【第1CP→第2CP】サブリミナル快感
記事初回入稿日:2009.07.13
最終改訂日:2019.08.04
2009年6月27日(土)
9:19 第2CP到着
本大会の実行委員風に言うと、殿(しんがり)だったかもしれません。
ん、本当に最後尾…?殿(しんがり)?
もしかしたら殿(しんがり)でもないかもしれません。自らの記憶力の無さを恨める瞬間でした。ああ無念。
この第1CPですが、本当に簡素に作られています。林道の中の避難帯みたいなところにテーブルとブルーシートを敷いているだけです。
何でこんなに簡素な作りなのかというと、普通の人は、このあたりではまだまだ元気で、あくまで「9kmを●●分で通過しましたよ」という通過時間データ収集のような場所だからです。
それ故、待機しているサポートスタッフもまさかここで滞在していく人がいようとは、ほとんど考えていなかったことでしょう。
このCPで長い滞在をする場合の例を挙げると、第1CPを自らのゴールとして参加申し込みした方が、迎えの車の出発を待つときくらいです。
本大会は、「第1CP(約9km地点)」、「第4CP(約36km地点)」、「第6CP(約51km地点)」をゴールとするというシステムがあります。
これはどういうことかというと、「初めからコース完歩はムリそうだから、途中で終わりにする」ことができます。
このようにすると、コース完歩という扱いにはなりませんが、リタイア扱いにもなりません。
但し、途中のゴールによって参加費が安くなるわけではないので、個人的には完歩だろうがリタイアだろうが、とりあえずフル参加した方が得じゃなかろうかと思っています。
で、先程
まさかここで滞在していく人がいようとは、ほとんど考えていなかったことでしょう。
と書きましたが、第1CPのサポートの方にとって、今年は不運が舞い降りてしまったと言えましょう。なぜなら、私と根津さんは「長時間滞在」を目論んでいたのですから…。
第1CPに着くや否や、まずは席に着いていたサポートのKさんに飲み物をねだります。気温が高かったせいか、ほとんど飲み物は残っていませんでした。
過去の例から言うと、天候が悪く湿度が高かったせいか、第1CPで飲み物を欲しがる方は、あまりいなかったように思います。事実、過去3年間の大会での第1~第3CPでは、飲み物が残ってしまうことが多かったのです。
それが2009年はカラッと晴天に恵まれたがために、参加者が飲み物を欲しがるのと反比例して、用意していた飲み物の数量が少なかったという事態になってしまったようでした。
それでも何とか飲み物にありつけ、受け取ったらすぐに地面に敷かれたブルーシートに腰をおろします。
「ああ、いやはや何とも爽快な散歩ですこと。しばらくの間、屈斜路湖畔の自然を満喫しようかしら。」と言わんばかりに足を投げ出し、ふてぶてしい態度で第1CPを占領します。
そんなときにやってきたのは、地元の某学校の先生、O先生でした。
足を投げ出している自分の足の裏をおもむろに指で押し、グーッと強く押しつけてきました。
そしてその親指は、次第に上の方に向い、ふくらはぎを射程圏内に入れたのです。
自分の目線がO先生の親指を追い、自らのふくらはぎに向かったと同時くらいに衝撃が走りました。
うっ、うおぉぉおおっっ!?
自らのふくらはぎのやわらかい部分に、O先生の親指が思いきり沈んでいくではないですか!
ああ!
O先生の親指が、まさにタイタニック!
ジャックとローズさえ、全く予期していないうちに沈没し始めてしまいました!あの有名なポーズすらとれていないのに!
自分には、セリーヌ・ディオンの「My Heart Will Go On」を歌いだす準備の時間すら許されませんでした。
当然のことながら、この間合いではケイト・ウィンスレットに愛を読むこともできませんでした。そうして、レイフ・ファインズにパートナーの座を奪われてしまったのです。無念!
と、本当に全く洋画に無頓着な私が、ここまで即興で映画の知識をインターネットで得て、すぐにひけらかしてしまうくらい、ふくらはぎに激痛が走ったのです。
ああ、いたい!いたい!でも、その痛みの中にほんの少しだけ見える心地よさは何?あ、でもやっぱりいたい!
気持ちよさのサブリミナルを感じながらの激痛は、数十秒で終わりを告げました。
あぁぁぁ、終わった…。
その後、根津さんにも同様に、足にマッサージを始めます。
さあ…もう一度、親指のタイタニック沈没を拝める…!
と思いきや?
