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親父が眠っている間、次女に看てもらい、僕はマコと名付けた猫を駅前の獣医に連れて行った。診察台に乗せると1600g
「何歳なの?」

昨日迷い込んできて、なんにも解らない、年齢が解らないとフードを買う都合も有るからと、最初に説明しているのに、アニメの老博士みたいな獣医先生が言う、こいつも惚けてるのか?(笑)

小さすぎて、仔猫だと想っていたら、死ぬ間際にバアニャンだったと解った落ちなのだけど マコは17ヶ月一緒に居てくれた、いつかフンゴロニャオ王国列伝を書こうと想う。

ラブラドールのジョナサンが逝ってから、2ヶ月半でマコが来てくれた。

トン子が帰る夕方から介護のハンドリングをする上で、もちろん娘達が、精神的な助けになったけど、ジョナが癒やしてくれた部分がすごく大きくて、それは人の想いが与えてくれるのとは違う、犬や猫が与えてくれる特別なもの。

縁を結んでくれたマコが有り難くて、徒歩7分のコジマに頻繁に通った。

マコは次女をメインのメイドに指名して、彼女の居室を寝室にし、世話も彼女からを望んだ。

男が怖いらしく、僕が側を通ると、高速猫パンチを繰り出し、イカ耳、背中を丸めて威嚇することも有ったけれど、元が賢いので自分に害が無いのを徐々に理解すると、上手に僕を使い、ご飯を要求するようになった。

マコが癒やしてくれる分、親父に対して更に柔らかく接する事が出来たと想う、猫も老人も僕の手を必要としているのなら、出来る事は全部してやろうと想う。

夜中に2時間毎に起きるのも苦じゃない、元々子育ての時も、一度寝たら、起きない元嫁の代わりに僕が娘達を看ていたから、屁の河童だ。 ただ、愛しい娘達と僕を虐待してきた親父相手では、気分が違っていたのだけど、歳食って弱くなったのだ、看るべと自分に言い聞かながらしていたのを、ナチュラルに はいはいと看られる用になった。

介護をするようになって、親父と初めて人同士として長い時間を過ごし、会話をした。

それまでは互いに会話の成り立たない相手と認識し、必要最小限度の接触しか無かったから、僕は生涯、親父と酒を呑んだことがない(笑)

親父は僕に甘えるように、物心ついてからの事を話した。
大きな米問屋だった生家、蔵が有り、その中に積まれた米俵、新米が運び込まれた時の藁と混ざった香り。

丁稚やねえや達が居て、遊んでくれたこと。 本家夫婦に子供が出来ず、当主の妹の生みの親が番頭と夫婦になり、生んだのが親父で、跡取りとして、伯父の子になった後。

概ねの事は、父方祖母や、浮気がバレて離婚していた父方祖父から聞いて知っていたが、親父の視線、幼児の視線、感じ方を聞いた。

親父の戸籍上の父だった、大伯父は親父が4歳の時に夭逝、それから商売も家も祖父が纏めるはずが、調子のりなのは、僕まで続く、哀しいDNA(笑)。

銭を掴んだ途端、子供が3人居るのに、柳橋、辰巳あたりの芸者遊びに明け暮れ、銭を毟られているのに、もてていると勘違い 枕でもっと毟られる。 店の銭に手を付け、商売が傾く。

親父は戸籍上、祖父母の子ではなく、大伯母に囲い込まれていたから、祖母が辰巳の芸者屋に叔母二人を連れて乗り込んだのは後で聞いたらしい。

粋な場所で、そんな大立ち回りをやらかした、東京府下北豊島郡の祖母、お江戸の北のハズレじゃ悪い評判になったらしい。。 おつむは あっぱっぱーだけど、気だけは強く、まして相手は亭主とはいえ元番頭、自分は家付き娘(見た目は良いけど、あっぱぱーすぎて貰い手無し)

これで、亭主の手綱を握り商売を盛り返せば大したものだったが、後継ぎの長男は、祖母にしてみれば兄嫁に召し上げられてるし、後先を考える人じゃないから、亭主を追い出してしまった。

だから、この実祖父、うちの墓に入っているけれど、一人だけ氏が違う(笑) 親父に許可なく入ってるし。

僕が大学生の時に、親父がどうしても会いたいと祖父を探した。

なんか知らないけど、親父が涙を流して喜んでるのを見て、嬉しかった覚えがあるけれど、そこは親父と、その親父、見事に裏切ってくれる、もうね、負の期待だけは裏切らないんだわ(笑)

爺様が来るというから、母は腕によりをかけた料理を創り、僕たち5人兄弟も爺様を迎えた。
当家の菩提寺から貰った銀杏、松茸を用い、土瓶蒸し、僕は当時の築地の場外に走り、三越の外商に頼んで文字通り馳走。

おじいちゃん♪

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喰い方汚えのw 親父が食事マナー煩いし、箸を使えないと、僕、殴られたのに、じいちゃんは箸使えないのw 

で、げっぷすんのw

一緒に飲もうと支度した、越乃寒梅、僕は手を付けなかった。
かくして、生涯唯一、親父と飲む機会だったけど失した(笑)

