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日記(2022/07/18-19)

月曜日。イタリア映画祭2022の配信でマルコ・ベロッキオ『乳母』見る。光の射し方かっこよすぎる。白の神々しさ。乳母役のマヤ・サンサの信念を感じさせる顔。言葉を教わるときの真剣さと夫からの手紙を読んでもらうときの嬉しそうな表情が本当に素晴らしいです。「もう一度読む?」と言われたとき。こうやって声をかけるファブリッツィオ・ベンティヴォリオの優しさといい、登場人物が立場を超えてお互いを尊重しあう様が描かれている。乳母の代わりになって一生懸命に書いた手紙を自身の精神病院の患者に読んでもらうラストシーン。他者になって他者の愛する人に向けて書いた手紙をまた別の他者に読んでもらうという言葉の循環の仕方がとても善きものに思える。 
昼前に渋谷へ。イメージフォーラムでバーバラ・ローデン『WANDA/ワンダ』。真っ先に思い浮かぶのはケリー・ライカートの『リバー・オブ・グラス』と『ウェンディ&ルーシー』を足し合わせた感じ。あとワンダは飲食店で『ジャンヌ・ディエルマン』と同じ席座ってるなとも思った。うーん、でも伝説的な評判のわりには普通だった。ゆるい感じは分かるが、やっぱりバーバラ・ローデンが可哀想で見ていられないし、だからちょっとしたユーモアがあってもあんまり笑えない感じが…。両隣の知らない男2人はたまにゲラゲラ笑ってたけど、後半になると時計見たりしてたな。

火曜日。帰り道に神保町・東京堂書店。中公文庫のアウグスティヌス『告白』1巻を買う。最近は信仰について気になってる。最近新興宗教が話題なのとかは全然関係ない!デカルトが懐疑の人だったので、そこから裏返し的に発展した興味。あとローベルト・ヴァルザー『盗賊』読み始める。ほんとすごい。どういう小説なのか全然分からないけどずっと面白い。


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