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日記(2022/07/24)

ビデオマーケットの配信でジョン・フォード『プリースト判事』見る。裁判と音楽!混ざるはずのない相反するかのように見える二つの要素がフォードの映画においては難なく融合する。これもまた大らかさというか寛容さというか。

その後、渋谷に向かってシネマヴェーラ。ジョン・フォード特集『戦争と母性』。フォードの中でも個人的上位に位置する!死んだ恋人に手向けるためにマリアン・ニクソンが握りしめる花束の慎ましさも涙を誘うが、彼女を嫌っている息子の母がゆっくりと手を伸ばしてその花束を受け取るときの二つの腕の動きと、それを控えめかつ完璧な距離とサイズで写したショットに大きな感動を覚えるが、その瞬間があまりに静かであるがゆえに、いや、まだ中盤のささやかな場面に過ぎないのだから、これほど大きな感動を覚えるのは早いぞと、高ぶりを隠せない自分の心に言い聞かせる。そんな繊細な場面のあとに続くのは、戦争で息子を亡くした母たちの賑やかすぎるフランス旅行で、かなりの尺を取って繰り広げられる射的シーンのユーモア連打が楽しすぎるが、このテンションの落差、繊細と大らかが何の矛盾もなく共存するのがフォードの映画を貫く太い樹のような魂なのだと感じる。ジョン・フォード作品ベストドッグ、スージーも!名演!

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