私の睡眠時無呼吸症候群を、たぶん毎晩救っているマウスピースのお話。
私は睡眠時無呼吸症候群です。軽度ではありますが。その対処にいろいろトライした末、現在は医療用マウスピースに落ち着いています。今の対策までに至った経緯を参考までにご紹介したいと思います。
自覚のない無呼吸だった
私の無呼吸は家族に指摘されて知ったのですが、しかしその弊害は全く自覚できませんでした。唯一あったのは、朝起きた時に喉が痛いことは多かったです。しかし日中急に眠くなることも、頭痛などもないし、今まで不眠を感じることもありませんでした。
一方、過去に不整脈系の治療をしたこともあるため、呼吸器、循環器は気を付けたいという思いから、この無呼吸をなんとか緩和、改善したいと思っていました。
アゴが小さいため舌が収まらない。
これはかなり後からわかったことです。睡眠時無呼吸の原因はいろいろあるらしいですが、私の場合は「アゴが小さくて、舌がアゴの中に収まり切らずに、喉を押し狭めて気道をふさぐ」ことのようだ、と歯科医の先生に指摘されました。
【上図:私の場合の無呼吸になる原因と思われるイメージ図】
トライ&エラーの対処法
原因の特定はできなくても、寝ている時に力が抜けてアゴが下がってしまい、喉が塞がるというイメージはあったので、それを改善する方法を次々と試しました。
首サポーター
寝ている時に首をなるべくまっすぐ=気道を狭めない、ためのサポーターです。アマゾンで購入して数日試しましたが、家族からは「いつもと同じように止まってる」とのことで、私には不向きなようでした。また私には装着感が強く寝ている間に無意識のうちに外してしまう日もありました。あと暑い。
【上図:いびき防止グッズですがトライ】
リュックで横向きに寝る
一般的に気道が塞がるのは仰向けの時らしく、そこで寝ている時に仰向けにならないようリュック的なものを背負って常に横向きをキープする、という方法が紹介されていました。そこでさっそくリュックを背負って寝てみました。結果はリュックを背負っても普通に仰向けになっていました。
【上図:仰向けにならないための方法だが、あまり効果なし】
これ以上リュックの荷物を大きくすると気になりすぎて寝にくいので断念しました。
イビキ防止アプローチ
無呼吸とイビキは関係が深いようです。イビキはまだ喉にギリギリ空気が通って音が出ますが、その延長で喉が塞がった状態が無呼吸とも考えられるようです。そこで今度は
「イビキ防止」の分野からトライをしました。
口閉じテープ
実は、これがなかなか効果を発揮しました。まず、もうひとつの大問題である朝起きた時の喉の痛みがかなり改善されました。やはり寝ている時に口が開いて呼吸をし、その時にイビキにもなるし喉の乾燥もして朝に痛みが発生していたと思われます。
【上図:いびき対策、朝の喉痛対策には効果あり】
ただし、無呼吸の方は、あまり改善されてはいないようでした。寝ている時に口が空いているか閉じているかは、喉の乾燥には大きく影響しますが、無呼吸にはそこまで影響がないようでした。
セルフタイプのマウスピース
私は喉の痛みを緩和する口閉じテープは使用しつつも、引き続き無呼吸緩和の方法を探り、次はお湯で軟化する樹脂を使って自分で作るタイプのマウスピースを試しました。
これはアマゾンで数千円だったかな~。おおまかな形をした樹脂製のマウスピースを熱いお湯に入れて軟化させ、少し冷ましたタイミングに自分で噛みしめて歯型を付けてフィットさせるというものです。
【上図:セルフタイプのマウスピースのイメージ】
これは、実は結果がよくわかりません。この樹脂はそこそこ口の中でのボリューム=体積があり、どうしても私の場合は異物感が気になります。続ければ慣れるのかもしれないけど。そこで、結果がわかるほどの期間は試すことができすに断念しました。
段々医療的に。
鼻チューブを検討→費用面でトライできず。
鼻から細いシリコーンの管を喉へ通し、寝ている時に喉が塞がっても物理的に呼吸ができるだけの隙間をキープするというものです。商品的にはナステントという名前かと思います。これかなり試してみたかったのですが、ネックは、使い捨てコンタクトレンズのように毎日新しいものを使う必要があり、かなりコストが高くなることと、初回は医療機関での受診が必要というハードルがあってトライできずに断念しました。
【上図:気道確保チュープのイメージ図】