おめぇ 越中富山の魚っ喰いじゃねえのかよ? 母方のばあちゃん 滑川で尋常小学校しか出てないけど、飯の喰い方綺麗だったぞ 煮魚の喰い方教えてくれたぞ。

で、じいちゃんは一番逆らっちゃいけない相手に止めの一言を言うのw

「○○さん、もうひとり、男の子が居たほうが良いな」 スペイン製の当時30万円の椅子にふんぞり返って、脚をブラブラしながら。 空気が凍ったのに気づかず(笑)
母に、もう一人男の子を産めってかw 僕が二十歳超えてるのに。
本心じゃないのは解ってる、嫁に対して舅の立場を誇示したいマウント。

「子供は生むだけじゃなくて、育てるものですよ」 母はただ、静かに言った。
僕はタクシー会社に電話した、手配を頼み、祖父の住まいまでの大体の料金を聞いて、封筒に詰めた。

それ以来、僕と名字の違う爺様は毎年正月に来るようになったけど、親父が担当になって、誰も相手にしない(笑)


じいちゃんは、来てからずっと祖母と大伯母の悪口を言っていた、
凄く空気が悪い、僕が越乃寒梅を飲まなかったの、そのせいだ。 ほんに気分が悪かった、卑怯者って心が臭い。

なんなら、商売が傾いたのも二人のせいだと、ずっと言っていた、責任転嫁は、当家のお家芸? 親父もするのよ責任転嫁w 会社が上手く回らないのは社員のせいだっで、社員が全部辞め、今度は呼び戻された、僕の責任(笑)

認知症に為りやすい性格は、こんな弱くて現実から逃げ、責任転嫁をするやつかしらんっと想った。

祖父は、はなっから おつむがすっからかんで呆ける余地も無かったのか98で死ぬまで、ほぼ、惚けず、毎年、当家に来ていた。

親父があんまり冷たいから、僕が何度か外の店に連れ出して、飯を喰わせて返していた(笑)

親父は祖父に構うことで、家族から冷視されるのが耐えられなかった、自分の楽の為なら何でも犠牲に出来る性格ですw

ある日、お寺から連絡が有り、親戚が祖父を墓に入れましたと聞いた。

で、祖父は家付き娘の祖母に追い出されて、旧姓に戻り、一人(かどうかは知らんが)好きに暮らしていたが、残された親父は悲惨だった。

元々、当主の大伯父の才覚で大きくした商売、コンピュータのCPUが抜けたようなものだから、後は売り食いでずっとやってきたらしい。

祖母と大伯母のマウント合戦も凄まじかったと母から聞く。
母が嫁いだら、姑が二人いて、必殺ダブルイビリ、僕を妊娠してからもイビリが続き、さすがの母も20代前半では太刀打ち出来ず、僕は今の数え方だと200日ちょいで外へ出たと言う、超未熟児。


母方の祖父に怒鳴りつけられて、親父は祖母と大伯母を放り投げて、母の実家そばにアパートを借りた。

それも妻子が可愛いからじゃなくてw 母方の実家に与したほうが楽だし、大事にしてもらえるからw


自分の触れ込みじゃKO大学医学部に合格したけど、上記の祖母、大伯母が遺産を全部使ってしまい、入学金が無かった。

C央大学の経済学部に入学したけど、上記二人を養うためにM医物産に入社し退学した。
親父との会話で、自分が如何に、そうやって苦労してきたか、そのために、のほほんとしてる僕が憎たらしかったとか言われた。

いくら昔でも医学部と経済学部では科目が違いすぎるし、M井物産の子会社だったって知っているけど、嬉しそうに話していたから黙っていた。

親父が逝ってから、あれこれ書類を見ていたら、母方祖父への借用書他が出てきた、母が嫁いだ時、祖母と大伯母の浪費で借金まみれで、母の持参金は消えたと聞いていたが、足りずに、僕のじいちゃんからもお金が出ていた、今の換算だと8桁の うーん(笑)

ねえ お父さん、人が知らないと想って、嘘をぶっこいても、死んでからバレちゃったりするのよ(笑)

僕の心臓病の原因、きっと糖尿病を発症すると言った原因、癌に成るであろう原因と悪口を言っていた母方に、こんなに世話になっていたんだって、書類を見て想った。

呆ける性格は猫と真反対の性格

群れて、一番上に居たがる、愛するためじゃなくて威張り痛めつけるため。
ええかっこしいするためならどんな嘘も着く 家族すら貶める
ハリボテの外面でマウントする
真ん中の本当を突かれると 脆い
あたふたする、逆上する 相手を攻撃する等の症状(笑)

本当の自分が無い自分の内側からの目で自分を見ない

誰かの評価が無いと自分を見られない、他の評価に左右される
付和雷同する。

成功、失敗の要因原因を分析してデータとして自分のものにしない。

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胸に刻んで、ついでにストレッチもして身体を鍛えて 惚けまいよw 惚け老人の介護って死ぬほど大変なの、身にしみているから(笑)


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