子供の自転車練習。偶然発見した、たぶん効果的な練習法。
息子が幼児の頃、自転車の練習をしようと思って偶然発見した、とても効果的な練習方法をご紹介します。今回は造形の話ではなくやや番外編です。
この2週間くらいで自転車練習する親子さんを連続して見かけました。それを見て自分の経験を思い出し「あー、あの方法を教えたい!」と思ったのですが、急に見知らぬおじさんが声をかけては単なる迷惑&不審者かと思い。
そこでこのnoteで、かねてから「きっとこの方法なら、かなり早く補助輪なしの自転車、乗れるようになるはず」と思っていた方法を吐露させていただきます。
いきなり結論「すごーーくなだらかな斜面」でバランスだけを練習すること。
この「すごーーくなだらかな斜面」が最大のポイントです。「坂」とか「明らかに斜面」に見えるようでは急すぎです。一見、坂には見えないくらいの場所で、しかし実はボールを置けば転がり出す、くらいの感じが目安です。もちろんクルマなどが通らない安全な場所であることも重要です。
【上図:斜面に見えないほどゆるやかな斜面、のイメージ図】
そんな超なだらかな斜面で「漕ぐことは考えずに」「バランスをとることに専念」します。
自転車練習が難しい理由とその対策法
初めての自転車練習の難しさは、2つのことを同時にするからです。それは「バランスをとること」と「漕ぐこと」の2つです。さらに漕ぐ動きは左右が対称ではないため、それ自体がバランスを取りにくくしていて、結果的に相反する2つのことを同時にする大変難しい練習です。しかしその両方を同時に実施しないと現実には自転車には乗れません。
そこで「漕ぐ」という事を、斜面でゆっくり動くことに任せて、「バランスをとること」に専念できるようにする、ということです。
【上図:バランスと漕ぐことの優先順位の概念図?】
これが、その当時の練習風景の動画です
運よく当時の動画があったので、これを見ていただくと、「なだらかな斜面の感じ」や「バランスだけ練習の感じ」がわかるかと思います。
【動画上:ゆるやかな斜面でのバランス練習。本人が飽きるまで繰り返していたが、でも30分くらいが限界だったかな。約10年前の映像】
私がこのことを発見した当時の経緯。
約10年前、今はもう高校生になったウチの息子(当時、幼児年長か小学1年生くらい)と自転車の練習をしようと思ったとき、まだ好きかもわからないので、いきなり自転車の購入はせず、子供用の貸し自転車がある場所を探しました。
東京、神宮外苑では日曜・祭日にクルマの通行を禁じてサイクリングコースになっていました。そこでは当時レンタル自転車があり、幼児用の小さなものを借りて練習をしました。(なお現在は、国立競技場の建て替え工事などのため2019年からは貸出を休止しているようです。)
幼児用の小さな自転車を借りてもまだ全くの初心者です。自転車専用道とは言っても他の走行者さんに迷惑にならないよう、道路ではなく、旧国立競技場のゲート前、人の行き来のない広場的スペースで練習を始めました。
偶然の斜面が大効果!
その場所こそ、偶然の「超なだらかな斜面の場所」でした。そこで練習を始めて気づきました。「あ、ここなら漕ぐことをしなくてもバランスだけの練習ができるんだ」と。
そこで息子には漕ぐことさせずに、ただ斜面で自然に動き出す自転車で、バランスだけをとれるよう練習してみな。と言って見守ります。
するとその緩斜面を、ユラユラと足を付きながら下ります。子供本人も何か惜しい感触があるのでしょう。下までくると、またすぐ斜面の上に自転車を引いて行き、練習をはじめます。これを飽きるまで繰り返し、その日は終了。おそらく1時間は練習していないでしょう。こちらも飽きてしまうので。今日は帰るかと。
そして、また翌週も来て練習をしました。たしかこの2回目の練習で、だいたいバランスがとれるようになり、その後は平地の自転車専用道路に出て、クラクラしながら漕ぐことも練習を始め、なんとか乗れるようになりました。
【動画上:2週目(2回目)の練習にて。漕ぐ練習も始めたところ】
【動画上:2週目(2回目)の練習、数十分後。クラクラしながらなんとじか自走してます】
ポイントは、本人の意欲が続く範囲で。
このように2週に渡り、おそらく合計2時間くらいの練習でなんとか乗れるようになりました。
ポイントは「本人が飽きたらその日は終わる」こと。それ以上の強要をすると自転車に乗ること自体がイヤになってしまうので。
あと、乗れるようになったとしても「乗れるだけ」であり、とうてい周囲の状況に気を付ける事などまだまだできません。まったく余裕がないので。
そのため、しばらくはクルマなどが通らない自転車専用コースの、さらに子供専用エリアなどで練習をして、自在に運転できるように練習すると良いと思います。
ゆるやかな斜面は身近にあるのか
ところで冒頭、自転車練習をする親子を続けて見かけたとお話ししましたが、さて近隣に「ゆるやかな斜面」はあるのか。という問題があります。
これは想像ですが、大きめの公園の中やゲート前の広場などに、近い環境があるかもしれません。なにしろ「坂」だと感じるようでは急すぎて逆に危険です。さらに言えば練習の時は、親御さんが斜面の下側、子供の進行方向の先で待つのが良いように思います。
なおその約10年後の現在、高校生になった息子はそのまま自転車好きになり、ロードバイクと言われる細くて軽く、速度の出る自転車に乗っています。
今回は造形とは関係のない番外編として、最近、自転車練習する親子を連続で見かけたため、前々から誰かに言いたかったことをお話しさせていただいました。失礼しました。
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