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明細書Lintの「明細書文章」チェック機能

1.何をするものなのか

 明細書Lintは、特許の明細書原稿の細かな不具合を検査するものです。明細書Lintは、Wordアドインとして作られているため、WORD画面上で編集中にシームレスにチェック可能です。

・技術情報協会の、8月29日(木曜日)のLive配信セミナー「特許明細書,特許請求の範囲,図面の記載ルールと審査基準~“明細書Lint”を使った特許明細書チェックの効率化、省力化!」にて、明細書Lint について説明いたします。

 明細書Lint の最新版は ver.1.3.3.4 です。以下からダウンロードしてください。

2.各機能の紹介

2.1.請求項のチェック機能

特許請求の範囲を検査するものです。以下のチェックを同時に実施します。極めて煩雑で時間のかかる、前記されていない名詞のチェックが可能です。

・前記されていない名詞(先行詞の欠落)のチェック
・「おいて書き」(プリアンブル)のチェック。
・請求項の引用チェック。
・マルチマルチクレーム。
・請求項の発明の対象と、引用する請求項との発明の対象との一致。

・発明を不明確とするおそれのある語句のチェック。

 ついつい使ってしまいがちながらも、不明確と認定されることの多い語句をチェックします。

これら警告した塗りつぶしマーカーとWordコメントは、消去ボタンで消すことができます。すべての塗りつぶしマーカーとWordコメントが消されることに注意してください。

2.2.明細書符号のチェック機能

・明細書符号の記載をチェックして、符号の記載を誤っている可能性のある箇所に、Wordコメントを付与して警告します。

・上記では「番組表10」は正しく、「番組リスト10」の記載にWordコメントをつけています。
・「番組表は」などのように符号が振られていない要素名について、灰色マーカーで警告します。

・明細書符号のチェックを実施すると、チェック結果がWord画面に反映されるとともに、明細書符号表のCSVファイルが作成されます。このCSVファイルのエラー欄には、エラーの有無が記載されています。

特願2002-188629

上記事例では、「信号処理回路14」をエラーとして検出し、正しくは「ペアチップ14」であることを示しています。

特願2002-34257

上記事例では、「半導体加速度センサチップ1」をエラーとして検出し、正しくは「チップ1」であることを示しています。

2.3.サポート要件のチェック機能

・請求の範囲の用語が実施形態にサポートされているかをチェックします。

・上記請求の範囲の「ネットワーク」「利用者端末」は、実施形態に記載されておらず、サポートされていないおそれがあることをWordコメントで警告しています。

・上記請求の範囲の「両端」「略筒状」「電気信号」「シート状」は、実施形態に記載されておらず、サポートされていないおそれがあることをWordコメントで警告しています。

2.4.明細書文章のチェック機能

 請求の範囲の用語が実施形態にサポートされているかをチェックします。

・文章の長さが100文字を超えるものを警告します。

 文章が長すぎる場合、複文や重文になっていることが多く、不明確となるおそれがあります。これを文章の長さで間接的に検出します。


・主語が記載されていない文章を警告します。

 主語が記載されていない場合、不明確となるおそれがあります。また、英文に翻訳する場合に支障となるおそれもあります。これを名詞+格助詞「は」「が」「も」が存在しているか否かで、主語が記載されているか否かを検出します。

・日本語の文章の読点の代わりにカンマが使われていることを警告します。

・英数字の区切りに読点が使われていることを警告します。

・パラグラフ末尾に句点が記載されていない箇所に警告します。

・行頭にスペースが記載されていない箇所に警告します。

2.5.消去

 塗りつぶしマーカーとWordコメントを消去します。

2.6.40x50 書式変更

 Word文書を40文字50行の書式に変更します。40文字50行の書式とは、インターネット出願ソフトの出力結果と同様な書式です。
 書式変更の際、インターネット出願ソフトに掛けられるように出来るだけ修正します。ブックマーク,巻末注,脚注,ハイパーリンク,コントロールを削除し、変更履歴とフィールドはテキストに修正します。段落は左揃えとし、インデントは全角スペースに変換します。フォントスタイルは下線と上付き/下付きを除いて修正します。

2.7.36x29 書式変更

 Word文書を40文字50行の書式に変更します。

2.8.バージョン 

 明細書Lint のバージョンを表示します。不具合報告などの際にはこのバージョン番号をお知らせください。

2.9.認証

 上記認証ペインが表示されます。有効期限は、明細書Lint の有効期限です。

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