根津さん「あれ、全然痛くないんですけど。いいですねぇ。」
なにっ、全く痛くないんですか!?これでは、屈斜路湖畔の林道に響いた自分の情けない叫び声が報われません。O先生は、しばらくマッサージを続けます。
根津さん「とても気持ち良かったです。ありがとうございます。」
えっ、痛みは全然なかったんですか!?マッサージを終えた後、O先生はこのように話しました。
O先生「体が健康な人は、このマッサージすると相当痛いはずなのよ。体が悪い人は、痛くないんだよね。」
…ということは、自分は健康体?やった!あ、でも根津さんは痛くなかったって…。
・・・・・・
勝手に自分が気まずい感じになってしまったので、一緒にシートの上で休んでいた、本大会事務局長であり初の徒歩参加の、地元参加・雄二さんにも体験していただくことになります。
雄二さん「ん?あ…あんまり痛くないかも…。」
雄二さん「あ、いや、っいててててててて!!」
O先生「よかったねぇ、健康体だわ。」
根津さん「自分、不健康かぁー。うーん。」
というやり取りを終えた後、根津さんと雄二さんは一服されたのでした。めでたしめでたし。
それから他の参加者の方たちが順次出発され、第1CPも撤収の様相を呈してきました。
残る徒歩参加者は2人、私と根津さんです。
まだ撤収時間までは数十分あったので、もうしばらくゴロゴロさせていただこうと話し合いました。
マッサージを終えた後もブルーシートの上でヌクヌクと大の字になったりしている自分を見て、サポートスタッフであり、会社の上司でもあるIさんは「もうそろそろ行きなよ。」と苦笑い。
第1CPの撤収は10:00なのですが、9:45くらいになったら後ろめたさも感じてきたこともあり、我々2人は出発を決めました。第1CPの方々は、「やっと移動できるんだ」とホッとしたことでしょう。
ただ我々の中には、せっかく一期一会の第1CP、なるべく長い時間、自然と人間の温かさを感じたいという思いがありました。
ですので、例え始めのCPで、みんな他の方たちが元気に出発されたとは言え、大自然の下でサポートスタッフの方たちと談笑をすることは、それだけでも本大会にある醍醐味を味わえるのではないかと思いました。
そんなわがままな考えを持った自分に、多少の苦味はあったかもしれませんが、笑顔でお話ししていただいたCPのサポートスタッフには、本当に感謝いたします。ありがとうございました。
9:45頃、次のCPに向けて2人は歩き始めます。
第1CPからすぐの場所にて、100km大会の看板かと思いきや、クマ出没の看板(熊出没注意の看板…とはいえクマを目撃するのは実は至難の業)でした。
この時から最後のゴールまでほとんどやむことがなかったのは、素晴らしいトークの数々です。私自身、根津さんに出会えて本当に良かったと思いました。何しろ、トーク内容の好みのベクトルがベストマッチだったからです。ここまで話の内容がマッチする方もなかなかいないと思いました。
さて、第2CPに向かうまでに話したトーク内容の詳細を、以下に記したいと…思いません。詳しくは書けないことばかりですので、当たり障りのない程度に、トピックをまとめてみました。問題ないところは、ちょっと書きます。
・札幌とディズニーランドのおはなし
・北見と釧路のおはなし
・これからのCPでのマッサージのおはなし
根津さん「あ、やっぱり手がむくんでますね。ずっと手を下げてると、手がむくんできちゃうんですね。」
自分の手を見てみたら、確かにむくんでいました。
私「あ、100kmの看板がありましたよ。」
根津さん「いやー、こんなきれいなところとかあったんですね!地元にいてもわからないところもあるもんですね。」
とても有意義なお話ができました。根津さん、ありがとうございました。
第1CPから第2CPに向かう中の道路は、晴れていればきれいに屈斜路湖を望むことができます。
今回の大会は終始天候が良かったので、第1CPから第2CPの道中は、きれいな屈斜路湖と朝を共にしました。
第1CP以降のジャリ道は、多少アップダウンが発生します。ちょっとした山登りみたいなものですね。
途中、他の参加者の方を僭越ながら横切らせていただき、2人のペースで次のCPへと向かいました。
そんな中、大変失礼なことをやらかしてしまいました。途中横切った方との会話。
私「たぶんあと1kmくらいでしょうから、もうちょっと張り切っていきましょうね!」
横切った方「そうですか!あと少しなら頑張れそうです!」
その後、20分くらい歩いたのですが、CPがある気配がありません。あれ…もう1kmは過ぎてるはずだよな?
マイペースな2人は、のほほんとペースを崩すことなく、トークに興じ、ジャリの路を楽しく歩いていきます。
第1CPから、1時間半くらい歩いたでしょうか。
さあ、見えてきました。第2CPです!
なんてあっという間だったのでしょう。恐るべし、喋りへの没頭。
第1~第2CP間が約8kmですので、1時間半で到着したとなると、時速約6kmで歩いたことになります。
まさかのペースアップ?
いや、この後にわかる事実ですが、この距離の信憑性が次第に薄れていくこととなります。しかもその資料を作成したのは、昨年の自分。
自分で自分の首を絞めるならまだしも、自分が他人の首を絞めているであろうことには、非常に情けなく思うしかなくなるのも事実です。
で、先程横切った方との会話の件ですが、横切ってから30分以上経って、CPに到着しました。
そう、実際は、残り3kmくらいはあったのです。
なーにー、やっちまったなぁ…自分。
心底、ダメ人間の気分です。。。本当に申し訳ありません。
さて、気を取り直して(早すぎるだろ、もっと謝れ)、ここでも長期滞在を決め込んでいる2人だったのでした。