日記(2022/06/05)
立て続けに売れたメルカリの梱包と発送を終えて昼から銀座へ。TOHOシネマシャンテでロマン・ポランスキー『オフィサー・アンド・スパイ』。『失われた時を求めて』でもかなりの頻度で言及されるドレフュス事件の映画化。しかし他でもないポランスキーが「冤罪」を主題にして作品を発表した、そのことについては何か「イヤー(嫌)な」感じしかもてない。自己言及的なものとして受け取らざるをえないというか。しかもこれで銀獅子を獲っている。そこもまた後味が悪い。そういうとこ抜きにして見たとしても特に面白いと思えず。ゾラの告発が載った新聞を被告発者たちがそれぞれの声で読むところはフリッツ・ラングっぽさ(?)あったのかもしれない。
銀座を歩いてると高架下で営業してる居酒屋があった。昭和の映画でしか見たことのない雰囲気。クレージーキャッツや中村錦之助の映画ポスターが風雨に曝されてボロボロになってほとんど判読できない状態で壁に貼ってある。気になる。荒廃した国立映画アーカイブの一角が銀座の高架下に出現したような感覚。というのは居酒屋の店主が気まぐれに貼っているような印象は持てず、一応多少なりとも映画史的な知見をもった人が貼っているような「整理された」印象を受けたからで、これは近くに東宝や松竹のビルがあることと関係があるんだろうか。
書店に寄る。店員の注意に対して「マスクは健康に悪いんですよ?」と言う男性がいて、連れてる小さい女の子に「ディズニーは馬鹿になるからダメ」と自分の思想を植え付けている。女の子が「これが欲しい」と言うと「パパのお金だからパパが良いと思うもの以外買わない」とのこと。あーそうですかという感じ。多かれ少なかれ親は子供に対してそういう「方針」でいるもんなんだろうけど、あまりにもあからさまな言葉でそれを言ってしまうと改めてグロい。親の底が見えてしまう感じというか。しかもその底がかなーり浅くて愕然とする。
そういえばシャンテには勝新太郎など映画スターの手形が展示されてるらしく、それ見るために銀座まで行った節あるのに見るの忘れてた。帰宅後に気づく。だとしたらあのボロボロポスターたちも展示なのか?
(今日は終わり)
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