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「真上からの手もと撮影」手作り作家必須の映像。これが私の手法です。

真上から撮影する手もとの写真や映像は、手作り作家にとってはぜひトライしたいアングルかと思います。そこで今回は私が試行錯誤した自分なりの撮影方法と機材などをご紹介いたいと思います。

固定しない、真上からの撮影を求めて

私はレジンで小さな猫フィギュアを作る造形作家です。造形作業は大半がデスク上で行われます。その様子を記録や発信をするため、なんとか「真上からの手もと撮影」をしたいと思っていました。

調べ始めたのは4~5年前なので、その当時はまだ情報が多くなく、やや大規模なセッティングや、三脚を活用するケースなどが多かったように思います。

しかし私の希望は「あまり大規模=部屋のスペースを使わないコンパクトな方法」「そのたびにセッティングするのではなく、常時すぐに撮れる状態であること」「カメラ位置が固定されず、ある程度動かせること」が、目指したい方向でした。

そこで自分の妄想としては、以下のような、天井から設置したようなものが理想でしたが。

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【上図:妄想1】

しかし、これは部屋のスペース上はあまり邪魔にはならないけど、実現するには費用や工事などが大規模になります。そんなことは当然わかっていたので、次の案の検討です。

次は自分の肩ごしに撮る=自分の背中の位置にカメラを固定することはできなかなと夢想しましたが、これも断念。

私の部屋は背後にスペースがないことと、狙える位置が限られて、逆に「作りにくく」なり、本末転倒になってしまうからです。

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【上図:妄想2】


そんな時、この事を友人の元・会社同期に話したら、その友人は音楽機材に詳しく「マイクスタンドを使えば?」と助言してくれました。マイクスタンド?

それは昔からある「Zライト」の先端のライトがない状態。のようなもので、机に固定して、ある程度自由に位置を動かせるアーム状のものです。アマゾンなどで2~3000円くらいで買えます。

あーなるほど、ということで、このセンで追求することにしました。そして試行錯誤の結果、行き着いたのが下記のような構造の設備です。

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【上図:構造図】


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【写真上:実際のようす。※手前の細い曲線はLEDライトを結束バンドでくくり着けたものです】

この装置ならばコンパクトな設備で、そしてデスク上で、左右、奥行き、高さを容易に変えることができます。三脚ベースの場合では難しいことです。

ポイントは、アーム先端が重すぎない事。

そしてこのマイクスタンドの先端にカメラを付けるのですが、ここにも使い勝手が必要で、「充電しながら使えること」「カメラ自体の取り外しが簡単なこと」「データも容易に取り出せること」などが希望でした。そこでたどり着いたのが「自由雲台とクイックシュー(のブラケット)」です。

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【写真上:マイクスタンドの先端。三脚と同等のネジがあります。これが意外と大きなポイントになりました。】

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【写真上:自由雲台、ブラケットの実物】

自由雲台であれば、どの方向にも向けることができ、かつ軽量です。この「軽量」であることは非常に重要です。それはマイクスタンドはやや離れた固定場所からアームを伸ばしているため、先端にあまり重量があると耐えきえなくなってしまうからです。そのためカメラも、コンパクトデジカメくらいが限界かと思います。

そしてクイックシューならばカメラを容易に付け外しができます。具体的な商品は●ベルボン軽量自由雲台B31M ●ブラケットもベルボンBR-M。

私はL字のブラケットをクイックシューとして使っていますが、構造上はブラケットを使わずに普通のクイックシューでも真上からの撮影は可能です。私の場合はアームに、LEDライトもくくり付けるなどの諸事情でブラケットを使っています。

一方この仕様の場合、カメラの機種によりますが、背面モニターを起こす方向の問題で、天地逆さまでの撮影になります。なのでデータを使う際は、後から画面の天地逆転の変換をします。

天地逆に

【上図:カメラモニターの動き方と絵の天地の関係説明】

また結局、データを取り出すのは単純にカメラ本体からSDカードを抜きだすプリミティブな方法にしました。

無線やUSBケーブル送信なども試したのですが現時点では、動画ファイルは重くて、無線やUSBでは非常に時間がかかり、むしろイライラすることになるためです。

スマホやタブレットでのコントロールも可能

さて無線と言えば、モニターを無線でつなげば手もとでのカメラ操作も可能です。カメラの機種ごとにアプリや方法があるかと思いますが、スマホやタブレットでカメラをコントロールできるのはとても便利です。

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【写真上:無線接続でスマホアプリからコントロール。これはカメラ機種ごとに可不可があるかと思います】

私は当初、現在のように背面モニターが起こせるカメラ機種ではなかったため、背面モニターを直接見ながらの体勢が難しく、そのためこのアプリで操作していました。

その後、背面モニターを起こせるカメラ機種に変更したので、今では特に撮影のタイミングや画角がデリケートな時以外はカメラ本体のモニターを見て操作しています。

なお私が使用しているのはソニーのカメラのため、ソニーのアプリ「Imaging Edge Mobile」というものでカメラと、スマホやタブレットと無線接続をしています。

弱点は揺れ

以上のような設備で、かなり理想的な体制が整ってきました。しかしこれにも弱点はあります。それは「揺れに非常に弱い」ことです。

固定が机の端の一か所であり、またアームでかなり距離があるため、ほんのちょっとした机や床の揺れでも先端のカメラ部分が影響してフワフワ揺れてしまいます。

またシャッターボタンを押すことでもユラユラと揺れますので、動画ならその揺れが収まってからが本番。静止画ならタイマー撮影などで対応しています。

さらに実は本当の真上撮影=カメラの水平が必要な場合、水準器などで微妙な調整が必要です。私の場合は、「だいたい真上」で良しとしているので、この簡易設備で充分機能しています。


真上より「ナナメ上から」が必要な場合も

このように現在そこそこ実用的に活用していますが「揺れ」の低減以外にも、別の希望も出てきています。

それは完全に「真上から」だけではなく「少しナナメ上から」ができたらいいなと。

真上からではわかりにくい被写体もあり、ナナメ上からが最適なケースもあります。そんな時、今は卓上に小型の三脚を立てカメラを設置し直して撮っています。

しかしこの「そのたびにセッティング」が、気持ちのエネルギーをかなり消費するので、もう少し簡単に「真上」と「ナナメ上」を切り替える方法があるといいなと考えています。

そもそもカメラや撮影機材や、作業環境を改良するのは好きなので、楽しみながら時折り新たな情報がないか調べています。そして「お、こんなものが有るのか」と発見するとまた改良を続けています。

以下は以前に投稿した記事内の動画ですが、大半をこの真上からの撮影設備で撮ったものです(ただし超接近撮影のところは卓上に三脚で別撮影をしました)。ご参考まで。

今回ご紹介した設備で撮影した映像
https://youtu.be/DSCCvXpLaoo 


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