アヤと言う女の子 25頁
アヤの笑顔が好き、アヤの匂い、アヤの立ち居振る舞い
声 全部、既に僕の一部だ
アヤの居ない世界なんて有り得ない
「アヤを縛りたくない、ステータスとして結婚が欲しいなら、そうしよう」
「お兄さんの言ってる意味が解らん」
夕方、ダイニングに料理を並べながらエリと話している
玄関のロックが音を立てアヤが帰って来た
「おかえり」
「ただいま」
アヤは僕とエリに言い、自分の部屋に着替えに
「お帰りのキスせんの」
「いつもしているよ」
「今日はなんで? 私がいるから?」
「うん、いちゃいちゃは二人きりの時と決めている」
「それ、なんて矜持?」
「女と男、そのまえに人と人 人だと自分たち意外ともかかわりあう、女と男の部分は時に生々しいから他の人が居る時は控えている」
「良く解らん」
僕は殻を剥いた牡蠣をテーブルに並べ、ワインをアイスバスケットに日本酒をとっくりにいれ燗をつける
チーズを入れたマッシュポテト ビアカップ
「もてない男女がひっついた時みたいに人前でいちゃこらなんて浅ましい真似はしたくねえって事さ」
「すげぇ傲慢」
「人のイチャコラなんて見て楽しいもんか、している二人が見て見てと承認欲求を発揮してるだけだ」
人という社会動物として生きなくてはいけないから、出来るだけ周囲の不興は買わないように気を使うのは当然だ
牡蠣の土手鍋、土鍋にセット、ガスコンロOK
アヤがバスルームを使っている
僕はエリにIpadを委ね、自室で今日のおさらいをした、依頼した弁護人は鈍通と上手く話をつけてくれた
アヤが社会人としてPlayしたいなら、全面バックアップするのもありでしょ
19時、食卓を囲んだ、
サーバントの僕が立ったり座ったりしないように料理はいっぺんに並べる、そのためにダイニングのテーブルは通常より二回りデカい
「エリ、お酒呑むの?」
「うん、アヤとのノロケをしたら惚気た分呑ませろと、外へ行くわけにもいかないから、セットした」
「それで賀茂鶴か、有難う涼次」
「いえ、御妹君のリクエストですから」
「エリ、トグロ巻かないでよ」
「おねえよりお酒強いけぇ平気」
食事が始まる
チーズマッシュポテトで軽く胃にプロテクターを創る
ビールで乾杯
姉妹のおしゃべりを肴に日本酒と生牡蠣
ワインで土手鍋
箸休めに野菜スティック
「おねえ、ええ漢捕まえたね」
「周りに応援してくれる友達もおって、げに感謝だわ」
アヤも御国言葉になってる、普段はイントネーションも、こっちのトーンなのに、僕はにこにこしながら賀茂鶴を干す
「春の入社式来るってお父さんお母さん」
「卒業式じゃなくて?」
「うん、社会人になったおねぇを観たいって」
入社式に親、今じゃ珍しく無いけれど
「卒業式にしてって伝えてよ」
「一応、希望は伝えておく」
「日程が決まったら教えて、ゲストルームを抑えるかホテル取るかするから」
これは僕、このマンションはゲストルームが3つ有って予約すれば使える、西新宿のホテルまでは徒歩900mだ
guestルームはエリちゃん来るときも提案したんだけど
「お金掛かるんじゃろもったいない」
「エリ、お父さんから斥候言われたんでしょ」
「うん、交通費と宿泊代で請け負った」
「宿泊費浮かしたね」
「アルバイトの苦学生じゃけん、かんべん」
安芸の国の美女2人のおしゃべり肴にホロホロと酔って
夜はふけていく