アヤと言う女の子 14頁
女の子ってのは何とステキな生命なんだろう
愛すると安らぎが報酬として返ってくる
対象としては猫と双璧だろう
一緒に居ると慰謝を与えられる
出来る事を全てさせて貰える
楽に楽しく過ごせるように気遣うのが嬉しい
そして今日も黒子
ダイニングにアヤと香織
向かい合わせに座りnotePCを立てている
卒論が、この時期なんて
「うっさいうっさいうっさい涼次」
アヤも僕もとっくに終わってるのに
「いい気になって遊び過ぎたよ、認める、だから助けて」
両手を合わせられちゃ仕方ねえ、借りも在る事だし
哲学の卒論だって、適当にネットから拾ってでっち上げれば良いようなものだけど 大抵の学生がそうだから、教授が読んだら一発でバレると言う代物
香織が文章を創りアヤが添削する、僕はアヤに資料のURLを送り
図書館で借りた書籍をサイドデスクに置く
kitchenにコーヒーメーカーとストーンウェアのマグを支度した
「スゴイ凄いアヤッペ 構成が半端ないから まるでオリジナルみたいな論文」
「香織ン、オリジナルだよ、どれだけ構成の為に資料を集めたと想ってるの」
「法学部ってさすがだねぇ、文学部の論文もチョロいって?」
「チョロくないよ、教授がどんな風に読むか考えると 脳みそが迷子になってる、15分休憩、瞑想するよ」
2人はリビングに降りてきて、観葉植物を背に蓮華座
大きく息を吐き、息を吸う
目を閉じ肩を持ち上げて、下ろす
脱力
2人の呼吸が合う、目を閉じる
僕も床に座り眼を閉じ呼吸を合わせる
蒼い空、雪を冠した山、手前に湖
そよ風が小さな漣を立てている
僕は風になっている 視線が俯瞰 飛んでいる、山の頂を眼下に山麓に沿って降下、湖の上を飛んで、また上昇 あぁ気持ち良い、イカロスみたいに太陽まで飛ぼうか
「降りておいで」
アヤに言われて目を開ける
息をゆっくりしながらリビングに着地した
「お帰り」
香織が右ほお、アヤが左ほおにキスをくれた
「もうすぐ終わるよ」
おでんにしようと想った中央通りに在る店に電話する
ハンドキャリーしたら、ちょうど良いかもしれない
土鍋とコンロをリビングのこたつに
ビールと日本酒を冷蔵庫に入れて地下鉄の駅へ向かう
赤坂見附で乗り換え銀座線だ