CPAPという方法→まだそこまでは至らず。
CPAP(シーパップ)は鼻から強制的に空気を送りこみ、喉が塞がっていても、空気圧でむりやり呼吸の隙間を作るということらしく、無呼吸の対症療法としては確実性の高い最後の砦的なハードウエアです。
装置がやや大ごとでも慣れるらしいのですが、しかし私は寝る時に身に着けるのは非常に気になってしまうため、これは極力避けたいと思いました。また医療機関から有料レンタルか自費購入というハードルもあり、私はまだ試すには至りませんでした。
【上図:CPAPのイメージ図。まだこれは使っていません】
たどり着いた、医療用マウスピース
そして行き着いたのが医療用マウスピースです。これは無呼吸やイビキ緩和用のもので、制作は歯科医院で依頼します。もし自費で作ると10万円近くかかるらしいのですが、しかし睡眠時無呼吸症候群の診断があれば治療具として保険適用になり、2万円弱(1万円台)で作れるとのこと。
私はそれにトライすることにしました。そのためにまずは歯科医ではなく、循環器系の医院にて無呼吸の診断をいただくため受診し、判定のための計測器を借りて数日の間モニターしました。
【上図:無呼吸を判定するための検査イメージ。けっこういろいろ付けるので寝にくく、これを数日間=複数回記録して医院に提出して判定してもらいます】
これも違和感があり決して快適ではなかったけど、しかしそのかいあってモニター情報から正式に睡眠時無呼吸症候群の診断が出ました。その診察結果を持って歯科医院にいけば保険適用でマウスピースを作ってもらえます。
ほんの1mmでも隙間があれば
この歯科医院で、冒頭の「アゴが小さいから喉が塞がる」ことを指摘されました。そしてまたマウスピースで下あごを前に出した状態を維持する=いわゆる「受け口」のような形にすることで、舌で喉が塞がることを防ぎ、ほんの1mmでも隙間を維持できれば無呼吸を避けられる、という理屈らしいです。
【上図:マウスピース使用のイメージ図】
【写真上:私のマウスピース。透明樹脂製で硬めです。上アゴパーツと下アゴパーツが分かれていて、アゴの出し加減を調整できるようになっています。決めたところで接着してあり、後から調整も可能です】
歯科医での初回診察
歯科医での初回は、循環器内科で出してもらった睡眠時無呼吸症候群の診断書を見て、口、喉の位置のレントゲンを撮りました。そこで冒頭の「アゴの小ささが気道を狭めているようだ」と言われました。そしてマウスピースの元にする歯型を樹脂粘土のようなもので取り、一回目は終了です。
歯科医2回目診察
2回目は2週間後くらいだったかと思いますが、その時にはマウスピースがひとまず完成していて装着し、そこで下アゴをどのくらい前に出すかを見計らって固定します。それでひとまず完成し、マウスピースを受け取って帰ります。
その後は、特に問題なければ使い続けてみるし、気になることがあれば調整してもらいに行きます。
かなり効いている感じ
私の場合、とうとうこのマウスピースが功を奏し、以降無呼吸にはなっていないようです。本当のところはわからないのですが、しかし少なくともイビキは大幅に改善されていますし、家族も「あきらかに呼吸が止まっている」と気づくことはなくなりました。
なお私はこの「イビキ、無呼吸、喉の痛み」をなんとか改善したいと思い始めてから、スマホで睡眠時のイビキのモニターをする「いびきラボ」というアプリで毎日イビキの有無を測定していますが、以前にくらべ、そうとう改善したことは判明しています。
やはり医師受診が絶対おすすめ
もともと無呼吸の自覚はなかったのですが家族に指摘され、いろいろ試した結果、循環器系の医院で睡眠時無呼吸症候群が判明してマウスピースにたどり着きました。
なおマウスピースは透明樹脂製で硬いです。使い始めた当初は、朝起きるとアゴが痛い感じでしたが、今はずいぶん慣れました。それ以上に、おそらく今は無呼吸にはなっていないと思われます。
睡眠時無呼吸症候群はとても多くの方の問題かと思います。そこで私の場合のケースをお話しさせていただきました。人によって原因も度合いもさまざまです。私のように覚醒時に問題を自覚できないケースもあるので、気になる事や家族からの指摘などがあったらぜひ医院での診察をお勧めします。
検査は少し大変ですが、しかし状況がわかれば対処法も見えてくるので。