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[ep.20] あと少しで大会が終わる

【メインテーマ】
100km歩こうよ大会 in 摩周・屈斜路 2019の実行委員がリアルに100kmを歩くことを決意し、実行したらどうなるのか?

【前回の記事とあらすじ】
[ep.19] 朝がまた来て、最後のチェックポイントへ
摩周の峠を下り切ったら、いつの間にか最後尾になっていました。

●7:59、第8CP「川湯駅前交流センター」に到着

いよいよ、最後のチェックポイントに到着しました。タイムリミットが8:15でしたので、そこまで余裕なく到着したようです。

ここ「川湯駅前交流センター」は、記憶が確かであれば、昔は温浴施設があった場所だったと思います。数年前に温浴設備の利用が終了して、町民の集会所として利用されたと聞いた覚えがあります。

このチェックポイントには、第4CP「9○○草原」でお会いしたサポーターの林さん、杉田氏、泰代女史らがいらっしゃいました。顔を合わせた瞬間に、ここまで歩き続けてきたのは、この再開を喜びたい気持ちもあったのだろうと気付きます。

峠を下りきった安心感からなのか、便意を催してきました。私の内臓が、便艦としてのトイレチェックの役割を全うさせようとしているのでしょう。あいにく先客がいたためにすぐに入ることは出来ませんでしたが、順番を迎えて身障者用のお手洗いを利用しました。設備は新しくはないものの臭気はなく、清潔感があり広々としたスペースでした。

お手洗いを済ませ、休憩スペースに入ります。もうチェックポイントとしての役目を完全に終えたレイアウトになっており、最終出発を待つばかりとなっていました。

第8CPのリーダー、地元本部スタッフのタカシさんが右に写っています。普段どおりに接してもらえるのが、何よりもありがたかったです。そしてそれは自分の心が死んでいないことの投影でもありました。

ここのフロアでストレッチを済ませて、短い滞在時間で出発することにしました。ゴールのタイムリミットは9:15です。気力は蘇りましたが体力はほとんど使い果たしているので、時間内にゴールするためには早めに出発しないといけません。

ここでは「森のホール特製 ケーク・サレ」というスイーツ?ケーキ?があるのですが、第7CPでココアをたくさん飲んだせいか何も食べる気になれず、手に取ることが出来ませんでした。

「森のホール」は川湯温泉駅前にある、数年前に開店したおしゃれなカフェです。何度か訪問しましたが、温泉街とは思えないような洋風な雰囲気を過ごせました。

●8:09、第8CP「川湯駅前交流センター」を出発

徒歩参加者で残っていたのは、私とあいぼん氏だけでした。ファイナルウォーカーとして、第8CPを後にします。そしてここからは、第3CPから利用していた竹杖を返却し、自分の足で歩いていくことにしました。

建物を出てすぐに、あいぼん氏が「ケーク・サレを持ってきたんですが食べますか?」と仰り、せっかくなので一切れをいただくことにしました。ほどよくダシが染み込んだ高級な惣菜パンのような味わいです。ああ、もっと良い表現が出来ればいいのに、食レポ失格です。

この先のルートは、国道391号に戻って北に向かい、道道52号の交差点を左折して道なりに真っ直ぐ進むと川湯温泉街に入りゴールに到着します。

距離は3.7km、9:15までに到着することが最後のミッションです。出来る限り最大のペースで歩きますが、何しろ身体(特に足)はほとんど使い物になっていないです。脳と足の動きに、これほど乖離が出るのは初めてです。

国道391号に戻ってまもなく、道道52号に曲がるための交差点に差し掛かります。この道を左に曲がります。

青看板の左下にもある通り、硫黄山に至る道です。ここから硫黄山への入口までは、前日に歩いたスタート後のルートをオーバーラップします。

●道道52号 - 最後のシンボリック・ストレートへ

2度目の道路、白鳥と屈斜路湖を模した弟子屈町のカントリーサインが特徴の看板です。

下は、以前の記事にもアップした青看板のと同じものをゴールに至る前に撮ったものです。川湯温泉まであと3km。つまりはゴールまであと3km。

硫黄山への看板が出てきます。スタート後は、この左の矢印の方に歩いていきましたが、最後のルートは直進して道なりに進みます。

川湯温泉まではあと2kmという看板も出てきます。昔は右側のイラストにいろいろとツッコミを入れてきた私ですが、今回はスルーします。大人になったんですね。

硫黄山を過ぎてからはオーバーラップしていないルートです。左を見ると、硫黄山が木の隙間から覗くことが出来ます。この時もモクモクと白煙を上げていました。

道中、ずっと写真に収めたくて手ブレしたりペースがつかめなくなったりして見送っていた人孔(マンホール)の蓋の写真が撮れました。スタートしてからずっとデザインに心惹かれていました。

道は緩やかに右に弧を描いていき、

最後の直線道路に差し掛かります。

しばらく前には、「地獄のような最後の直線」と語り草になったこともありますが、今はどうなのでしょうか。

過去にこの道を歩いた時は、道路左側は舗装整備されておらず、道路の右側を歩いていました。歩きやすい道を整備していただいたのはありがたいです。

直線が見えなくて不安?そんなことは全く思いません。足を前に進めていれば、いずれゴールに到着します。また、前方に数組の徒歩参加者の姿も見えるのと、最後尾を歩いているために後ろから地元警備会社「ユーカラ警備」さんの伴走車が張り付いているので、怖いものはありません。いえ、タイムアウトだけは怖かったので、逐一時間は確認していました。

本部の私が最後尾を歩いていることで、きっと本部の人間は「台本を作って、その通りのシナリオ、一番盛り上げる最終ゴールを目論んでいるつもりなんだろう」と思われているんだろうなぁ、と考えたりしました。本心は違います。そんな余裕があるのなら、そうして行動してみたかった。

歩いている足は、意識的に動かしている感覚がなく、自動的に動いているようでした。多分間に合うだろう、でも本当に間に合うのか?頭の中で繰り返しこんな考えをしておきながら、実際にはペース配分の命令は身体に反映されないのです。

ふと左に目立つ路面が見えました。ウッドチップを埋め込んだつつじヶ原自然探勝路に至るルートで、最近完成したみたいです。2019年7月下旬にNHKで放映した「ブラタモリ 141 阿寒・摩周」でも、この場所が一瞬触れられていました。

この辺りから、川湯温泉入口が見えてきます。温泉街入口には、ひっそりと看板も立っています。ささやかすぎて、気付かない方が多数という話も聞きます。私もそのうちの一人でした。

そのためか、もう少し進んだところにも看板が立ちました。写真右下です。

緑葉が元気よく生い茂っているため、こちらも少しアピールの弱さを感じられます。

以前このセイコーマートがある場所には、「歓迎 イヌ  」と書かれたアレな看板があったのですが、いつの間にか、しばらく前に撤去されてしまいました。

2009年時点で現存していた「歓迎 イヌ  」の看板

セイコマに寄ることも考えましたが、タイムアウトが怖くて回避しました。ゴールまでは、もうあと僅かです。

[ep.21] 100.6km につづく