で済ませることに決めていました。

●登場人物を控えた件について

他には、今回の記録では意識的に登場人物を控えることに努めました。備忘録の目的を際立たせるための手段として、登場人物を少なくして出来事を強調する表現を採用したかったのです。何名かは名前やニックネームにて人物紹介しましたが、当然ながら実際には記事上で紹介した方よりも非常にたくさんの方との交流があり、絶え間ない感謝の念を捧げています。全ての方を紹介しきれなかったことは非常に心残りでしたので、今回私が採ったこの方法は今になって思うと正しくなかったかもしれません。でも「あの人に対して私がどれだけ憧れているか」とか「あの人のような考え方ができるのなら、どんなに豊かな気持ちになれるのだろうか」と、思いの丈を書き記したらとんでもない文字数になってしまいそうなので、やはり制御して正解だったのかもしれないでしょうか。もどかしさだけが残る結果となりました。

●最後に

これらのepを書き終えるまでに3ヶ月弱の時間を要しましたが、その間に100km大会に対する在り方や考え方に微々たる変化を与える出来事があったかもしれません。大会から離れた生活の中で、新しい気付きや改善点が浮かぶこともあったように思います。「これで良かったのだろうか」「もっと良いやり方や考え方があるのではないか」と夢に見る日もありました。

その他、弟子屈町を取り巻く様々な報道に対して100km大会がどのように接していくのか、あるいはまったく関係がないのか、とても興味深く感じるとともに気がかりでもあります。私は弟子屈町民でも北海道民でもないため、地元(移住者も含む)の方がどのように思われているか、気を巡らせます。

次回は、2024年の大会は7月6日(土)スタート、7月7日(日)にグランドフィナーレ(最終ゴール)となる見込みです。コースやルール、大会開催概要に変更が発生する可能性もあります。あるいは今年と全く同じになる可能性もあります。つまるところ、今のところは来年の大会がどうなるか全く決まっていません。

考えたくはないですが、コロナなどの疫病のみならず、紛争や戦争で止む無く中止せざるを得ない場合も考えなければなりません。実際のところ、北方領土の近郊では爆撃や軍事演習のニュースがあったこともあり、道東に住む方からは「戦争は他人事ではない」という話を聞いたこともあります。これを聞いた時には、戦争という言葉が対岸の火事ではないものだと知り戦慄しました。

とはいえ、最悪のケースが起こり得る意識を持っておくことは必要なものの、そのせいで実施できるはずの大会が粗末なものになってもいけません。今年よりも次回の大会が、一層素晴らしい大会になれるように今から準備を進めていきます。

今回は4年ぶり開催、かつコースや距離が大幅に変更したこともあり、一部の参加者の方からは困惑された声も伺いました。全ての方が満足できる大会づくりは難しいですが、「想定内」で「満足度の高い」、ベストではなく「極めてベター」な選択を心がけていく所存です。

なんか最後の方は不穏な終わり方になってしまいましたね。これが私の構成力の無さです。最後は無理やり終わらせるしかないか。

それでは、みなさまの次回大会のご参加をお待ちしております!ありがとうございました!

おわり